〜出発〜
俺たち2人は巨大なドラゴンの前に立つ。するとドラゴンは重そうな鎌首をゆっくりと持ち上げ、翼を伸ばし背中にスペースを作った。
「さてと、これよろしくな」
そう言ってリュコスは大きな風呂敷をドラゴンの手の所に置く。するとドラゴンは鋭い爪先を器用に使って、前足で掴むように持ち上げた。すげぇどんだけ意思疎通可能なんだよ…
関心しているとリュコスは急に俺を小脇に抱えあげる。そして垂直跳びで5mほどジャンプしてドラゴンの背に乗った。さすが人外と言うべきなのか…
俺の後ろにリュコスが背もたれになるような形で座る。毛がフカフカなせいで高級なソファーに腰掛けている感覚だ。
「出発!ドラゴン、ミール共和国まで頼む」
するとドラゴンは咆哮(?)をあげ、前と同じように翼を細く動かし離陸したあと急激に高度をあげて大空へ羽ばたく。
俺がさっきまで行っていた方向とは逆方向に飛んで行くらしい。
あっという間に森を抜けると、ずっと遠くに海が見える。さすがにあそこまでは行かないだろうがいつか行ってみたいものだ。
しばらく飛んでいると、先程時間潰しに行った時見た背中に城を乗せた巨大亀が下を闊歩していた。
「見ろ!ククラ!テオスヒェロナだ!ここら辺に来るなんて何年ぶりだ?」
リュコスは興奮する様に騒ぐ。
あの巨大亀名前あるのか。本当に規格外のデカさだな…、頭と足がついてなかったら動く巨大な山にしか見えないだろう。
「ねぇ!あの亀って魔物でしょ?あんな自由に歩かせて大丈夫なの?」
風にかき消されないように若干大きな声でリュコスを見上げ話かける。すると困った顔をしてその質問に返してくれる。
「うーん…説明がムズいな。魔物っちゃ魔物なんだけど、その中の神獣って言う種類なんだ。共和国ついたら本でも買ってやるからそれを見ろ、口じゃ難しい。」
神獣…カッコイイ。
あれ使って俺TUEEEEとかやってみたい。まぁまず捕獲なんか出来るワケないけど。
種類って事はまだ他にもあんな感じの化け物がいるのか…見てみたい気もするが触らぬ神に祟りなしだろうな。
それから数分、離陸してから計20分位で分厚い壁に囲まれた、とても大きな街が見えてきた。
「あれがミール共和国だ。差別や隔たりが無い良い国だぞ。」
リュコスが指をさし場所を示す。城が見えないがあれが国なのか。
壁の門らしき所から伸びる一本道は、上空から見ていてもわかるほど活気が溢れ出ていた。
王族が有能なのか治安がいいのかわからないが、この大きな街で差別隔たりが無いのは間違いなく凄い事だろう。
「そろそろ降りるぞ。乗ったまま行ったら驚かれちまうからな。」
ドラゴンの背中をリュコスは叩く。
すると、ドラゴンは羽をたたみ滑空姿勢となり、ゆったりと高度を下げて行った。




