〜マール共和国〜
リュコスが守衛さんに入国目的の説明と入国税を払い終わると、城門脇の壁内部へと繋がる通路への通行が許可された
通行手形を持って俺とリュコスは長い通路をくぐり抜ける。すると程なくして壁の内側の景色、上空からみえた活気に溢れるあの一本道が俺の目の前に映された。
とても長くどこまで続いてるか分からい程、延々に続く石畳の一本道に中世風のレンガ造りの店舗や、出店などが立ち並び物びもの凄い数の人がその通りに溢れている。
さらによく見ると、リュコスタイプの羊の獣人や、朝に見た肌が青い人間のような種族、その他にもドワーフのような種族だったりいろんな種族が店を開いたり、酒を飲みかわしていたりと隔たりが全くない事が見てわかるほど活気に満ちていた。
「よ〜し。とりあえずククラの服買いくか。知り合いの店まで行く予定だがちょっと遠いから担ぐぞ」
リュコスはそう言って忙しそうに俺を掴みあげ片腕で抱っこするような形にしてその大通りの中に突撃して行った。
中に入ると大層な混みぐわいで満員電車程ではないが、立ち止まる事ができない程の人の波ができていた。
もし歩いてたら迷子なのは確定だっただろう。
すれ違う人々は多種多様でバルジさんのような行商人のような人や、鎧を着込み脇に西洋剣のようなものを指す剣士のような身なりの人、ローブを着込んだ修道士のような見た目の人も居た。
しかしこの世界は文明がそこまで進んでいないのか、殆どの人が中世チックな服装をしており、今の俺が言えたことじゃないが正直現代社会から見ると変な格好をしてる人しかいない。
革製のズボンや、細身のチュニックやダブレット、粗い褐色のウール製マントなど、石油製品がまだできてないのであろう。
リュコスも革製のベストに膝ぐらいまでのズボンと変な格好だし。
そんな事を考えながら周りを見渡していたせいか、何人かと不意に人混みで目が合ってしまった気がするが、気にせず意外とモフモフなリュコスの胸元に身を預けること10分程で目的地に到着したようだった。
多少大通りから外れたのかあそこまでの賑わってはいないところで俺を下ろすと、そこの通りで店を構えるうちのひとつ、恵比寿とかにありそうな小洒落た雑貨店のような店にリュコスは迷うことなく足を踏み入れる。
俺もそれについて行く形で中にはいると中から若い女性の声が響いた
「いらっしゃいませ〜、あらリュコスじゃない。」
じゃっかん落胆が混ざったような声と共に奥から出てきたのは、前がけのエプロンを着けた細身で薄い緑の髪をした控えめな体躯の18歳程の女性であった。




