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お茶会は恋が実る場所でもありますから!2(改稿あり)

前に投稿したときに眠すぎてですね(書いている間)

名前を間違えて書いていたのでそれらを訂正いたしましたー。混乱しましたよね。

わたしも混乱しました・・・。

治っておりますので。多分・・・。



長い期間の片思いが実るって、主人公じゃなくても素敵ですよね!

「エル様、どうぞお召し上がりくださいませ。」



お昼に皆様に用意していたのは色鮮やかなものを用意しておりました。

サーモンとクリームチーズにはナスタチウムの葉を挟もうかと思っておりました。

種を持ってきておりましたので、地道に温室の方で育てましたの。

こちらはお茶の準備とは別にフレッシュなものを用意したくて、先程ロウが摘んできてくれました。

あともう一つはローストビーフとフレッシュなセロリをマリネにしてはさみましたの。

エル様には大きくしすぎると最初から敬遠されるので、わたくしがその2つをさらに2つにカットして

四口に近いサイズで口に収まるほどにいたしました。

L様には少し大きいのですけれども少しずつでもお召し上がりになっていただきたくて・・・。



わたくしの手元を見ていらしたユーリス様が「これならば食べやすいかもしれない・・・。」と小さく

つぶやいていましたので、どうやら誰かに差し入れするつもりかもしれないと思って色んな種類のレシピを

後でお渡ししようと思いました。

エル様が何も言わずサーモンのサンドを口に運んだのを見てわたくしはお菓子として作ったバラの形の

りんごの飴がけをカップに入れて、暖かな紅茶をぐ用意をいたしました。

「ああ、バラのお茶ではないか。」

そういってエル様は嬉しそうに微笑まれました。

エル様がなにか話すたびに皆様がピクッと動いて緊張されるので思わず笑ってしまいました。



「エル様、あまりお時間がないのでしょうが急いで食べずによくかんでくださいませ。」

「ああ、わかっている。いつも口酸っぱく言われているからな。」

「味わうことで、幸せになるし消化も進みますし、消化が進めばまた食欲が出ますわ。

ひいては全てつながって食を楽しむと皆、健康になるんですのよ。」

「ナディアはいつもそう言うな。」

そう言って優雅にサンドイッチを口に運ぶ。

エル様はどちらかというとこういった軽食めいたものをお好きなようだと気がついたので、なんとか

お肉やお魚、そしてチーズ類、それから野菜。

そういったものを出来得る限り美味しく感じていただきたくて毎日試行錯誤の連続です。



優雅な獅子といった風情で綺麗に、優雅に口に運びおわりきっちりと完食してくださったので、

エル様がお好きなバラのりんごの紅茶をおつぎしました。



「エル様、今日は飴がけですから少し甘いですけれどもよろしいでしょうか?」

「ああ、今から仕事に戻るから甘いものも嬉しい。あ、すまぬな、皆。慌ただしくて申し訳ない。

カテリーナ嬢が来ると聞いてひょっとしたらスチュアに会えるかと思ってな。」

そういって、紅茶のティーカップを口元に運び、カテリーナ様の後ろのスチュアルド様に視線を合わせられました。

「どうしても近衛には入らないと?」

エル様のその声にスチュアルド様は首を横に振ります。

「陛下、もったいないお言葉ですが・・・。」

「陛下などと呼ぶな。いつものように呼んでくれたら良い。」

「・・・・エルン様。エド様もお久しゅうございます。ですがいつものごとくわたくしにはお使えする方がもういますので。」

「カテリーヌ嬢だというのか?」

その言葉にカテリーナ様がびくっと震えたので、わたくしはちょっとだけエル様を睨むと、ああすまない。といってカテリーナ様に微笑まれました。

「カテリーナ嬢を責めているのではないのだ。ただ、騎士科に進んだと思ったらすっきりと近衛騎士を

えらぶのではなくマクレーンズ家に入ってしまった故・・・わたしのそばで働いてほしいと思っていたからな。二年間の専科に分かれる前はわたしとエドと同じクラスだったのに。」

「もったいないお言葉ですがわたくしは代々マクレーンズ家を護る家柄でして・・・。」

そういって騎士の礼を取るスチュアルド様にエド様が問いかけます。



「でもスチュア、カテリーナ嬢が輿入れしてしまったら仕える方がいなくなるじゃないか。どうするの?だいたい君も騎士爵を賜っていたでしょう?先の叙勲で。君も貴族だよ?」

エド様の問いかけにスチュアルド様も口ごもってしまわれました。

「・・・・それは。マクレーンズ家に残るかカテリーナ様の輿入れについていくのかはまだ・・・」

その言葉を聞いてカテリーナ様の顔が曇りました。

騎士爵といえば一代か二代のものですが、本人に授けられたとすればカテリーナ様がお輿入れした場合

スチュアルド様はついていくことは出来ないのではないでしょうか・・・。

そうおもってカテリーナ様を見ると、さらに手を強く握りしめてらっしゃるようです。

少し泣きそうにしてらっしゃる?なんとなくそう思いましたがエル様たちが会話してらっしゃるので

どうにも出来ません。

やれやれといった顔をしてエド様がスチュアルド様とエル様を交互に見ておられます。

え?と思ってエド様の方を見るとニコっと笑っておっしゃいました。



「こじらせると大変だという見本があまりにもはっきりしていて楽しくて。スチュア、何かあったら

元同窓生の好でエルンもわたしも味方だからな。」

は?こじらせている?

「エド、なぜわたしの顔を見るのだ?」

エル様がさも不快だといった顔で苦々しげにつぶやかれました。

「さあてね、さあ、エルン、その美しい紅茶を飲み干したら採決を待っている書類が愛を叫んでいるぞ。

さあ、さあ早く!」

そう急き立てるのをみて、わたくしはアンヌに目配せしてエド様の分とレオルド様のサンドイッチを

バスケットに詰めてもらっていたものを受け取り、レオルド様に礼を取り、エド様にお渡ししました。



「執務室でお時間あるときにお召し上がりくださいませ。それからこちらをエル様に。お願いしても?」

皆様の前でおくすりを飲んでもらうわけにはいかないので、セミドライのフルーツと一緒に少し苦い

丸薬を包んでエド様にお渡ししました。

かしこまりました、レーヌ姫。と言っていつものごとくわたくしの手を取り額につけて最上級の礼をして

エル様のお茶を飲み干すのを待つ姿勢を取られました。

わたくしはエル様に目を向けると、美味しそうにきれいに飲み干したティーカップと何も残らずに

きれいになったお皿を見てニコニコしてしまいました。

今日はたくさん召し上がっていただけていると思うと、今日の夜も・・・と思ったところでエル様が

ふとわたくしの方を向いておっしゃいました。



「今日の夜は晩餐が入っている。ナディアは好きなものを食べるように。・・・・9つの鐘がなる前には

戻る予定にしているから・・・。」

そう言って来てくれるのだろう?といった表情を見てうなずくと、笑ってわたくしの手を取り。

軽く口付けて立ち上がられました。


「皆、邪魔をして悪かった。ナディア、馳走になった。美味かったぞ。」

そういってわたくしの髪を撫で、バスケットを持ってこっちを見てニコっと笑ったエド様、それから

軽く目礼をされたレオルド様を連れて出ていかれました。




皆様の緊張が溶ける前に、エル様の使われた食器やカップがきれいに片付けられて、また四人の席に

戻りました。

他の三人の視線を一身に感じましたけれども。ちなみに護衛の方々の視線も感じましたけれども。

あまりにも当たり前に皆様にお見せしてしまい途中でハッと気が付きましたけれども、他の誰もが

止めなかったため、普通に過ごしてしまいましたわ・・・。


良かったのでしょうか。

例えばその・・・。




「ナディアレーヌ様は陛下のことをエル様とお呼びされている・・・と?」



ユーリス様の落ち着いた声が少し上ずっているのを感じましたが、わたくしはこくんとうなずきました。

隠すほどのことなのかどうかもわからなかったのでそのまま認めてお伝えしました。



「陛下はその・・・ナディアレーヌ様をナディア。とお呼びされていると?」



カテリーナ様のお言葉にも素直にこくんとうなずくと、悲鳴ともつかない歓声が三人から上がったので

びっくりいたしましたわ。

え?いったいどういうことでらっしゃいますの?なぜみなさまそんなにお騒ぎに?




「ナディアレーヌ様。よくお聞きくださいませ。」

そういってわたくしの手をギュッと握ったのはエルローズ様。



「陛下は社交界の華でらっしゃる淑女でも美女でも可憐な方でも。お名前を愛称で呼ばれることは

ありません。それにご自分から髪に触れたり手を取ったりなさることもございません。

わたくしも立場上陛下と踊ったことはございますが、常に礼儀正しく、敬称をつけて呼ばれます。

エルローズ嬢、ユーリス嬢、カテリーナ嬢。と言った具合で。さらにもう少し距離が遠い方の場合は

家名で及びになります。

家名で呼ばれた場合は暗黙の了解として陛下の前に侍ること、顔見世をすることも難しくなりますわ。

そのなかで敬称もつけず、お名前を愛称で呼ばれるということは、ナディアレーヌ様はとてもとても

大切にされてらっしゃるということでよろしいのでしょうか?」



そこまで一息に言ってハアハアと肩で息をされてらっしゃるエルローズ様の背中をゆっくりと擦ると

「ナディアレーヌ様!」と懇願に近いお顔を私に向けてこられました。

答えてくれということなのだろうと納得し、普通に答えましたわ。



「わたくしが大切にしていただいているかというと、大切にしてくださってます。が、わたくしは

エルロッドウェイの皇女ですし、立場が立場ですし?同じ王族だから・・・でしょうか?」

「そういったことではなくですね!」

そういって今度はユーリス様に手を握られました。

「ナディアレーヌ様はお嫌ではありませんでしょう?陛下のことを。」

「え、ええ。とてもお優しい方ですし可愛らしいですし?」

可愛らしいってどういうことですの?という空気は感じましたが、いつも獅子のごとく優雅ですが

とても可愛らしいところもあります。というと、もはや悲鳴に近い歓声が上がりました。

カテリーナ様にいたってはもうふるふると震えてらっしゃいます。

先程お声がけが会ったからまた緊張しているのでしょうか?などと少し斜め上の想像をしているだろう

ことはサラにはわかっていたが他の人にはわかるまいと思ってサラはため息をつく。

と、ロウとアーノルドも追従したのでああわかるひとにはわかるのだな、と主君の鈍さを何とも言えない

思いで眺めていた。



走行している間にエルローズ様がきっぱりとおっしゃいました。

「わかりましたわ。まだここだけの話にしておけばよろしいですか?」

「ここだけの話とは?」

「良いのです。皆様、ここだけの話ということでよろしいのですよね?」

そういってアンヌやロウの方を伺う三人は心得ましたといった顔をしてニッコリと笑いました。



なんとなく話はそこで区切られた形になり、仕切り直しのように香油の説明をしたあとに。

みんなでサンドイッチを作ろうということになりました。





きれいに手を洗ったわたくしたちは、目の前に用意されたパンやサラダ、それからサーモンと肉類、

果物にチーズなどきれいに飾られたものを眺めています。

私は常日頃からやっておりますが、やはり三人ともやったことがない模様。

わたくしたっての願いということもあり、騎士様たちも四人でテーブルに付いていただきました。

もちろんアーノルドやロウ、サラやアンヌやシェリィたちも同じように先に作り始めている。

騎士様たちの分はサラやアンヌたちに作ってもらっています。

わたくしたちが綺麗に飾り付けたり作っている間にきちんと食べていただいてからまた後ろに控えて

頂いたほうが安心するかと思い、時間差をねらいましたの。



合間に小瓶で水分補給もしてもらいまして、それを仔細に記録したら良いかと思い四人にお話しましたら

快く調査に協力してくださるということでしたので、眠くならないハーブ水や、スッキリとした緑茶。

目が覚めるか、たとえば席を外したくなるか(お手洗い等)できればそういったことも知りたいので

仔細を聞くのはロウにしてもらうことにいたしました。



エルローズ様はサーモンのサンドを作ってらっしゃるので、それに合わせるように玉ねぎやナスタチウム

の葉を挟んでピリッとした辛さを出すのも良いと伝えましたの。

実はこのレシピ、カインお兄様の大好物です。とお伝えすると、真剣に作り始めました。


ユーリス様は以外にもローストビーフとポテトサラダというボリュームのあるものを作ってらっしゃいまして。

ポテトサラダの中にサラミを入れると美味しいですよ、とお伝えするとああ、好きかも!とおっしゃって

喜んでくださいました。

もちろんユーリス様がお好きなのか他の誰かに作って差し上げたいのかは聞かないことにいたしました。絶対絶対レシピをお渡ししなければ!


カテリーナ様は同じくやローストビーフをお選びになりましたが、すっと視線を流すので

そちらをたどるとスチュアルド様がいらっしゃいます。

スチュアルド様がローストビーフのサンドを手に取られたのを見て、カテリーナ様も無意識に可愛らしくうなずいてつくりはじめましたので。




薄っすらと思っていたことを口に出すかださないか迷っておりました。が。

せっかくのお茶会ですので訪ねてみることにいたしました。

わたくし大体がお茶会自体が初めてですので主催は。

会話を振らなければならないということはわかっているのですが、どうもお茶を入れたりお料理を

したりに振り切っていた模様でちょっと反省いたしました。

わたくしたちの年齢なら、美容それから素敵な男性の話だろうと当たりをつけることにいたしました。





ので。


楽しい気持ちになりながら手を動かしましたら、色鮮やかなサンドイッチが結構出来上がりました。

出来上がったサンドイッチの隣に、わたくしのつくったナスタチウムの葉と、レタス、それから

爽やかなトマトと華やかさを出すためにナスタチウムは華も使いました。

わたくしが作ったソースをかけて、ふわっと削ったチーズをかけて、華やかに仕上げました。

うん。きれいに仕上がりましたわ!



仕上がってわたくし達が食べようとする前に騎士様たちは護衛の任務につこうとされましたが・・・。

わたくしは四人でお話したいことがあるからと、内緒話がしたいのです。と笑って騎士様たちには

もう少しお茶を楽しんでもらうことにいたしました。

男子禁制です!といってわたくしが笑うと仕方ないといったふうに騎士様たちも苦笑いでした。

もちろんきちんとシェリィにわたくし達の護衛に入ってもらうことも忘れません。


ついでに魔術まで使って幕でも下ろそうかと思ったのですがそこまですると護衛騎士の方々も許しては

くれないと思うので、小声で皆様にお尋ねしました。



「あの、エルローズ様はカインお兄様がお好きですか?」

そのわたくしの質問にサラダを口に運ぼうとなさっていたエルローズ様が真っ赤になってしまわれました。


「・・・はい・・・大好きです。」

良かったと思って微笑むとエルローズ様が涙目になってしまわれました。

「ナディアレーヌ様が微笑むとカイン様とそっくりなのですもの。お会いしとうございます。」

そう言って真っ赤になっているエルローズ様はとても可愛らしいです。

これは本当にカインお兄様が見たら攫ってしまわれますわね・・・こまりました。

リオ様に言付けるべきでしょうか?

カインお兄様が攫ってもきっと蝶をつけると思うので連絡はつくと思います。といえば安心されるかしら?

と、これまた少し的はずれなことをナディアレーヌは思っていた。



「ではユーリス様はお好きな方はいらっしゃいますか?」

お姉さま?と言いたくなりましたが頬をほんのりと赤く染めて、ユーリス様は軽く微笑んでうなずかれました。

あまりの麗しさにこちらのほうが気が飛びそうになりましたが・・・。

「秘密にしてくださいましね。わたくしの護衛騎士のサレージの弟でわたくしの幼なじみです。

フィリップというのですが、この度エドガルド様の配下に入りましたの。王宮の文官をしておりまして。」


そういって微笑むユーリス様は本当にお美しくて。多分聞こえているだろうサレージ様も普通の顔を

してらっしゃるのできっとご存知でらっしゃるのでしょうね。



「ではカテリーナ様は?」

と話を向けると真っ赤になったカテリーナ様は少し悲しそうな顔をなさいましたがうなずかれました。

「お慕いしてらっしゃる方はいますがわたくしなどいつまでたっても相手にしてくださいませんわ。」

「どうしてそう思われるのですか?」

そう聞くと、カテリーナ様は小さな声でわたくしなんて・・・とつぶやかれました。

スチュアルド様の方に視線を流すと心配そうにカテリーナ様を見ていらっしゃいます。

どう考えても、ロウやアーノルド。もっというとサフィオ様やリオ様、サレージ様とも違います。



ふうむ。と思うって、まずは腹ごしらえをしなければなりませんわよね。ということで、おだやかに違う

話も振りながら、穏やかに場は過ぎていきました。

合間に髪に使う香油だけではなく、肌に塗る化粧水や喉の弱いカテリーナ様のためにエル様に処方した

ラベンダーの簡易的な喉の乾燥を防ぐ方法などをお話して、やり方も教えたりして時間は過ぎていきました。

合間に怪我をされたカテリーナ様のお手にわたくしが目の前で薬草を使って塗り薬を生成し、レモンの

香りを混ぜるかどうかで議論したりして楽しくおくすり作りまで見ていただきました。

ユーリス様はこっそりとフィリップ様が忙しすぎて眠りが浅いと言っていたのでなにか良いものはありませんか?ときかれましたので。

あとでクコの実が入ったはちみつのお酒とラベンダーの蒸留法をお教えしました。

作りたてのほうがやっぱり香りが良いので。

後でサンドイッチのボリュームのあるもののレシピもお持ちくださいね、と伝えると嬉しい!と喜んでくださいました。

ああ、美しい人に感謝されるとそれだけでも幸せに思いますわね。



純然たる普通の貴族の淑女のお茶会とは違うとわかっておりますが、楽しそうにしてくださるこの3人の

ために準備したり悩んだりしたことも楽しかったと伝えると。

皆様嬉しそうに喜んでくださいました。




エル様にもお出ししたバラのお花の紅茶を皆様に入れながら。

カテリーナ様に近づきそっと耳打ちしましたの。

ちょっとした実験をしてみませんか?と。



ハイ。とにっこり笑ってくださったので、そのままわたくしは皆様に向かって実験したい旨を伝えると

不思議そうな顔をしながら皆様うなずいてくださいました。




「本日は護衛の方も数多くいらっしゃるので少しだけ確かめたいことがございますの。

よろしいですか?」

よろしいですかもないんですけれども。わたくしが一番皇女として地位も高いので護衛の方々も絶対に

断ることが出来ません。わかっている上での実験なのでわたくしは自分の身分を使うのもいとわず、

とりあえず宣言いたしました。



ロウの方を見ると手を上げてアーノルドの背中を押してます。

これはロウではなくアーノルドにしろということでしょうか?目で問いかけるとそうだとうなずいたので

アーノルドを呼びました。




「皆様申し訳ありませんが、お立ちくださいます?」

その言葉に続いてみんなが立ち上がってくださったので普通にお願いいたしました。



「では、護衛騎士の方がたにお願いいたしますわ。とりあえず主を持ち上げてくださいます?」




「は?」「え?」「なぜ?」



いろんな声と困惑した空気を感じましたし。三人のご令嬢たちも戸惑っているのがわかりました。

でもその中でもカテリーナ様の慌てぶりが一番大きかったのです。


もちろんのことアーノルドとアンヌたちが頭を抱えているのもわかっておりました。

確かめたいことがあるのですもの。これしか試す方法を知りませんものわたくし。

そう思ってちょっと不服そうな顔をすると、アーノルドがすごく嫌そうにわたくしにはなしかけてきました。



「姫様、こんなことをなぜ今考えました?」

「え?知りたいからよアーノルド。」

仕方ない・・・といった顔をして、ではうちの姫様は言い出したら聞きませんし、なにか考えがあるので

どうかお茶会の戯れだと思って・・・。

と、にこやかに言ってなんとか納得させたようです。

サフィオ様は除外でお願いします。というと、サフィオ様は笑ってリオ様の背中を押されました。

サフィオ様には奥様がいらっしゃいますしちょっと実験として確かめるには違うのですわ。

とつたえると、ははあと笑ってらっしゃいました。



サフィオ様がなんとなく音頭を取ってくださる雰囲気だったので、おまかせすることにいたしました。

じゃあ、とりあえずよーい・・・。




といったところで。

わたくしは当たり前に力を抜いてアーノルドが持ち上げやすいように真っ直ぐに身体を保ちました。

よく見るとエルローズ様もユーリス様も護衛が体に触れるのが当たり前のように接してらっしゃいます。

そうですわよね、護衛ですものね。

まあ、とりあえずお姫様抱っこを皆様してらっしゃるのは淑女への礼ですわよね。

そのなかで変わった持ち上げ方をされているのはわたくし・・・ですわね。



あとは・・・。




「こんな格好で聞くのもなんですけれども、スチュアルド様はカテリーナ様がお好きですか?」



なんてことを聞くんだ!というアーノルドの無言の視線を感じましたが。

他の皆さまがぽかんとしてらっしゃるでしょう。

アーノルドだけじゃないですか、わたくしのことを片手で持ち上げて子供抱っこをしているのは!

「アーノルド!皆様の前です。ちょっとは持ち上げ方も気を使ってくださらない?」

「持ち上げろとおっしゃったではありませんか。抱き上げろなんて一言もおっしゃってませんし。

なんなら・・・。」

ちょっと!!肩に担ぎ上げようとしたでしょう!アーノルドあとでアンヌに叱ってもらいますから!

って小声で言ったらアーノルドに逆に言われてしまいましたわ。

姫様こそ母に叱られるご覚悟はありますよね?と。




・・・・怖くてアンヌの顔が見れませんわ。ロウが爆笑しているのをエリーゼが止めてくれているので

もう良しとします。



「スチュアルド様はカテリーナ様を・・・。」

そこまで言うとスチュアルド様の顔が朱に染まりました。もちろんカテリーナ様も。

「ナディアレーヌ様、何を仰ってるのですか。」

そういってカテリーナ様は涙を浮かべてらっしゃいますけれどわたくしだって聞きたいですわ。

「だって、護衛騎士でしょう?スチュアルド様は。なのにそんな抱き上げ方をしては剣を抜けませんわ。

そんな愛しい人を抱き上げるように護衛は身体を運びませんでしょう?」

よくよくリオ様やサレージ様はきちんと剣が抜けるように鞘を外に向けて、左手に比重をかけてらっしゃいますし。

アーノルドに至っては持ち上げろをきちんと体現して片手ですし。



きちんと抱きしめてらっしゃるのはスチュアルド様だけですわ。




というと、ますます硬直したようにスチュアルド様は動かず、カテリーナ様を更に抱きしめてしまわれました。

やっぱりと思ったのは最初からでしたが、カテリーナ様がお好きなのはスチュアルド様。

そして・・・。

スチュアルド様もきっとカテリーナ様がお好きなんだろうと。




そう思って確かめさせてもらったのだというと、やっと力が抜けたのか。

スチュアルド様がゆっくりとカテリーナ様を床におろしました。まるで宝物のように。

リオ様もサレージ様もゆっくりと床におろしましたがその後にお褒めの言葉を頂いて騎士の礼をとり

当たり前に背後に付かれました。

そうですわよね、これがロウとアーノルドの動きですもの。

リオ様とサレージ様は正しく護衛騎士でらっしゃいますし、敬愛を感じますが主に対して思慕は感じませんものね。

小さな頃から護衛や侍女、侍従が周りにいたからこそ、人に囲まれていればいるほどに人の好意はなんとなく当たり前にうけとめるようになるものです。

わたくしたちはそうやって当たり前に好意を受け入れ尊敬を受けれいますが、思慕や悪意はなんとなく

違和感となって感じるものなのです。

王族だからと言われてしまえばそうなのですけれどもね。



スチュアルド様は床にゆっくりと下ろしたあとも左手を握ったまま、呆然としていらっしゃいました。

申し訳なかったなとも思いましたが、エド様が何かあったら言うようにといっておられましたので。

伯爵家のお嬢様であるカテリーナ様と沿うことも難しいことではないのではないかとおもったのです。

護衛が主に思慕を抱いてしまえばいざという時には護れません。

なのでロウやお兄様たちは二心のないものをそばに置くように口酸っぱく言われましたわ。

アーノルドはロウと一緒と頭で理解してからとても居心地が良くなりましたのわたくし。

でもちょっと最近わたくしにたいしてぞんざいな気もしないではないのですけれども。


と笑うと、カテリーナ様も笑ってくださいました。




「スチュアルド様・・・わたくしずっと、小さいときからあなたのことを・・・。」

そこまで言ったところでスチュアルド様は膝を付き、カテリーナ様の手を取り額に押し当てました。

「お許しくださいカテリーナ様。わたしは護衛騎士として許されざる気持ちを抱いておりました。

小さいときから可愛らしい貴方様をお守りするのだと決めて、10以上も離れているわたしが

何と邪な気持ちをいだいてしまったのかと・・・エルン様に折りに触れ近衛騎士団に誘われていても

わたしはあなた様の傍を離れることが出来ませんでした。」

「スチュアルド様・・・わたくし・・・」

「でも先程エド様に言われて思ったのです。わたしは騎士爵持ちでありあなたさまが他の誰かに嫁げば

ついていくことは出来ないと。見送るしか出来ないと。

貴方様はお美しく、すぐにでも誰かにさらわれるかもしれないと先程気が付きました。

ずっとお側にいられると思っていたのは、そうであってほしいと思っていただけでした。」

そういって手を額に付けたままのスチュアルド様を見ていると、なんだか言ってしまいたくなりましたわ。





「スチュアルド様。カテリーナ様をお好きですか?」

そう言ってわたくしが笑うと。

顔を上げて額に当てていた手をおろし、改めて両手でその華奢な手を取ったスチュアルド様は晴れやかな

顔をして微笑まれました。

「あなたさまにはお慕いしていらっしゃる方がいると先程言われておりましたね。わたしにはその方と

結ばれるようにお祈りするしかありませんが、一言言わせてください。

わたしはあなたをお慕いしております。」



え?カテリーナ様のお好きな方はスチュアルド様ではないのでしょうか?

わたくしの勘違いで大変なことをしてしまったのでしょうか?と焦ったところ周りの空気は違っておりました。

おいおい何言ってるんだ。といったような呆れた空気や、何を言ってるんだと怒る空気が取り巻き・・・。




「スチュアルド様はお祈りしてくださるのですか?わたくしがその方と結ばれるようにと?」

「はい。」

その返事を聞いたカテリーナ様はそのまま勢いのままスチュアルド様にギュッと抱きつかれました。

は?え?と慌てているスチュアルド様に向かってサレージ様がからかうようにおっしゃいました。

「よろしかったですね、これで向かうところ敵なしだったスチュア様がまた訓練にも来てくださいます

よね?カテリーナ様が心配で他家の騎士団との試合にも参加されていなかったので。」

「わたくしがエルロッドウェイに行くまでに手合わせお願いしますよ。カテリーナ様への思いは

僕らだって気がつくほどだったんですから。」

そういってリオ様が笑うので、ああ。周りはみんな知ってらっしゃったのね。と力が抜けましたわ。

ということはエル様もエド様も知ってらっしゃって発破をかけたと?



当たり前だろー。とわらうロウは一体どこまで知っているのかと・・・。

大人って機微に鋭いのですわね。とわたくしはほっとため息を付きました。



「わたくしが好きなのはあなたです。ずっと幼いときから大好きです。大好きですわ。」

そういって抱きついたままスチュアルド様の胸にすりすりとすり寄るカテリーナ様の可愛さにわたくし

とても直視が出来ませんわ。可愛すぎます!

魂が抜けたように。

「わたしもあなたのことをお慕いしております。」と堅苦しく答えたスチュアルド様らしい答えに

騎士として満点だな、と笑うロウとサフィオ様のやっと言ったかと笑うため息交じりの言葉に。

この3人の護衛としていつも会っていた護衛騎士たちにも繋がりと縁と、友情があるのですわね

と思って暖かな気持ちになったのは秘密です。





「さあ、帰る前にお渡しするお茶を作りますわね。銀トレーをならべてくれるかしら?みんな。」








マクレーンズ家に帰って、カテリーナ様をお部屋にご案内したあと。

わたしは当主様の部屋の扉を叩いた。

今日のお茶会は社交界きっての話題のナディアレーヌ様であり、カテリーナがお慕いする淑女。

一風変わったお茶会と、騎士たちにまで気を配る立ち居振る舞い。

それから体調のことを考えての水分補給のあれこれ、それから真摯にも一つ一つの口にするものに

対してのきちんとした危機管理。

身につけるもの、最後に持たせてくれたお土産まできちんと安全性を確かめたものだった。

なにより、心地よい香りと空気と、カテリーナ様の楽しそうな顔。


そして自分の気持ちを抑えきれなかったこと。




それらを踏まえて報告したあとに。

カテリーナ様への求婚の申込みを当主様に伝えた。

首だと言われるかもしれない。お前のようなものに許すことは出来ないと言われるかもしれない。

そう思ったけれども抑えきることが出来なかった。



「なんだそのことか。やっと言ったのか?」

というその言葉には?と空気の漏れた返事をしてしまい、申し訳なく礼を失したのを反省した言葉を述べると当主様はおっしゃった。

「やっとかと。そういった。いつ言ってくれるのかと待っていたが・・・。

エドガルド様にちょっとこの間ぐちめいたことを言ったのだが発破をかけていただいたのか?」

そう言って笑う当主様に「・・・いえ、どちらかといえばナディアレーヌ姫に・・・。」

というと、はははと笑い出した当主様はなるほど。とうなずいていた。

「エドガルド様がおっしゃっていたのだ。姫様が気が付かれたらなんとかしてくださると。そういうこと

だったのだな。

さて、スチュアルドよ。カテリーナは兄と弟が居る故この家に入ることは出来ないため、君が家を

起こすことになる。領地はなしの騎士爵のため我が領地を分け与えることにする。

カテリーナは聡く優しい娘だ。そしてお前は真面目で寡黙で愛情深い男だと見込んでいた。

よろしく頼む。」




そう言われて婚約が成ったことになった。

奥方様も喜んでくださり、ご兄弟もやっとか。と笑ってくださった。

どうやらカテリーナ様は本当に小さいときから私のことを憎からず思ってくださっていたのだと

やっと実感する。




自分が恋だと気がついたのは、二年前。デビュタントのドレスを着て笑うお嬢様を見たときだ。

自分よりも13も歳下のそれも主君であるお嬢様に抱える気持ちとしては重いものだった。

なんどかエルン様の言葉にうなずきそうになりながらもどうしても離れ難かった。

恋をしたことがなかったわけではない。

でも、大事な大事な方だった。

だから大事に大事に守った。

初めてお会いしたのは10歳のお嬢様だったからずっと大事に可愛く思っていた。

恋だと気がついてからは自分に絶望もした。

職務をとるか逃げるか、諦めるか。

でもどれも出来なかった。好きだったから。



ずっとお若いあの方に好きだと告げることは出来なかった。


今日もお慕いしておりますと何度も堅苦しく伝えたのは自分との年齢差を思った以上に気にしていて

大人ぶっていたいからだと自分の幼さに呆れる。

なんとなく慕ってくださっているかもしれないと思った日もある。

でも、それは護衛としてだからと苦く苦しく思った日々もある。



でもそれでも手を取ることの幸せに比べれば。

背中でもずっと見ていたかった。

そしてその金の柔らかな髪に本当はずっと触れたかった。



エルン様が当たり前にナディアレーヌ姫様の髪に触れたときに。

訳の分からない焦燥感が襲ってきたのはその幸福をかの方は当たり前に手に入れているという。

その一点だった。

当主様にもお伝えしていないエル様と呼ぶことナディアと呼ぶこと。

どうやら会話の中で一日の中で過ごす時間が何度もあるということはわかった。



だがそれは秘密にしていましょうね。お父様たちにはまだ内緒よ、スチュアルド様、これは

わたくしたち二人の秘密です。

そう言って笑うあなたの顔が可愛らしすぎたから。



カテリーナ様の部屋の扉の前でしばし固まる。

当主様にお許しを頂いたはいいけれど、肝心の本人に伝えていないことに気がついたのだ。




何度か深呼吸を繰り返し。

もう一度愛の言葉を告げて、愛を乞うのを一日のうちで二度も繰り返すことに目眩を起こしそうだ。

でもここで踏ん張らねば彼女を幸せにすることは出来ない。

わたしの口から伝える前に当主様たちにおめでとう!なんて先に言われるなんて絶対に嫌だ。




「カテリーナ様よろしいですか?」

「はい?」




その愛しい人の髪に触れることができるまで。




あと2分。










こじれにこじれさせていた、同級生のスチュアルド様が一抜けしましたよエル様!

こうやって細々といろんな幸せな話を詰め合わせるのも大好きですわたし。

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