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〜戦線〜


俺は空腹も忘れドラゴンの頭に座り込みその光景をまじまじと観察する。

不謹慎だが見ている側にとって結果のわからない戦争と言うのは、若干グロいが白熱するものだ。

戦場はあの大きな塔の麓で行われており、左が人間側、右が青い肌の種族側とキレイに別れている為、戦線がはっきり見えた。


左後方、ほかの兵士より立派な西洋甲冑のような鎧を着けた大柄な男性が、前方に剣を振りかざしなにか大声を上げる。距離があるので聞き取れはしなかったが、恐らく号令の類だろう。

すると予想通り大柄な男性より前に居た兵士であろう男達が大声をあげながら青い肌の種族の元へ剣を抜き突撃していく。

青い肌の種族は総数で言えば人間側より少ないが、まさにファンタジーの大きな魔法陣を空中に沢山浮かび上がらせると、そこから雷のような電撃を走らせたり、大きな火の玉をぶつけたりして突撃してきた部隊をいとも簡単に蹴散らしている。さっき聞いたあの花火のような音はあの種族が魔法を使った時の音だった。

人間側の物量によって切り倒されいく青い肌の種族も多く居るようであった。まさに質vs量の戦いだ。



10分ほど戦場に気を取られていると、近くから草をかき分けながらこちらに向かい進む足音が聞こえた。

戦線が広がってここまで兵士が来てしまったのか?

ヤバいと思い、戦場は見たいがその戦いに加わる気なんかさらさらない俺はドラゴンの額を軽く叩き小さい声で「帰ろう」と言う。

するとドラゴンは動きだし、再度首を滑り台のように斜めにして俺を背まで運んでくれた。

しかしドラゴンが動きだした音で気がついてしまったのか、近づいて来た足音は、どんどん早まりこちらに近づいて来る。


「誰だ!ここは法国の陣地…だ…ぞ………」


木々の間から剣を抜きつつ出てきた青年と目が合う。

人間離れした青い肌をし、黒い髪を肩伸ばした高校生ぐらいの青年だった。

どこかの国の紋章なのだろうか?2対のライオンが向かい吠えその中心に剣が交差している、エンブレムを刻んだ鎧を着込んでいた。

その青年はドラゴンに驚いてしまったのかそこまで言うと剣を構えたまま動かなくなってしまう。このスキに逃げてしまおう。

ドラゴンは俺が鱗に手をかけるのを確認すると大きな翼を動かし始めゆっくりと土埃をあげながら離陸していく。

その青年は瞳孔を開いた状態で土埃なんか気にせず信じられないような顔をしてかたまっていた。

俺はその青年を横目に速度を上げても落ちないように力を込める。

すると青年が口を開きポツリと呟く


「イノ…センス………王国は国際法破りやがったのか……」



……あ?俺?

そういえば、目をあっちゃったな…

そんな事を考えているうちに、どんどん地上は遠ざかっていった。





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