第三章 capter-1 「アメイジング・ライダー」(3)
「……どういう事だ? こんなあっさりカタが付くとは」
「んー、先鋒はなんだか昨日の弓道部の取り巻きの一人だったみたいよ? 一応副部長で準優勝とか」
戻ってきたイフットはそう返事をしてくる。
「じゃあ辛かったんじゃないのか?」
「ほら、私弓撃ってきても溶かせるし……奥義一輪車流鏑馬とかいう変な技使ってきたけど足場を崩したら勝手に転んでリタイヤしたの」
「とんだかませ犬だな」
順は溜息を吐く。
「案外……大したことなんじゃないですかね」
篝火が言う。
「お前さっき強敵かもしれないって言ってただろ……」
しらじらしいと言いつつも向き直る。
それでその次の相手だが……。
「私がこってんぱんにしてやるわ! それで大将の男、あいつをふんじばってやる!」
あのピンク髪か。
「……あれから何かあったのか?」
順が聞いてくる。
「調べるところによると彼女の出身、ストラティウスにはナイトハンティングを断るという行為は屈辱であるという話がありますよ」
「はぁ?」
「ナイトハンティング? ……士亜? あの女に何か言われたの?」
イフットの謎の視線を感じる。
「俺はなんもしてないしこの篝火がレモン汁をぶっかけただけだ」
「そう、それならいいけど……」
「まぁ本を読んでいるとこの世の中にはヤウサとかいう謎の文化がある国もありますしね、国の風習は国の風習です。気にしないでおいて下さい」
「なにそれ? 聞いたことないけど……」
「これです」
イフットの尋ねに応じて篝火はひょいと本を持ってきたバッグから取り出すと、イフットにささっと見せる。
するとボッと、すぐにイフットの顔が一気に赤くなった。
「何が書いてあったんだ?」
「士亜、絶対見ちゃダメ。絶対にね。怒るよ」
イフットはそう釘を刺すと、篝火にも絶対見せないでねと念を押してきた……。
「まぁ変な虫がつかないようにするのは当然だな」
順は何か知っているかのような顔をすると、一人でうんうんと頷いて見せた。




