〜塔の周り〜
俺はドラゴンに乗り大空を舞う。
10分もするとその高度に慣れてきた、と言うより恐怖心が麻痺してきたため少し前へ匍匐前進して下が見やすい位置に移動する。
そこから見える世界は俺の居た日本よりは文明が劣っているように見えた。
まずあの城壁を構えた大きな城の周辺以外、基本的に道らしき開けた場所は全て土が剥き出しのなのだ。
それから砂漠地帯以外では畑が多く、農村らしき村がたくさん見られたが、そこには電気どころか水道や下水道すら通ってないように見えた。
この世界の文明は中世ほどなのか?
あの城塞都市のような所以外なんか基本的にあまり設備が整えられてない、少し失礼かもしれないが後進国のような貧相な暮らしをしているように見えた。
国自体が貧しいのか?そう思ったがあの城塞都市があるって事は恐らく王族貴族がアホで国民から税を絞りまくっているのだろう。国内部で貧富の差が激しいとか絶対マリーアントワネットコースじゃん…
さらに飛ぶこと15分程、湖からも見えたあの巨大な塔が近づいて来た。間違いなく100kmほど離れてたのにもう近くに見えるって一体時速何km出ているのだか…
その塔はやはり超巨大でドラゴンの背にのっている俺ですら頂上が見えなかった。
オゾン層辺りまで伸びているんじゃないかと思われるその巨大な塔の周りを回っていると、いつしか聞いたあの花火が上がった時の様な、腹に響く重低音が聞こえてきた。
俺を運んでいた馬車にのっていたあの男が、魔物相手に牽制目的で使っていたあの魔法の音に酷似しているようなきがする。もしあの男がいれば何かしら自分の体に関する情報がわかるかもしれないと思い空から近づいて様子を見ることにした。
しかしドラゴンにどうお願いしようか…人語通じるのか?
リュコスの言葉に反応してたし、まぁやってみるだけやってみよう。
「ドラゴン!音が聞こえる方に行ってくれない?」
胴体から顔まで距離があるため大声で叫ぶ。
するとドラゴンは理解してくてたのかまた鳴き声なのか咆哮なのかわからない大きな声をだすと急激に高度を下げ、凄い勢いで旋回を始めた。
吹き飛ばされそうになり、必死に鱗にしがみついていると、風を切る音にまじって先程の花火のような音がだんだんとよく聞こえるようになっていった。
少しすると、細かく翼をはためかせバランス取りながら、木々が生えた小高い丘の上のような場所に降り立った。
ドラゴンは伏せるような体制になり体を斜めにして俺を自分の頭の上に滑らせると、首を持ち上げ外の景色が見えるようにしてくれた。
随分器用な真似するもんだと思いつつ、落ちないようドラゴンの額に生えていた2対の大きな角の片っぽに捕まり、外を眺める。
そこには、猛々しい雄叫びをあげながら剣を持ち突撃していく大勢の人々と、烈火の如く燃え盛る炎を繰り出し一方的に攻撃を加える肌が青い人間のような種族がぶつかり合い命を落としていく、先程まで見ていた平和とは縁遠い悲惨な光景が俺の眼前にひろがった。




