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3/7

逆巻く





静かな湖畔が波立つように、水面に波紋が広がるように

物事は揺れ動くものである


俺たち兄妹は限られた時間しか共にいることが出来ないらしい

ある一定の日にちが経つと妹は不幸に見舞われ、俺は助けの手すら伸ばせない状況に追いやられる

そしてまた、俺一人だけが過去へと戻ってくる

どれだけ泣き叫んだだろうか、嘆き悲しみ自らも妹の後を追おうとしたのだろうか

もう、覚えていない


何度も繰り返すループのなかで身近な人の死を、最愛の妹の死を見せつけられてきた


でも、ループして過去へと戻ってきた俺の隣にはいつもクリクリとした大きな目で見上げてくる妹がいた

「お兄ちゃんどうしたの?怖い顔してるよ?」って心配そうに見つめてくる


1度、この妹は偽物で本物の妹はもう居ないのではないだろうかと馬鹿な考えをしたこともある

偽物は、要らない と手を掛けそうになった


その時に見た妹の目は純粋で……

あぁ、この目はホンモノだと気付いた


それからはどんなに苦しくても辛くても、妹のために狂えない、狂ったりするものか と決意した


しかし、人間とは脆いもので してはいけない 禁止したものに引っ張られる、引きづられる、引きずり落とされる


気を取られるあまり意識とは別の行動を取ってしまうことがある


何故、思い通りにならない結果を追い求める?

何故、俺はこんな事を続けている?


何故、ここまでして妹を助けたいと願うのだろうか


嗚呼、苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい


俺は……、俺は……ッ!!



❮危険な思想をしています。強制終了まで……カウントダウンを開始します❯


頭に響く無機質な声と合図のカウントダウン

ゼロ、の声を聞くなり俺の意識は落ちた



ーーーーーー。


「ねぇ、お兄ちゃん

今日のご飯は何かな?」


「母さんに買ってこいって頼まれたのはニンジン、ジャガイモ、牛肉……タマネギはお隣さんから昨日お裾分けって貰ったから

今日はカレーかな?」


「やったぁ!カレー大好き!!」


「そうだな、好物だもんな」


大はしゃぎする妹にそれを微笑ましく見守る兄


至って普通の日常、

至って普通の兄妹









「ダメです、試験番号106 精神が耐えきれず脱落しました」


「そうか……で、もう元の場所に戻したか?」


「はい、暴れられて手のつけようがなかったので記憶を抹消した後に元の場所へ」


「失敗、か」


「えぇ、……

いつになったら成功例が現れるのでしょうね?」


「わからん、私達はただ繰り返すだけだ」


「そうですね

ただ、繰り返すだけ」


研究員らしき二人はそう言い終えると金属製の重い扉の向こうへと消えていった




*

これもまただいぶ前にリクエストいただたものです

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