第二節 予選リーグ:難敵チェニジーメン
強豪オーラーメンの激闘から数日後、次は、チェニジーメンを食べる。
いつも、二日目のラーメンは、食べきれないことが多い。
二日目には、必ず流れを崩される「魔物」が現れる。
油断なのか分からないけど、食べきれない事が多い。
だけど、今回は、魔物に打ち勝つ。
「食べ切ってやる。」
息を呑み、深呼吸をする。
90分間、1本勝負。
僕は、歌を聴きながら、心を落ち着かせる。
ーー今回は、魔物に勝つ。
「勝負だ。」
僕は、カップラーメンの蓋を勢いよく開けた。
「よしっ、食べるぞ。」
カップの中から、激辛の香りが立ちのぼる。
これは、難敵だ。
4分後
ーー辛い。だけど、僕には、とっておきの武器がある。
対策もバッチリだ。
「ここで、守護神水だ。」
守護神水を口の前に構えながら、タイミングを測る。
「今だ。」
そして僕は、一気に飲み干す。
口の中の辛さが、一瞬で引いた。
ーー今だ。流れが来た。
僕は、大きく口を開け、一気に麺を口へ運ぶ。
熱さも辛さも、今なら怖くない。
「かまい!(美味い)」
「一気に食ったぞ。先制攻撃だーーーーー!!」
ーーこれなら行ける。よし、このまま食べ切るぞ。
9分後
先制攻撃から、僕は勢いに乗れたかと思った。
だが、口の中が、また熱くなってくる。
ーー熱い。そして、辛い。
激辛スープが、まるで食べ進めるのを守るかのように、僕の勢いを止める。
何度か麺を口に運ぶが、なかなか食べるペースは上がらない。
31分後
「よし、良いぞ。」
ーーここで決めたい。
「そうだっ。縦長喰いだ。」
僕は、麺を一気に縦へ引き上げる。
「あやっ!!」
「せいっ!!」
緑茶で辛さを流し込みと、その勢いのまま、一気に麺を飲み込んだ。
ーーここでの、縦長喰いは、大きい。
これで、かなり楽になったぞ。
僕は、魔物を振り払ったかのように、気が楽になった。
小休憩
「そろそろ、飲み物を補充した方が良いな。」
興奮を抑え切れない僕は、気持ちを落ち着かせるために、席を離れた。
そして、飲み物を補充する。
ーー凄い良い流れだ。
これなら、魔物に打ち勝てるかも知れない。
だけど、油断は禁物だ。
後半に一度でもブロックされれば、一気に流れが変わってしまう。
後半も油断せずに、食べ続けよう。
後半戦
ーー前半の勢いのまま、食べ進んでやる。
そう思っていたが、スープの重みが、一段階増した気がした。
「……重い。」
さっきまでとは、何かが違う。
前半の勢いが、完全に押し返された。
69分後
「よしっ、行けるぞ。」
ーーここだ。流れを決める。
僕は、用意していた生玉子をカップの中へ落とした。
とろりと黄身が広がり、真っ赤なスープに絡んでいく。
「これで、辛さは抑えられる。」
僕は、麺を一気に縦へ引き上げる。
熱さも辛さも、玉子が包み込んでいく。
「今がチャンスだ。一気に食べてやる!」
「(じゅん)やっ!!」
玉子のマイルドな味変が炸裂して、僕の食べる速度が急激に上がった。
ーーよしっ、やったぞ。
これは大きい。
この一口で、一気に流れを引き寄せた。
「よしっ、良いぞ。もう一押しだ。」
ーーここで、満足しては行けない。
完食まで、気を抜かないぞ。
83分後
玉子の部分は、食べ終えたが、他の部分は、まだ辛さが残っていた。
「これで、終わりだ。」
「あやっ!!」
「せいっ!!」
僕は、最終兵器の牛乳を取り出して、スープに注いだ。
「もう、殆ど、辛くないぞ。味変も出来て、完食目前だ。」
そして、僕は、頭を高く上げ、その勢いのまま振り下ろしながら、一気に麺を頬張った。
「もう完食間近だ!!」
僕は、最後の一押しをすると、一気にスープを飲み干した。
ーーこの時間帯で、ここまで食べ進めたのは、初めてだ。
そして数分後、制限時間の90分が経った。
ピピピッ!制限時間終了!
「よし、今回は、ベストタイムだ。」
ーー完全勝利。
見事に、食べ切ったぞ。
次のラーメンに向けて、良い準備をすることにしよう。




