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涙は星に
お題より
『涙はいつしか乾いて、哀しみは癒えるものでしょう?それは天が悲しみを吸い取ってくれるからなのよ。涙はお星様になるの
嬉しいことも悲しいことも、天が涙を昇華してくれるから、だから天はあんなにも輝いているのよ。だって、涙を流しているその瞬間は、人生の一部だから。人生が尊くない訳がない。』
寝物語にそんな話を聞かせてくれたあの女性は一体誰だったのだろう。私は小さい時の、白昼夢のような光景を思い出していた。
あれは本当に現実だったのか。絵本か何かを読んだ後だったから、そのような夢を見ただけだろうか。目の前の焚き火をぼうっと見つめながらそんなことを考えた。
傍らに目を移す。
先程助けた痩せっぽちの少年がすうすうと寝息を立てていた。
そうだ、丁度私もこの位の齢だった。さっきの記憶がまた頭を過ぎる。
涙は星になる。ではこの涙も天に還るのだろうか。水が頬を伝う感覚に、柄にもなくそう思った。
少年が起きる前にここを離れなければ。
異形は厭う姿を隠すようにそっと立ち去さった。




