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二度目の一回目

大学での講義は、決められた時間に決められた講義を受ける。

たまに出される課題やレポートををきちんと期日までにそれなりの出来で提出すれば、そこまで休みが目立つようでなければ卒業はなんなくできる。

僕はそんな一辺倒な回りと同じような生き方が最大の幸せだと感じていた。

僕の恋愛観にもあるように、波風をたてずに、そこにある幸せをスルメのようにずっと噛み続けられれば、僕は一生生きていけると感じている。

そんな僕も一応人として生まれたこともあり、ひとの真の目的であろう子孫繁栄の一番最初のステップである恋愛については、避けては通れなかった。

これまで19年の人生で二度の恋愛をしてきた。

一度目は高校生、二度目はいま。

どちらも叶わなくても僕は幸せだ。

ひとを愛するあまりに無くしてしまう感情や人生の方が、取り返しがつかなくなってしまいそうで、自分の恋愛であるものの、ずっと蚊帳の外から眺めていたい。

近くにあるからこそ、手に入れたくもなるし、自分のものにしてしまいたくなる。

そして自分の思い通りにしてしまいたくなる。

挙げ句の果てには、思い通りに行かないことにヤキモキしてしまう。

僕にも恋が叶ったことが一度だけあった。

ただ、それは恋と呼ぶにはあまりにも不純で、大きな声では言えないものだった。

僕はそれを恋とは呼ばず、ただの人生の通過ポイントとして位置付けることにした。

そうしないと、僕は先にも進めないし、一生僕は自分を憎みながら生きていかないといけなかった。

恋の相手は、もう二度と会うことはない。

もう二度と会えない。

会ってしまっては、僕という世界の滅びになってしまう。

どうしてまたこうして過去を思い出したかというと、家に帰ったあとに起こった事件がきっかけだった。

もしかしたら、神様が僕に誰かに対する好意を抱くことこそが悪になると教えてくれているのかもしれない。

それは異性の恋愛感情でも、同性でも恋と呼べるものでなくても、僕から生まれる感情事態が起爆剤になり、回りを壊していってしまうのだろう。


そうすれば、僕はどうすればいいのだろうか。

いっそのこと、回りに迷惑をかけるのであれば、もう誰にも会わない世界に飛び立つのも悪くはない。

しかし、それはいまではない。

いまはやることがある。

やらなければ、今以上に僕は一生自分を憎しみ続けなければならない。


そう、事件が起きたのだ。

事態は僕が思っていたのとは全く異なっていた。

僕らが調査を進めていた事件はまだ終わってはいなかった。


連続女子誘拐事件に、新たな六人目被害者が出たのだ。

アメリカの事件では被害者がちょうど5人だったので、僕は油断をしていた。

被害者の相手は、まさかの人物だった。

妹の加南子が、いなくなったのだ。

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