表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/38

国が違えば色々違うということでしょうか2

どうにも短くお話をまとめることができないという・・・。

とりあえずは色々違うということでしょうか(笑)

それにしても・・・。


一番の問題は、レオルド様は針で刺されたのでしょうね、チクっとしたということは。

ただエル様の場合は殆どの自覚もないということです。

これが媚薬で済んでいる自体がまだ安全ということでして・・・。



毒ではないだけほっといたしますわ。



「ただ、香水ではないかと思っている。」

「香水?」

「ああ。アーリア姫はわたしにはすこし身につけている香水がきついように感じる。」

「香水が・・・。」



香水ということは自らも被害を蒙り、なんなら広範囲に媚薬を盛ってしまう可能性があるということ

なのですけれども・・。

うーんん・・・。

そんな不安定なことをなさるでしょうか?揮発性の香水でしょうか?アルコールを使っていたなら・・・。




「あ。」



わたくしのその声に皆様が反応いたします。

一斉に視線を浴びてしまい、ちょっと気恥ずかしいのですけれども・・・。



「エル様、そのアーリア様と踊られるのはいつも大体決まったくらいのお時間ですか?」

舞踏会というのはだいたい演奏順が決まっております。

国によっても違うのですが、ダンスによっては密着するもの手を合わせるだけのもの、スローなもの、

クイックステップ、そういったものもありますが基本は速いテンポのワルツなはずですが。

いろんなバージョンがございます。

ドゥーゼットもそうじゃないかと思って聞いたのですが思ったとおりにだいたい決まっておりました。

なら予想しやすいですわよね・・・エル様と密着して踊れる曲が。

わたくしと踊ったときもスローフォックストロットでございましたよね?

ならばアーリア様が踊りたがるのもこちらではないでしょうか。



「エル様はダンスはお好きですか?」

「嫌いではない。どちらかというとヴェニーズワルツのような速いテンポが好きだ。ただ、長くは

踊れない。咳が出るのでな。」

たしかにそうですわ。

「では、今回はここをまず邪魔いたしますわね。」



そのわたくしの言葉にエル様がキョトンとされます。

「邪魔をする?」

「ええ、アーリア様は絶対にエル様を得ようと今回も媚薬をもることもあるでしょう。

多分予想としては、使われているのは揮発性の香水ではないでしょうか?」

「香水・・・。」

「どういったものかはわかりませんが、出来得る限り探っては見ますわね、文献を見させていただきますわ。」

「ああ、それは構わないし願ったり叶ったりだが。」


そこまでいって怪訝な顔をしていたエル様はわたくしをじっと見つめます。



わたくしはロウに視線を向けると、よく気が付きました。とばかりにニコニコしていたので・・・。

多分そうだろうなという仮説をエル様たちにすることにいたしました。




「香水には香る時間があるのです。何種類もの香りをトップノートからミドルノート、ラストノートまで

香水には香る時間があるのですわ。

エル様がアーリア様は香水がきついと感じるといったように多分直前につけられるのでは?と思います。

そしてそれは揮発性が高いのであれば密着して踊るエル様にだけ香りましょう。」

軽くうなずいているロウを見て間違ってないと思ってまいりました。

「どういった感じかはわかりかねますが・・・。」

「甘ったるいのだ。」

きっぱりというエル様の顔は本当に嫌がっているようにも見えまして・・。



「では、アンバー系でしょうか・・・うーん、わかりませんが。わたくしは基本つけませんわ。」

「ああ、ナディアはいつも花の香がする。」

「花?ラベンダーかカモミールでしょうか?わたくし柑橘系もつけますけれども?」

「いや、気が付かないのか?ナディアからはいつも心地よい香りがする。いつまでも手元においておきた・・・」

「・・・あー、エルンそこまで。」

エドガルド様にエル様が止められております。

「別に良いではないか?」

「はっきりそうやって姫様の香りをみんなの前で言い当てていいのか?知られるぞみんなに?」

「ナディア、今度香水を贈ろう。」

ありがとうございます?と疑問形になってしまったわたくしです。

「・・・・まあいい。じゃあ、ナディアレーヌ姫、邪魔する方法を考えましょうか。」

そういってエド様は笑う。



「ドゥーゼットには恐れ多くも姫様がいらっしゃいませんから・・・外の国からやってきたとしたら

その国の姫だとしたら一番位が高いでしょう。

ということはこちらの国の公爵家の姫だろうが立場上その姫を差し置いてエル様をお誘いすることは出来ません。」

「そうだろうな。」

そういって椅子に腰掛け、長い足を組み直したエル様が真顔でうなずく。

「ですが、わたくしなら?」

「そう、姫様そこです。」

エド様のその笑ったような声にニッコリと笑って答えます。



「わたくし、エルロッドウェイの皇女ですの。これでも姫でして。」

「知っている。」

そういってエル様はわたくしを手招きしますので、笑ってエル様の隣の席に移動しました。

「ちなみにエル様を護ることも出来ますわ。」

「ほう、どうやって?」

「多分剣術の技術ならアーノルドには負けませんわね。」

「体力面と力で総合的にはわたしのほうが強いです!」

ムキになるアーノルドをサラが笑ってなだめております。まあ確かにそのとおりですが・・・。

「とっさの動きならウチの姫なら抑えられますね。」

そう、ロウが笑う。

「そうですわね、大人数を相手にするような状態ではありませんし普通の姫として育ったであろう

アーリア様の不可思議な動きくらいはわたくしが止めることは確実にできますわ。

多分ではありますが、アーリア様が大丈夫なら女性には効かない媚薬だと思われますの。」

「ほう。」

エル様の弾んだ声がいたします。

自分から戦えると伝えるのもどんな皇女なんだと思っておりましたが、おもったよりもエル様の反応は

わるくはありませんのでホッとしております。



「もしエル様が吐き気をもよおしたらわたくしが護りきれなかったということになりますわね。」

「あなたなら護り抜いてくれると?」

「ええ。媚薬や薬、不遜なものからはわたくしが護りましょう。」



そこまで言うと、エル様は嬉しそうに楽しそうに声を上げて笑い始めました。



「ははっ、それではまるでわたしが姫ではないか。」

「今回は護り切るという部分では・・・・おとなしく護られていただくほうがよろしいのですが。」

「ナディアは嫋やかで美しく可憐で可愛らしいのに、強いのか。」

何という褒め言葉の羅列でしょうか・・・。

真顔でおっしゃるので本気で言ってらっしゃるのかふざけているのかわかりかねますが・・・。

頬が熱くなるのを感じますが澄まして答えましたわ。

わたくしはエル様にはお伝えしておりませんが銀眼の皇女として産まれたときから誰かに仕えることを

決められていきてきましたのですべてのことを叩き込まれてまいりました。

まあ、剣術や馬術も嫌いではありませんし、比較的勉学や語学も好きでした。

助かったと言っていいのかはわかりませんが、エル様をお救いすることがわたくしの使命ですし。

わたくしの仕えるべき人が他の銀眼の方がもはや悪人だった場合はわたくしはそれでもやらねばならず

そういったことも加味しながら母様が鍛え、父様に鍛えられ、兄様たちにも鍛えられたのです。



もはやわたくしに普通の姫であれ。というのが難しいのでございますわ。

だいたい普通の姫は薬草園の世話などいたしませんでしょう・・・。

わたくし薬草にも詳しいですが、どの状態でも生き残れるように食べられる野草を見分けることも出来ますし。

エル様が国王の座を奪われても多分わたくしがお護りしきれると思います。



と、そこまで思い。




顔に熱がこもりました。

わたくしこんなにずっとエル様と一緒にいたいと無意識にでも思うようになっていたのだと・・・。

ただいま思い知りまして。

アーリア様を邪魔するという思考回路も。

きっと多分これが・・・。



「ナディア?どうしたのだ?」

そういってエル様が心配そうにわたくしの顔を覗き込んでこられました。

今更アーリア様がエル様に近づくのがイヤです。とも言えず・・・。

「赤い顔をしている。どうしたのだ?寒かったか?それとも暑すぎたか?」

「い、いいえ!大丈夫ですわ。」

わたくしの額に手を当てて、困ったように心配そうにされているエル様の顔を見るとますます顔が

赤くなってしまいます。

「ちょっと一生懸命考えたのでちょっと熱くなってしまっただけで・・・淑女たるものがお恥ずかしい

ですわ。」

「わたしの事情に巻き込んで申し訳ない。」

「いいえ、違いますわ!わたくしは媚薬を使ったりするようなそんな方法を取る国があることが解せませんの。」

「ん?」

「媚薬というのはいろんなことに使われますわ。エル様やレオルド様が被害に合われたのはそれはそれは

悲しいことですけれども、王族となれば、貴族であるならば、そういった薬が家をつなぐためには

必要なこともありましょう。ですからすべてを悪だと言っているわけではありませんの。」

そのわたくしの言葉にドゥーゼットの国の方々はちょっとだけびっくりなさっている様子です。



でも、切実な方もいらっしゃるのです。

媚薬だけではありません。。興奮剤といったものやそういったものも我が国では管理をいたします。

どうしても国を継がなければならない方々、そういった家の事情がある方。

我が国で処方するものは体に対して安全であり、誰にも売ることなど出来ないように魔術をかけており

管理して、適切に仕える方のみに一回一回の処方をしております。

確かにうっかりと盛られてしまうとすると良くない思いにも駆られるでしょうけれども・・・。

そうではない使いみちもあり、そしてそれは管理して適切に使うのであれば悪とは言えません。



そうやって色んな国の尊き方が買い求めることもあり。

それらは我が国に対しての信頼でもあり、我が国はそれを決して悪行とは思いません。

医療大国ということは色んなものを扱います。

痛みを取るためにモルヒネを使うこともあればそういった薬草を使うこともあります。

医療に使うものに限り。という枷はつけますが。



「レオルド様に盛られたそのお薬ですが・・・毒性や中毒性があるのかないのかもきちんとお調べします。

もう年月が経っているためレオルド様には影響はございませんでしょうが。

それでもそういったたぐいの薬を不用心にも使われるような方は・・・わたくし好きではありません。」

そう言い切ると、エル様が穏やかに笑ってらっしゃいます。

「優しい表現だな、わたしよりも。わたしはかの姫が嫌いだ。」

そこまでおっしゃいますかエル様・・・。


わたくしは真顔になってしまいます。

「国王陛下としてはあまりよろしい発言ではないのでは?」

ロウがくくっと笑っていうと、エル様がふふっと笑って返してらっしゃいます。

お茶の準備はとっくに整っているのだけれど話が進んでしまったため一旦保留にしていたロウたち。

そのロウが似やっと笑って話に入ってまいりました。

「ひとつ朗報というかなんというか。お伝えしてもよろしいか?」

ロウがエル様とエド様に向かって直答を申し出ることはあまりないのでエル様はすぐにお許しくださいました。

それを見てロウは楽しそうに笑って言い放ちました。




「そのスーガイアですけどね、この間カインが「叩きのめさないとわからないようですね。」とかって

うっすら笑ってやってしまったあの西側の国の貿易国で間違いないですねぇ。

カインが怒るほどに医療品とは言えない媚薬や麻薬のたぐいが取引されていたらしくてねぇ。

フレディが率先してカインを焚き付けてたやつですね。フレディも怒ってました。」

ええええ・・・。

わたくしが呆然としているとロウは更に笑って答えました。

「カインに頼んだらそれはそれは楽しい話と解決策を一緒に考えてくれるでしょう。エドガルド様。」

もはやエル様ではなくエド様に言う辺りがもはやスーガイアに未来はないと言っているような・・・

そんなものではないでしょうかねぇ。

「それはそれは、良いことを聞かせてくれてありがとうロウ殿。カインとは話が弾みそうだなぁ。」

そういって本当に満面の笑みのエド様を直視することが出来ませんわ・・・。

「あと一週間もすればカインもやってきますし。夜会でエルローズ様をかっさらうつもりですからね、

うちの若君。レーヌにも会いたがってますしもはやスーガイヤとエルロッドウェイであれば・・・。」

「我が国はスーガイアとは取引もしないし、うちの盾に媚薬を盛った姫がいる国など嫌だ。

それに自分の貞操まで狙われているとするともはや夜会を取りやめこの国に入れるのをやめるか?」

「いやいやいや、それでは間に入った諸国がちょっと気まずいから今回まではね。

3回もエルンの貞操狙われて、今回必死だろうアーリア姫も。それに多分この間の夜会の話がもう

回っているだろうからな。」



はて?この間の夜会とは?



「あの姫からすればナディアレーヌ姫はもう目の上のたんこぶというか気に食わないだろうなぁ。」

何故かエド様がいい顔をしております。

そのとなりではエル様が軽く眉をひそめてエド様をたしなめてらっしゃいます。

が、まあ確かにエル様が踊ったのはわたくしだけらしいですしそうですか・・・ヘザー様以外にも

恨みを買ってしまいましたか?わたくしは・・・。

「まあ、ナディアレーヌ姫には楽しいこともありますから。」

「楽しいこと?でしょうか?」

「はい。今回もちゃんとカテリーナ様もユーリス様もエルローズ様もお呼びしておりますから。」

その3人の名前を聞くとニコニコが止まりませんわ!



その前にお茶会を開いてしまいたいのですけれども!そう小さく言ってアンヌを見ると逡巡したあとに

笑ってうなずいてくれました。

これで3人のご令嬢たちにも少し相談できるのではないでしょうか!

とくにエルローズ様にはきちんとカインお兄様の取扱説明をせねばなりません・・・。

その間に炒っていたお茶の熱を冷ましてくれているサラに目配せしてお礼を伝えましたわ。

ああ、なんのお茶をいれましょう!お茶会!!



そう思ってもう気分はお茶会に向かっていたのですが、それを引き止めるようにわたくしの手を

エル様がそっと取りました。

視線を向けるとわたくしの手を握り、心配そうにしてらっしゃいます。




炒った移動されたのでしょう?なんでそんなに不安なお顔を?

「エル様?」

「本当にそういった類の媚薬であったとしてナディアには効かないのだろうか?今回も必ず盛られると

決まってはいないがナディアが辛い目に合うのはわたしは嫌だ。」

「今更何を。」

そう言っているエド様を軽く睨むエル様はわたくしに向き直り、わたくしの指をご自分の口元に

寄せられます。




「解毒薬はわたくしが作りますわ。」

「わかっている。」

「エル様よりもわたくしのほうが耐性がありますし吐いたりしません。」

「わかっている。」

なんなら試せるものなら自分でも試してもいいと思っていたりもしますの。

「わたくしに効いたとしてもエル様にはご迷惑はおかけしませんわ。」

そういうとエル様は持っていた指を離し、わたくしの手ごとさらって引き寄せました。

「ならぬ。許さぬ。その日は一秒たりともわたしから離れてはならぬ。」

何をおっしゃいますの?と思いましたが、エル様の真剣な顔は本気だと言っているのと同じです。

びっくりしてエド様をみると、苦笑いのエド様とうなずいているレオルド様。

そして笑っているロウに当たり前だという顔をしているアーノルドとサラ。

「陛下、わたくしたちがどの淑女も太刀打ちできないくらいに今以上に仕上げてみせますので、楽しみに

お待ちくださいませ。ナディアレーヌ様をずっとお手元に。」

そういってアンヌがいうと、エル様は納得したようにうなずきました。



が。



主催はエル様ですわよね、挨拶もされるでしょうしきっと会場を回りますわよね?

で、わたくしをずっと手元に置かれると?



「え、エル様、わたくしずっとお側におればよろしいのですか?込み入った話などされますでしょう?」

「そなたは離れてはならぬ。アーリア姫からわたしを護るのだろう?ならば側に。」

もうてこでも動かない状態で頑なにそうおっしゃる。

一国の王が一人の皇女を手放さずにずっとそばに置いたら詮索されるのではないかとわたくしでも

解りますし思います。

それをエル様はそうするとおっしゃいます・・・。




「わかりましたわ・・・。ただお兄様がお許しくださいましたら。」

「ならぬ。迷うなど許さぬ。エド、カインにはそなたから話を。」

「・・・はいはい、わかりました。エルローズの件もあるしね。カインもだめとは言わないよ。

そう言ってエド様は笑ってらっしゃいます。

一体どうされたのでしょう。エル様が子供のように頑なになってらっしゃいます・・・でも・・・。

「かわいい・・・。」

「なにがだ?」

「いえ、何でもありませんわ。」



わたくしよりもずっと年上のこの方を可愛いとおもってしまったことは秘密にしなければ・・・。




「まあ、ナディアレーヌ姫がずっとそばにいるならアーリア姫が誘ってもエルンは断るだろうし。

踊りの順番も把握は一応皆に周知させるけど、今回はちょっと曲調も考えておこうかな。

カインへの根回しもだし、一応エルロッドウェイにもお伺いは立てておく。」

「頼む。」

そういって色々と決まっていく中エル様の機嫌が治ってまいりましたわ。

「あの・・・。」

「なんだ?」

「そろそろ手を離していただいてもよろしいですか?」

お茶を入れたかったのに話のほうが長引いてしまってロウやサラたちも帰ってきてしまってましたのに

わたくしが行けないからお茶が入れられませんの。

お湯が冷めてしまいますわ・・・。

「何故?」

「エル様、お茶が入れられませんわ。」

「・・・ああ、そうだった。」

そう言って指先に一つキスを落とし、ゆっくりとはなしたエル様の色気たるや・・・。



「陛下、そのお顔をすぐに引っ込めてくださいませ。」というアンヌの声を聞きながら。

慌ててお茶を入れることにいたしました。



近くに来たアーノルドが屈託なく笑って言います。

「エルンハルト陛下のお側に姫様がずっといるということはわたしもずっと一緒にいられるという事

ですよねー。この間やっと成人したので夜会に出られる状況で良かったです。」

と、ご機嫌にいうので、水を指したのはサラでしたわ。

「でもレオルド様のお顔を気に入った方が姉上だということは、アーノルドも気に入られるのでは?」

え?といった顔をして一気に顔が青ざめるアーノルド・・・。

「解毒薬はエル様、レオルド様、それからエド様とアーノルドの分も作るわね。」

よろしくおねがいします・・・とあまりにも低い声が出たアーノルドに笑ってしまいます。



その後も話を詰めながらお茶を入れていたのですが・・・。

ソワソワします。

香水の話も出たので、どうしてもここの東屋にある松葉を収穫したい!そしてその松葉の根本にある

松の実というものもできれば採集したい・・・。

ウズウズしてまいりましたが今の状況では絶対に許可などおりませんわね。



料理長が手作りしてくれたのは小さな小さなケーキと可愛らしいクッキーとエル様には内緒ですが

野菜を練り込んだ小さなパンケーキを何枚も焼いていただいておりますの。

中のフィリングはクリームチーズとレモンを軽く絞って泡立て器で力いっぱい混ぜるとフワッフワの

クリームが出来上がるのでそちらを。

レオルド様たち騎士様や男性陣にはサンドイッチを。

三段重ねのトレーに少しずつ盛られたお菓子とサンドイッチ。

それらを所狭しと並べて北の東屋でのお茶会も兼ねて作戦会議をすることにいたしました。




エル様には野菜入りのパンケーキにふわふわのクリームチーズを挟んだものをわたくしの手づから

お渡しいたしました。

こうするとエル様は食べてくださいますので。

先程炒ったお茶も香ばしく、ほうじ茶としてお出ししました。

そのときに少し煮出しをきつくしてミルクジャムを混ぜたものと緑茶にミントを入れたもの。そして

ほうじ茶と3種類のお茶を用意しました。



エル様は緑茶のミントが入ったものをお気に召したのか、そちらを一番に手に取られました。

緑色が美しくて、わたくしも見ていて幸せになります。

わたくし緑茶が好きですしね。




「ナディア、わたしのそばに居てもらう件だが少しはカインはエルローズ嬢たちと話す時間も

必要だろうか?」

「そうさせていただけるなら嬉しいのですけれども・・・。」

さすがにお兄様にはご挨拶したいですわね。エルローズ様にも絶対にお会いしておきたいです!!

「入場は別にするか・・・。カインにエスコートをしてもらおう。エルローズ嬢は彼女の父親に頼む。

カイン手配を。」

「はいはい、人使い荒いなぁ・・・。グリルフォントの叔父上の気持ちになると本当に他所の国に

一人っ子を出すなんて辛いよなぁ。」

「そのためにアルフォンスとミリス嬢がグリルフォントに入るではないか。」

「まあ、アルフォンスは手強いけどミリス嬢は本当に可愛らしくて強くてもうアルフォンスは骨抜き

だからねぇ。」

「貴族など自分の血筋だけでなんとかなっているのなんて一握りだ。」

そう言ってエル様は苦々しく笑われます。

エル様のご両親である先々帝であらせられる国王陛下と妃殿下は中が悪いことで有名だったそうですの。

わたしの両親はとても仲睦まじいのでそういったことに直面したことはございませんがその方が少数だと

言うことは重々わかっております。

「まあ、色んな意味でエルロッドウェイには自分が出向いたほうがいいとは思うんだ。」

そういってサンドイッチをつまみながらエド様がわたくしを見ます。

「何ゆえですの?」

「根回しです。」

そうきっぱり言ってエド様は笑ってそれ以上は話してくださいませんでした。

なんの根回しかを聞いてしまったら後に引けない気もいたしますし・・・。

何が引けないのか自分でもわかりませんが。



邪魔をするとは決めたとしてもそばにいるだけでじゃまになるとも思いますの・・・。

政治的な思惑はわたくしには口を出す資格はございません。

ので、どういった立ち位置で行こうかを迷っておりますと・・・。



「どうしたのだ?」

「お側にずっとおりますと言いましたが、わたくしはどういった体で振る舞えばよいのか途方にくれて

おりましたの。」

「わたしの大事な人だ。それでいいではないか。」

いやいやいや、エル様それで良いわけがございません。わたくしはぽっと出の小国の皇女です。

わたくしの出自はそりゃ皇女ですししっかりとはしておりますが、この国のご令嬢たちからしたら

本当に目障りでしかありませんでしょうし、エル様がこれから出会うだろう大事な方の・・・。

そこまでおもってちょっとだけ悲しくなりました。



エル様はまだ出会ってないのでしょうか。

わたくしはエル様の体を治すためにおりますし、今回のように身を護るときの盾にもなれますが。

お側にいながらそれをずっと望んでしまいそうで怖いのです・・・。

黙り込んでしまったわたくしを見て、エル様は申し訳無さそうにしております。

そういった顔をさせたかったわけではないのです。

そう思って、ニッコリと笑うとエル様も笑ってくださいました。



「ナディア、ドレスはわたしが贈ろう。」

「え?まだ着ていないものがあるのですわ。この間の夜会のときにエルロッドウェイの型のものと

一応ドゥーゼットの型のものも用意しておりましたの。」

「それはそれ、これはこれだ。」

「ですが・・・。」

「アンヌ、わたしの衣装を仕立てるのと同時にナディアのものも仕立てるように。色はわたしの髪の色に。

わたしのものは黒地に銀とラベンダーを。」




ぎょっとしました。

いえ、用意しているドレスもそりゃエル様の色が使われてはおりましたが、あからさまに今の状況で

エル様の色をまとうのはちょっと・・・・それはちょっと周りに牽制しすぎではないでしょうか?

というかこのままだとエル様もわたくしの色を彷彿とさせてしまいますわ。

「エル様ちょっとお待ちくださいませ。あの、色はそこまで合わせてしまうと誤解されてしまいませんか?」

「誤解とは?」

「わたくしだって知っておりますわ。お互いの色をまとうのは恋人かご夫婦ではありませんか。

この国の重鎮の方々がよく思われるはずがございません。ご令嬢たちも・・・。」

「ナディア、それは嫌ということか?」

そういって軽くうつむいて髪を揺らすエル様を見ると心が痛みます・・・。

「あの・・・その・・・。では比重を分けてくださいませ・・・わたくしも黒地でお願いしたいです。」

「わかった。」

そう言って満面の笑みのエル様を見てホッとする。




ナディアレーヌは気がついていなかったのだ。余計にその黒地にミルクティー色の金を入れて、銀眼では

なく今のエルンのダスティーブルーを入れられたほうがより強く印象付けられてしまうという事実を。



エルンハルトの囲い込みにみんな気がついているのにきちんと気がついていないのはナディアレーヌ

だけなのだろう。

なんならもはやエルロッドウェイでさえわかっている可能性が高いのに・・・。




「姫様うかつだよな?」

「そこがかわいらしいのでは?」

「それだと全くお揃いじゃないのか?」

「だからそれくらいの迂闊さがうちの姫様の魅力なのよ。」




アーノルドとサラの会話には気が付かず・・・。

レオルドはエルンハルトの執着にため息を付き。

かといってアンヌのこれ以上ないほどに絶対にお揃いにして見せるという気概にも気が付かず。

エルンハルトのこれ以上ない牽制だということもはっきりと気が付かないナディアレーヌの姿を見たら。

カインがキレるだろうな。

と、予想して苦笑いなのはエドとロウだ。




とりあえずは邪魔をするということだけは決まり。




これからの慌ただしい時間は過ぎ去っていくのだった。






とりあえずはこういうことです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ