華
少年は願います
君と、話したいんだ…
ねえ、答えて?
ある日のこと、一人の少年がいました
少年は外で駆け回って遊ぶような、そんな元気な子供でした
しかし、そんな中少年は一つの病にかかりました
それは華が目から生えてくる、そんな病気でした
これは巷では奇病と呼ばれているもので原因が特定されていなかったのです
その為、不治の病とも言えるものでした
そしてもう一つ、少年には生まれた時から持っていたある不思議な力がありました
それは、花と話すことができるというものでした
少年は自らの病気のことを知った時、華に話し掛けてみたいと思いました
けれども、少年の目の華はまだ蕾さえ膨らんでいませんでした
少年は早く華が咲いて欲しいと願いました
華が咲けばお話することができると信じていたのです
そう、少年は自分が病気だなんて全く気にしていなかったのです
ただ、華と話したい一心でした
やがて華は成長し、蕾が膨らみ始めた頃には少年の体は衰弱し、立つことも出来なくなりました
華に養分を持っていかれるからです
華が大きくなるにつれて、少年はやせ細っていきました
それでも、少年は待ち続けます
ここまで待ったんだ、早く君の声が聞きたい、と
そしてようやく、少年の顔程はある大輪の華が咲きました
その時には少年は食事も取れず、点滴で命を繋いでいる状態でした
それでも、少年は華が咲いたことが嬉しくて嬉しくて たまりませんでした
それから、何度も何度も
少年は華に話しかけました
ねぇねぇ、君はどうして僕を選んで咲いてきてくれたの?
君はどんな声をしているんだろう、聞かせてよ!
ねぇねぇ、気になるんだ
ねぇ、答えて……?
「ごめ……な、さい」
ぽつり、と
華が話した言葉は後にも先にもこの言葉だけでした
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────────。
「ねぇ、早く早く!」
「待ってって!」
腕を引っ張る女性と、引っ張られている男性の二人組
周りは草原で春だからか色とりどりの花が咲き乱れていた
「はぁ、はぁ、着いた!」
「はぁ、…ほんとだ」
二人が目指していたのは大きな桜の木
花見が目的でここを訪れていたのだった
女性は花開くような笑顔で、男性はそんな自分の花を愛おしそうに見つめている
そんな男性の目は1つしかなかった
彼は片方の目の視力が殆ど無かったのだ
それでも、今こうして出会い 一緒に居られて、花を見られる
そして、会話が出来る……
彼もそして彼女も、目のことは気にしない、気にならない
これは二人にとっては大切なものだったのだから
*
まぁ、これはどんな解釈でも構いませんw
生まれ変わったのか、それともあのまま少年は生き延びたのか
ご想像にお任せします
読む人ごとに違う終わり方になっていて欲しいですw




