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それぞれの思惑と願い

フレディも実際にはこんなに不器用でしたがこちらの兄弟の話もフレディもカインも

書いてみたいと思っております。

ドゥーゼットの勅使としてエドガルド・フォル・アズムディルがこのドゥーゼットにやってくる。




その話を聞いて、皇妃であるエルフリーデ・エミィ・オーウェンは口元に寄せた扇の下で嘆息する。

やっとかという思いだった。

愛しい娘を預けている彼の国の王が決めたということだ。

表向きはエドガルドのいとこであるエルローズ嬢がカインに嫁ぐからという理由でもある。

カインはドゥーゼットに赴き、そこでエルローズ嬢を見初めてからが早かった。

蝶から飛ばされた文に頭を抱えつつも、今まで妹と兄、そして両親にしか愛を示さなかった困った次男が

どうしても手に入れたいという女性が現れたのだ。



認めないわけにもいかない。

でもそれにはいろんな壁があったが息子のことは心配していない。あの子はそんな者物ともせずに

きっと愛した少女を手に入れると確信している。


なんせジョルディの息子なのだから。



「エドガルド殿はエルンハルト陛下の無二の親友で腹心だそうだ。カインのお気に入りだしな。

おっと、フレディも認めていたっけ。」

眼の前の愛する夫である皇であるジョルディ・ディ・オーウェンはニヤニヤと笑っている。

その知らせを聞いてから本当に。

本当にニヤニヤ笑っている愛する夫を見てエルフリーデは少し睨む。



「ルディ?そのニンマリ顔を引っ込めないと今日寝室を別にしますわよ?」

その言葉を聞いてびっくりしたように慌てた皇はそれだけはやめてくれ・・・と懇願する。

ジョルディからしてみれば愛しのエルフリーデを抱きしめて眠るのは至福の時間である。

エルフリーデと引き離されるなんて公務以外では勘弁してもらいたい案件である。

何ならそのダメージで3日は公務が滞る自信がある。

なのにこの愛しい妻は本格的に腹を立てるときちんと有言実行。本当に寝室を別にしてしまいきちんと

納得行く謝罪とその後の改善点が提示されない限り触れることさえ許してくれない。



この長い結婚生活の中で二度。

それを実行されてしまった。

一度目はフレディが生まれたあと。

やめろと言われたのに初めて生まれた我が子を構い倒してしまい、我が子の眠りを妨げること4回目。

「わかりました。それほど乳母とわたくしの睡眠と気力を削りながらもご機嫌に保っている愛しい息子の

機嫌を一気に下降させるお父様にフレディ、抱っこし続けてもらいましょうね。

わたくしは一人で寝ます。ジョルディは大好きなフレディの面倒をきっちりと見てくださいませね。」



しっかりと乳母を見張りにはつけたが、仕事とフレディの機嫌が悪い状態もきっちりと世話をして

理解したジョルディはエルフリーデに懇願し、やっと許してもらえたのは2日経ってからだった。


その間勿論愛しい妻に触れることは許されなかった。



その間の欠乏症とも言える焦燥たる時間は確実にジョルディの精彩を奪い、周りの者達からの懇願もあり

エルフリーデは思っていたよりも早く怒りを解くことになったのだ。

予想以上にダメージを受けた夫は片時も妻から離れることを嫌がり更に公務が滞るという自体を引き起こしたので、エルフリーデは自重しることになる。

しかしこの二日間の間に細切れの睡眠時間が解消され、思わぬ自分の時間を得たことにより、エルフリーデは回復したのも事実。



「許して差し上げますわ。だからわたくしのことも許してくださいます?」

そう上目遣いで許してもらった上謝ってくれて恥ずかしげに拗ねる愛妻の可愛らしさにどうして

骨抜きなるジョルディが耐えられるだろうか。

ということでそれから何日もジョルディはエルフリーデを側から離すことはなかった。

待望の嫡子の誕生、それも男児。その後もいや増す寵愛に周りの側近たちは心安らかになって仕事ははかどる。

はかどるがそれからのジョルディは更にすごかった。



そしてジョルディは産後のエルフリーデがどれほど頑張っていたか。

いつも健やかな寝顔と笑顔のフレディに会えていたのは乳母とローズが頑張って機嫌よくフレディが

健やかでいることを心がけたこと。

それを何度もたしなめられていたのに、自分の都合でその愛しい息子の機嫌を悪化させ、それまでの

愛しい妻の苦労を無に帰したという事実を噛み締めて。



それからあとは、きちんと時間を固定し寝ていれば起こさずひたすらに眺め。

起きていれば片時も離さず抱っこをしながら政務をこなす日さえあった。

瞬時に愛しい妻の疲れを察知し、愛しい息子との時間を楽しんだ。

機嫌が悪くなってもすぐに妻に渡すことなく、ひたすらに子供の機嫌を読み解く努力をした。

立派な父に育ててもらっていったのである。




二人目の子、カインが生まれたときも勿論構い倒した。が。構い倒したくて仕方なかったが前回のように

愛しい妻の機嫌を損ねる事はしなかった。ひたすらにフレディとともに眺めただけだ。

そのため、フレディはカインを本当に可愛がる兄になった。

ジョルディは愛する妻に厭われることを一番怖かったし、子どもたちを不愉快にもさせたくなかったし

そしてまず、眺めているだけで幸せだったのだ。



何より自分と生き写しのような銀の髪に緑の目を持って生まれた二人の息子たち。

心の何処かで愛しい妻と同じ金髪か紫の瞳に恵まれた子供も欲しいと思っていたが、それはそれこれはこれである。

愛おしい存在が増えていくのをジョルディは単純に喜んで幸せに思っていた。

聡明で美しいジョルディはいろんな女性に請われたが、自らが選んだのはエルフリーデだった。

幼なじみのように育った公爵家の歳下の少女をずっと思っていたのはジョルディで、運良くエルフリーデもジョルディに嫁ぐことを承諾してくれた。



エルフリーデにとっても3歳年上の皇太子に嫁ぐことは自然だった。

公爵家の娘としての教育は受けたが、皇太子だけではなく敬愛する皇と皇妃様、それから自分の両親たち

圧はあったが、それを押して余るほどの好意を小さな時からジョルディ皇太子から受けていた。

好意は当たり前に愛情に変わり、文字通り血を吐くほどに厳しい皇妃教育もきちんとこなした。

エルフリーデは文字通り立派な皇妃であり、妻であり、母であり、社交界に君臨する女神でもある。



エルロッドウェイは一夫一妻制の国であり、離婚は許されていない。

もちろん皇であろうが愛妾も側室も認められていない。

国を維持する上で嫡子、嫡孫であるほうが望ましい。だがそれは望ましいだけで是ではない。




医療が発達したこの国では、子供は努力しても授かれない人がいることをきちんと皆が知っている。

そのために4つの公爵家があり、その下には6つの侯爵家がある。

医療に優れたものが上に立つのは当たり前であり、絶対君主の王政ではないためきちんと相応しいかは意見も取り入れられる。



皇に子がない場合は公爵家からそれに相応しいものが養子となる。

そして公爵家にいなければ侯爵家のものが。

その仕組はこの皇国が創建されたときからの取り決めであり、元は医師や薬師のあつまりからなる

この国の成り立ちとしては非常に合理的であり、かつ諍いが起こりづらいものだった。



血統によるものではないと決めたこの国では、不思議と皇に子がないことはなくそしてそれに相応しい

能力に見合い更に努力する賢王が誕生する。

それが小国でありながらもどこにも屈することなく取り込まれることなく、自分の地位を確立できている

所以でもある。

もちろん頂点であるジョルディからして見目麗しくはあるが、心を決めてしまえば動かされることはない。

どの様な状態であろうとも他の女性に取り込まれることもなく、ひたすらに愛する人にのみ心を渡す。

時としてすれ違う者たちはいただろうが、ジョルディとてそうはなりたくなかった。

なにせ初恋からのこじらせにこじらせた上の希った愛しい人だ。

それなりに愛を告げるときには緊張もしたし、でもそれよりもどうやっても手に入れると思う気持ちのほうが強かった。

エルフリーデに求婚するときは勿論政治的意味も当たり前に必要だったが、それを置いても彼は幼い時からの好きな人を望んだ。

それは真摯で狂気すらめいたものでもあり、側近たちからしてみればエルフリーデが頷いてくれるまで

生きた心地もしない年月だった。




そしてこれはなぜか引き継がれるように頂点たる皇に現れる資質でもあった。


何十代も前にいたある皇太子がいる。その皇太子は常に平等、平和を愛し、医療を極めた。だが・・。

いつになっても身を固めることが出来ない。人を愛おしいと思う気持ちがないわけではなかったが

それよりも新しい薬、新しい治療法、そういったものの方に気を持っていかれる。

だがしかし愛する人でなければ子は出来ない。それくらいの道徳心はきちんと持ち合わせていた。

だが、自分には想い人が現れないと悟った皇太子はあっけらかんと弟にその地位を渡し放浪の旅に出た。

医療国に相応しく研鑽を積んでいたその元皇太子は医療に身を捧げた。


なんのことはない。愛しい人が現れなかったのではなく、医療を愛し、それゆえに国にとどまることを

考えられなくなっただけだ。

その後にその元皇太子は医療国の奉ぜられる神に見つけ出されるのだ。

そして医療を司る信徒として自分の側にいるように。我が愛子よ。と、請われ天界に上がる。



それ故、どれほどの資質があっても愛する人を得られない皇は天界に上がってしまうと信じられている。

ジョルディは賢王になり得る皇太子だった。

それ故、エルフリーデが受け入れてくれることは側近たち、それから今の皇太閤、皇太后たちの

悲願でもあった。

ジョルディには妹がいたが、妹はもう4つあるうちの公爵家に降嫁していて幸せに過ごしていたため

その公爵家の夫を立太子するのも親としては気が引けていたし、妹は絶対に許さなかっただろう。

娘は心から夫たるものを愛していたし、公爵家として皇家を支えると決めていたのだから。



それほどの重いほどの執着とも言える愛を受けるのであるからして。


妻たる皇妃はそれを当たり前と思わずに大事に受け取り離さない努力を一生強いられる。

それに押しつぶされないものだけがエルロッドウェイの皇妃となるのである。

もちろんエルフリーデは全てを聞いた上で、ジョルディを夫として選んだ。

そう、ジョルディは乞い願ったがエルフリーデはジョルディを選んだのである。




エルロッドウェイでは今後一年も立たないうちに皇太子であるフレディが婚姻をする慶事がある。

それと同時にジョルディとエルフリーデは皇位をフレディに譲り皇位を退くのだ。

若いうちに皇位を譲るのにはわけがある。

実はこれからがこの国を背負うものとしての本格始動である。

世界をめぐり、あらゆる情報、病気、薬、そういったものの情報収集と社交をしていくのだ。

皇や皇妃である間は基本はエルロッドウェイから出ることなく政治を司るがその後は体力があるうちに

存在意義と同等の医療に携わっていくのだ。



フレディの婚約者のキャロルは10代のうちから公に商会を立ち上げた。

そしてそれは今後皇妃になったあとも引き継がれ、そして自分の後継に皇妃の座を譲ったあとはそれを

足がかりにフレディとともにこの世のあらゆる場所にもどの様な状態でも薬や医療が行き渡るように

わたくし努力いたします。

そしてどの様な困難からもフレディを守りますわ。わたくしが優しいあの方を御守りします。



それが、キャロルのわたくしに対する声明だったわね・・・。

と、思い描くとほほえみが溢れる。


フレディは優しい子だ。弟を思い、妹を思い、そして親を思い、国を思う。

そのフレディを優しく時には厳しく導いてくれるだろうキャロル・オレィ・シャントリー公爵令嬢。

年の離れた彼女を受け入れるのに躊躇したのは自分の立場に巻き込みたくなかったから。

本来ならそのように歳の離れた女性を皇妃とすることは考えていなかっただろう。

だがしかし彼もそれまで誰にも心を動かされなかったのだ。

キャロルが10以上の離れていることを考えて惹かれているだろうことを自覚しなかったのは

フレディの手落ちである。

自分を慕ってくれていることはわかっていたが10以上も年上の男性に憧れているだけだろうと

思って鷹揚に構えていたのは我が息子ながら間抜けとも言える。



まっすぐに慕ってくれる歳下すぎる可愛らしい少女が、ある日花開いたように美しいと彼が自覚したのは

いつも通り女性が周りを取り囲む夜会でのこと。

母たる自分は高みの見物とばかりに少し高い位置に据えられている椅子に座り社交のための挨拶を

受けていた。



その時のフレディの顔を忘れられない。自分でも口元を隠した扇の下で笑った口元を隠すだけで精一杯

だった。

いつも入場は兄であった。その兄ではない他の男性に手を取られて現れた歳下の可愛らしい少女。

その自分の毛色とは違う男らしい騎士のような凛々しい男性に嬉しそうに恥ずかしそうに微笑む少女。

そんなキャロルを見た時にわけも分からず焦燥感に駆られた息子をエルフリーデは見て取ったのだ。



父のようにひたすらに愛する人に出会える気もせず、自分はカインにこの国を渡して天上に上がるのだろうと。

考え始めていた矢先に、皇太子たる彼はストンとキャロルに堕ちた。



それからは早かった。

なりふりかまわないのは父たるジョルディととても似ていた。

それまで父のようにはなれないだろうと心のなかで思っていた長男はあの手この手を授ける父に心酔し

今はその様な父のようになれないと思うこともなくなっている。

それほどに堕ちた途端にフレディは生きる意味も知った。

そう、この国の皇が退位が早い理由とそれまでになすべきことをこなすための意味を。

そしてそれを一緒に担う女性には愛を全て渡す意味も。



エルフリーデはフレディもカインも女性を受け入れることはなかったけれどもそれなりに上手に貴族的に

付き合っていたことは知っている。

まだ愛する人と出会っていない時点で何を言っても無駄だと思い、思うようにさせていたのでそれなりに

女性の扱いには長けているようだった。


もうバカ正直に「わたしにはエルフがいるから触れないでくれ。」なんて言って険悪なムードを

作り出すようなジョルディとは違う。


だが今、10以上も歳下の大輪の華のように美しい少女に振り回されて楽しそうにしている息子は

あの時の上手なあしらい方を全て忘れてしまったかのようだった。

以前は請われればいつまででもご令嬢方の手を取り踊っていたりときには消えていた息子は、今はもう

キャロルの機嫌を損ねないほどにしか他のご令嬢たちと踊ることはなく、それは会を重ねるごとに

踊ることさえ減っていった。

皇太子として婚約が成ったと触れが出るまでは大人しくしていたが、婚約者を得たあとは他の女性を

寄せ付けることはなくなった。



そして高位貴族ほどその意味を知っている。

次代の皇が愛しい人を決めた、それはこの国の慶事であることと邪魔をしようとすればこちらのほうが

痛いしっぺ返しを食らうことを。

そしてフレディを得ようと躍起に成っていた令嬢たちはそのままカインに視線を向けることになるのだが

そのカインも今はもうフレディのその時の比にならないほどにきっぱりと思う人だけに向いてしまった。

慌てた令嬢たちは今後国内の優位貴族たちに的を絞って行くのだろう。



勿論皇族としては恋愛結婚を推奨しているわけではない。

もちろん政略結婚も長い時代にはあった。

だがしかしそれは全て皇が続ける意志があればの話でなければ天上に上がるだけの話だ。

政略結婚出会ったとしてもその後に仲睦まじいものになることしかなかった。

そしてそれゆえに周りの公爵家、侯爵家も同じく研鑽を積む。

そうでなかった皇や賢王でないものは退くしかないのだから、そうやって何十代も続いてきた中には

もちろん公爵家、公爵家の血が入ることもあった。


皇であることの自覚を持つものがそれに足り得る。

高位であればあるほどに理解している。それはこの国に脈々と受け継がれるものであり矜持だった。




ご令嬢に囲まれそうになるのをうまく躱して楽しんでいたように見えて、実は悩んでいた息子を見て

エルフリーデはここが限界だろうと手を打つことにしたのだった。

愛する人を得たいと焦るフレディを理解していたし、キャロルを意識しているのにしていないと

信じ込んでいるような不器用な優しい息子。

これ以上戯れのように繰り返す女性たちとの駆け引きに疲れてしまう前に。



キャロルにあの夜会にフレディと全く正反対のものをパートナーに選んで夜会に出席するように言ったのはエルフリーデだった。

自覚させるためには爆弾が必要なだけだった。



そしてその相手は勿論キャロルの兄の幼なじみでありキャロルにとっても兄とも慕う幼なじみ。

少し歳の離れたその者を知らなかったのはフレディのこれまた手落ち。

いや、彼自体を知らなかったわけではない。もちろん彼は優秀な騎士であることは知っていた。

彼は今近衛騎士団の小隊長として活躍しているのだし知らなかったのはキャロルと仲が良いことをだった。


妹とも思う可愛い幼なじみのお願いを聞いてあげたその騎士はカーズイル。武道や騎士の名門伯爵家。

その家の次男であり同じく伯爵家の恋い焦がれた令嬢と婚約が成ったばかりであった。

その令嬢にはエルフリーデより直に言葉があり、申し訳ない旨と謝罪を。

そして次期皇妃となるだろうキャロルを他の見知らぬ男性にも取るに足りない男性にも預けられない事実。

それからフレディの気持ちを叩き起こしたいという素直な母としての願い。



今後コンスタンスにはキャロルを支えてほしいこと。それは時期皇妃の側にあれという言明でもあった。

伯爵令嬢コンスタンスはそれを快諾し、婚約が成ったばかりで渋るカーズイルを叱り飛ばしてでも

その役を快く受けさせたのだった。

コンスタンスにしても恐れ多くも可愛らしいと時々お会いした公爵令嬢の恋を叶えるのに吝かではなく

何より憧れの社交界の女神であるエルフリーデからの勅命であったためだ。



それはカーズイルの実家であるサーディス伯爵家とコンスタンスの実家のバフィーラ伯爵家の当主にも

秘密裏に許しを得てからの夜会での登場であった。

婚約したことを知られていた両家に表立った場に婚約者以外と出すことで少しの波風が立つことを大変に

申し訳なく思ったエルフリーデはその後の自分主催の茶会にカーズイルとコンスタンスを連盟で認め招待状を出した。



そしてその茶会できちんと祝の言葉を祝いだのだ。

婚約が成ったことそして今後自分の覚えがめでたいこと、礼を込めたもてなしを持って許しを得たのだ。

それをありがたく思ったコンスタンスはキャロルのそばに仕えることに決めたという。

もちろんエルフリーデの憧れはあったが、コンスタンス自体がキャロルのことが大好きになったから。



「フレディ様が振り向いてくださらなかったら、カーズイル兄様とコンスタンス様にも申し訳ないわ」

そういって少しだけ顔色を青褪めさせた美貌の少女を守りたいと思ったコンスタンスは自然とお側に

おります。と口にしたのだった。



エルフリーデは小さな時から息子を慕う、叡智に富んだ才女だと見込んでキャロルを自然と見ていた。

そのキャロルの近くにはコンスタンスという姉にも近い存在もいる。

自分の兄の妻は公爵家の華であった。慕ってはいたがなんせ公爵家の夫人であり目上である義姉に

無邪気にそこまで甘えることも出来ないキャロルの不器用さも見抜いてい。

公爵令嬢としてではなく、ただ疲れた時自分の行く先を見失いそうな時。

ただただ自分を甘やかしてくれる姉をエルフリーデは義理の娘になるキャロルに用意したのだった。

もちろんコンスタンスが優秀であり、芯が強く、エルロッドウェイにとっても私心なく仕える伝統ある

伯爵家の令嬢だったこともきちんと調べてのことだった。

そしてもちろんカーズイルは近衛騎士のなかでも覚えのめでたい小隊長でもあった。

今後の働きによっては更に上に登るだろうとも思う。



そして自分の慧眼を褒めてあげたいと笑いたくなるエルフリーデに鈴になるような声が響く。



「お兄様たちはご令嬢形にとても人気があるから・・・お父様みたいに駄目な対応はなさらないのよ。

お父様は本当にお母様だけを大好きなんだから困ったものよね?

でもわたくし、キャロル様がお義姉さまになるだなんて!幸せですわお母様。キャロル様はわたくしの

憧れのおねえさまでらっしゃるのよ!」


そういって涼やかな可愛い声を思い出す。




息子たちは父から受け継いだ銀色の髪と緑色の瞳をもち端正な容姿まで受け継いでいる。

三人が並んだ風景はわたくしの一番幸せな風景であり、わたくしの隣ではいつもそれを嬉しそうに眺める

愛しい娘がいたはずだった。




ナディアレーヌ・エミィ・オーウェン。

わたくしの愛する娘。


生まれた瞬間の喜びが、髪の色はジョルディの色、瞳も見せてとおもってそれが双眼銀眼だった時の衝撃。

医療国にありながらも、医療で解決できないことがあることが伝わるエルロッドウェイ。

銀眼双眼の皇女は。

対になる比翼の鳥、連理の枝たる相手を助けるために産まれる。



わたくしの娘は生まれた時から過酷な運命にさらされるのだ。その時の絶望たるや。

そしてそのときにはもう知っていた。

美しい金髪と我が国の秘薬で隠されたダスティブルーの瞳の下の双眼銀目の少年王子。

銀眼を隠すための薬は年若いその兄であるルーゼハルト皇太子によりエルロッドウェイに依頼されていた。

そのために大国ドゥーゼットの国にいるというその銀眼双眼の王子の存在は知っていた。

その皇太子が自分も瞳は片方が銀眼であることをエルロッドウェイに告げ、そしてその弟が

銀眼双眼であることを相談していた。



母である妃殿下に銀眼であることを厭われていること。

だがしかし両親は仲が悪く、自分と弟を生んだことにより義務は果たしたとばかりに夫婦としては

破綻していること。

自分が弟を守らなければならないが、自分たちは色ガラスを入れる事に慣れている。

だがそれにしてもその後の弟の視力の心配もあること。

そして総じてふたりとも身体が弱いこと。

それは、もう自分たちにもこの銀目の意味がわかっているから薬が効かず治すことは出来ないこと。

そして自分はそう長く生きられないだろうこと。



その前に目の前の憂いをすべて取り除いて、弟を護る。



そのために弟の目の負担を減らした色ガラス以外の目の色を替える方法を考えていただきたい。

それまでの実験なり検体は自分が担うこと。

そして、銀眼双眼の弟にはいつかそれを治してくれるものが現れるはずだから・・・。

それまで自分にできることをすべてやってそのものに弟を救ってもらいたい。そのために自分は今生きて

まあ、両親には退場願おうと思う。



そういって連絡をつけてきた大国の皇太子はその次の年に大々的な粛清を重ね、王となる。




そしてその物言いと、自分の運命を受け入れていること。

弟だけは守りたいという意思、そして諦めないという強い思い。

病を諦めないというものをエルロッドウェイは見放さない。年若いドゥーゼットのその皇太子を

好ましく思ったジョルディは全面的に支援をするために瞳の色を隠す薬というものに魔術を混ぜたものを

作り出した。

そして今後、瞳の色を隠す必要があるあいだ何があっても支援する旨を伝えた。



そのジョルディからしても予想外だったのは自分の娘が銀眼双眼だったこと。

そしてこの国に伝わる運命に裏付けされた、避けられないもの。

愛しい娘はいつかこのドゥーゼットの国に行ってしまうのだろう。

粛清により自分の父を切り捨て、弟を傷つけた母を切り捨て、弟のために道を均し国の重鎮とも言われる

膿とかの彼は言っていたがそれを粛清している途中。

そのまだこの20歳を少し過ぎただけの年若い国王は・・・。

我が娘が銀眼双眼であり弟のための比翼の鳥であることを知って喜ぶだろうか。

娘が銀眼であることを知らせるかを迷ったが最愛の妻は神託が下るまでは手元に置くという。



そうエルフリーデが言うならそれが全てだ。



愛しい娘は銀眼双眼であるものの定めであるのか、小さい頃は至極身体が弱かった。

咳が止まらない、熱が下がらない。

歳よりも小さいその体は病気がちなこととそれに際しあまり食が強くないこと。

そのために二人の兄は非常に妹にベッタリになった。

フレディは12歳、カインは7歳の時に現れた愛しい全ての愛情を傾けてもいい天使が現れた。

その天使は運命が決まっているという。

帝王学を学び始めたカインは理解しても感情が許さず、しっかりと帝王学を叩き込まれていたフレディは

あまりの事実に打ちひしがれたが泣いても許されないこととわかっていた。

そして皇たる自分は皇として受け入れ、父として受け入れがたく・・・。

その中でもエルフリーデは違った。


五歳までは甘えさせてあげようと決めてからの妻は、立ち直るのも早かった。

すべてのことを守る武器を与えようと必死になっているのが痛いほどにわかった。

自分にできるのはそのエルフリーデを支え、娘を守り、息子たちを護ることだった。

そしてわたしには国を守る責任もある。



ドゥーゼットのルーゼハルト陛下とは密に連絡を取ることにした。

勿論のこといずれはわかることであるがナディアレーヌのことは伏せることにした。

神託が下るまでは我が娘は私たちだけの姫だ。

有り余るほどの愛を与えたい。

エルンハルトという少年の評判はあまり入ってこない。苛烈に粛清をこなし道を均すルーゼハルトの

人となりに特化した評判は入ってくるが、病弱で美しい少年ということだけはわかっている。




そんな時。




ルーゼハルト陛下の体調悪化が告げられる。

手を尽くしたいと思っていたが国を離れるわけにはいかず、勅使として来たものに気休め程度の薬しか

渡すことが出来ない。

自分の命が短いことを知っていたルーゼハルト陛下は自分の寿命よりもエルンハルトという弟を

護ることだけに力を注いでいた。

この国で作った瞳の色を替える魔術を纏った薬はよく効いたらしく、色ガラスを入れることもなくなり

よく笑うようになったと、ルーゼハルト陛下は言っていた。

その目の痛みが取れただけでも重畳である。感謝すると。



そして体調が悪いと聞いて、二度目の勅使に混ざってこられたのがエルンハルト王子だった。

エルロッドウェイに来る理由、兄を助けてほしいという密書を送ってこられた。

会うことを求められ快く応じた。ルーゼハルト陛下が全力をかけて守りたい王子。そして我が娘の

比翼の鳥であるこの少年を見極めたいと思った親心を笑えば笑えそうおもって会った。



顔色がすぐれない、息を呑むほどに美しい顔をした少年。綺麗な金色の髪が背中に流れている。

「この国の医療を兄に施していただくことは出来ませんか?」

声変わり途中の掠れたような低くなっていくだろうことを思わせる声。その合間に空咳が混ざる。

「兄上が望まれましたか?エルンハルト様?」

そう言いながら、エルンハルト様の顔を見てあまり眠れていないだろうことと喘息の兆候を見る。

「兄上は・・・兄にはまだ知らせておりませぬ。」

「ならばなりません。」

そのわたしの声に反射的に鋭く声を上げた少年。診てあげたいと言いたい。だがしかしそれをかの王は

望んでいないことも知っている。

「何故?!」

絶望を顔に貼り付ける年若い王子のまだ薄いその肩に手をおいて真摯に答えた。


「納得しない医療は、毒ともなり得るのです。薬を飲ませればよいのではありません。

私達は医療を生業にしておりますが押し付けるわけではないのです。」

そのわたしの言葉に、透き通る涙を目に浮かべたその少年は言い募った。胸が潰されそうだった。

「分かっています。分かっています。私はただ兄を助けたいだけなのです。」



医療を仕切るこの国には最後の望みとして訪れる人も多い。

同じ様な願いを口にする人は多い。そして叶えられることも叶えられないことのあることも知っている

自分はずいぶんおとなになったのだろう。

何でも治してあげたいと思うのも思い上がるのも冒涜だと自分はもう知っているのだから。



その後にエルンハルト王子と我が娘が会ったということを聞いた。

そしてその夜に私たちに神託の言葉が降る。



「銀眼双眼同士が出会い、瞳の色は隠されていながらかの王子は姫に何かを感じたようである。」

と。

報告は受けていた。身体の弱い娘のためにプラシーボ効果ほどの丸薬を与えてある。

小さいときからこれを飲めば咳が止まるよ、と言い聞かせたためキットハーブの味のするその丸薬を

何でも治ると娘は信じていた。

それを咳が止まらなくなったエルンハルト王子の口に投げ入れたと知った時にすぐに護衛騎士である

レオルド殿に大事ないことは伝えてあった。

そしてそもそもエルンハルト王子には薬が効かないことも知っていたためそのあたりも添えて報告した。



「出会ったのだからこれから先少し長い間苦しむだろうエルンハルトのことを考えると心が痛む。

エルロッドウェイの皇とその皇妃よ。

ナディアレーヌはエルンハルトが望めばそのまま側にい続けねばならない。比翼なのだから。

だがその望みが打算や私心であった場合は残念ながらエルンハルトへの神託では羽根が降る。

かの者は打算であったとしてもかの姫を粗雑に扱うことはあるまい」

神々の応えは当然のものであろうとも思う。


人の世界との理とは違う場所で、自分たちの気持ちで動いている。

比翼などと決めたのは神たちなのだから。



皇女であるからにはいつかどこかに嫁ぐということは決定事項だ。

それが国内のものか自分たちの目の届く範囲なのかそうじゃないだけの違いであるとわかっている。

でも、羽根がふったらどうしたらいいのだ・・・。と親だからそれは辛く思う。


「そう・・・もし愛であったらならばそう・・・花を降らせよう。」

「花?ですか?」

わたしの声に神託の声は楽しげに言う。

「そうだ。この国の花・・・テスカだったか?それを降らせよう。この国は愛しきものに花弁の赤き

テスカを贈るのだったな。エルンハルトにはそのことは知られておるまい。

とりあえず愛だと確信したら彼奴のところには我が妹がテスカを降らせる。

花であるか羽根であるかはわからぬ。そのときにならねば。」




そういってふわっと私たちに羽根が降る。


神託の羽根が。





「わが愛子たちよ、案ずることはない。安らかにせよ。これから幾度でも我が愛子たちには

羽根を降らせよう。

娘を奪う、我が妹を許せ、私の愛子たちよ許せ。しかし離れるわけではない。沿うためである。」



はっきりとわからない妹との言葉が出てきて少し混乱はする。

神託の降らせる神は実は一人ではないとこのときに思い当たったのだ。


羽根を降らせるこの信託の神はナディアレーヌの神であろうし、羽根か花を降らせるだろう妹といのは

エルンハルト王子側の神託の神なのであろう。

一体どれほどの神がいるのかもはやわからないな・・・。



「許せって言われても、神を厭うことは許されないではないですか。」


そういって、消えた神託のあとに降る羽根にまみれたカインは泣いていた。

「連れて行かれてしまう。レーヌはわたしの天使なのに。」涙が止まらずしゃっくり上げる。

その銀色の滑らかな髪についている羽根を一つ一つ取ってあげながらフレディがカインの頭を撫でる。

わかっていても連れて行かれる事実。

そして羽根が降ったら妹が辛くなるんじゃないかと心の底から心配する兄たち。


そうなっても強く生きていけるように全てを教え込もうとする妻はその神託の羽根を一つ手に取り

加工してずっと身に着けるのだという。今日を忘れないために。


そしてただ守ろうと思った自分。

父として、夫として、家族を、そしてドゥーゼットという大国から自分たちの国の立場を守り

確立して世界に打って出るために国を強くする。

きっといつか娘はドゥーゼットの王妃となるだろう。その時に侮られない国にする。

自分が出来るのはそのくらいのことだろうと心に決める。





その自分の手元にある、エドガルドからの勅書に添えられた手紙を読み、ほっと息をつく。

勅書にはドゥーゼット国王がエルロッドウェイの第一皇女との婚姻を望む旨が認められている。


エドガルドからはカインの婚約者であるエルローズを連れてエルロッドウェイに来ること。

その時に玉璽の押された勅書をお持ちすると書かれていた。

ドゥーゼットからすれば小国であるエルロッドウェイトの国の婚姻として、こちらから望むものであり

持参金などについては自由に決めてほしい旨、そしてドゥーゼットが望む婚姻であることを全てに

こちらからも周知することを許してほしい旨が綴られている。



エルロッドウェイとしては破格の申し出であった。



それほどにエルンハルトが望んでいる婚姻であること。

そしてそれは医療大国としてのエルロッドウェイと婚姻関係を結ぶことがドゥーゼットとしても

益があること。

自分の体調が治って来ていること。それらを踏まえてもナディアレーヌが得難い存在であることが

認められていた。

表向きは。である。



国と国の婚姻となるこの婚約はエルロッドウェイとしても喜ばしいものである。

販路が広がるし、違う国の薬草なども手に入れやすくなる。

そして友好な関係性であればそれは簡単になることであった。


でも、二通目の私信にこそ価値があった。




暫くご挨拶も出来ていないこと。本来だったら自分がエルロッドウェイに伺いたい旨。

そしてあの幼い少年だった時の自分のわがままを諭してくださったことに対する感謝。

自分の体調、それから・・・。




ナディアレーヌを愛してしまった。と。

帰したくないと口にすれば強制力が働くことを隠せないほどに彼女を欲していること。

愛しているから彼女を妻に望みたい。

結婚を許してほしいと・・・。


そう、私信には書いてあった。



羽根が降ったとは聞かなかった。

そう、花が降ったと、フレディとカインが言ったのは本当だったのだな。


ああ、わたしの娘はやはりあの少年に取られてしまうのか。悔しいが仕方ない。

17年間全ての愛を娘に注いだ。これからも溢れんばかりに注ぎ続ける。

場所は離れても、会えることが少なくても。

ああ、皇位を譲ればドゥーゼットにもエルフりーデと共に出かけられるな。

フレディには悪いがそのために姿を映せるものを急ぎ用意したのだから。カインが必死だった。

ナディアレーヌだけでなく、ひょっとしたらまた離れてしまわなければならないエルローズ嬢の為に

息子が全力をかけて用意したものだ。




エルンハルト陛下にあったら聞きたいと思う。

花が降った時どう思ったのか。

そして、その時に教えてやろう。



羽根ではなく花が降ったと聞いて兄たちが安堵した意味を。

私たち両親が喜んだ意味を。




あなたは最初からナディアレーヌを選んでいたと知らせてあげよう。




結婚の申込みを受ける旨を綴り、自分の玉璽を押す。

そしてそれを蝶に渡し、カインに持たせることにする。

ナディアレーヌの気持ちはわかっている。カインがふくれっ面で話してくれた。

フレディも苦笑いだった。


綴られてくる蝶に渡されるロウの言葉も。

サラだけは仔細にわたり妻にまだ報告がたくさんあるらしい。そこらへんの淑女の心持ちは

わたしにはわからないので楽しそうな妻に任せることにする。






その前に、きっと叩き潰されるだろうスーガイアのことは根回しはこちらの方もするとエドガルド殿に

伝えることにした。

彼の国が毒にしかならない媚薬崩れを作り出していることに怒りを感じる。

そのせいで婚姻を取り消されたものもいると聞く。そしてそのひどすぎる効能のために媚薬をもられた

ものには酷い後遺症が残る実態もあるという。

こちらの国でももちろん媚薬を処方することはあるが、それは夫婦間であったり子供を作りたいと

望むきちんと医学的に処方された場合のみである。

その中でも身体に害が残らないようにするように、自然のものを使って植物を希釈して作る。

そしてナディアレーヌが飲んでいたのと同じ位のプラシーボ効果ほどの物を処方するのだ。

ようは必要な時に必要な分だけ、背中を押す程度のものである。

我が国が処方するのはその程度のものだが緊張が解かれれば妊娠率も上がり、それを望むものには

同じく妊娠率を上げる方法も勿論同じく授けることもある。



少なくとも我が国では。

自分の欲望のためのものは取り扱わないし取り扱ってるものはより厳しく罰せられる。



スーガイアはそれに派生してどうやら精神を高揚させる薬も裏では取り扱っているらしい。

媚薬に似ているが更にたちが悪い。

その国の第二王女にエルンハルト陛下が狙われている事実と、それを阻止しようと気合を入れいている

娘と、それにまつわるドレスの話もロウから入ってきている。




さて、我が国も叩き潰さねばならないな。

カインがエルローズ嬢を迎えに行くのと同じくして、わたしたちも動かねばならない。

粗悪な薬など、許すものか。





それぞれの思惑とともに。

一つの国が一人の王女の暴挙と、国絡みの悪手により滅びようとしている。

それを知っているのはドゥーゼットの頂きたるエルンハルト。そして、エルロッドウェイのジョルディ。

この二人は実はよく似ている。



たどれば護る守護神が同じなのだ。

どこかで似ていても当たり前といえば当たり前だ。





そうして。



ナディアレーヌの知らないところでエルンハルトとの婚約は内定したのだった。

エルンハルトの周りとナディアレーヌの周りの人々全てが望んだことだ。


だがまだナディアレーヌは知らない。

壮大なほどのエルンハルトの愛に囲まれて、自分の気持ちを白状するときにはもうとっくに外堀は

埋まっている事実。


必死になりふり構わず自分を得ようとしている人が自分の気持と同じという事実。

それを知った時の二人。

その時に崩れ落ちるほどに幸せそうなエルンハルトの笑顔を見られるのは。



本当にもう少しだけ先のお話。













外堀は完全に埋まりました。

ナディアレーヌがエルンハルトに気持ちを告げるときにはもう周りは生暖かく見守るという

そういう図がもう出来上がっているという事実です(笑)

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