〜空からの世界〜
俺は余りの衝撃に驚きを通り越して唖然としていた。
ドラゴン…まぁ魔法が存在する時点でいるとは思っていたが、問題はそこではなかった。
デカイ、いくらなんでも巨大過ぎる。
そのドラゴンは目測20m、ビル7階程の巨体を持っていたのだ。
まさに蛇に睨まれた蛙のように指先1つ動かせないでいると、リュコスはこちらに振り返る。
「あぁ、わりぃ。そういやコイツの事知らないよな」
リュコスは苦笑いを浮かべながら動けなくなっている俺を抱え、ドアをくぐり、あの巨大なドラゴンの目の前まで連れてきて俺を草原に置くと、なんの躊躇もなく思いっきりドラゴンの前足によりかかった。。
「コイツは簡単に言えば俺のペットだ。見ためはまぁ…バケモンだけど、人懐っこいし全然凶悪じゃないぞ。」
そこまで言うとドラゴンは首を下げ、4m程顔をリュコスに擦りつけてきた。
仕草だけ見ればペットっぽいが、余りに大きいため襲われているようにしか見えなかった。
「今日、買い物行くって言っただろ?市街地まで遠いから、移動手段用に巣から呼んでおいたんだ。コイツに乗ればあっという間につくぞ!ホレ試しに乗ってみろ。」
「え?ちょっと、やめ…」
俺はリュコスに再度抱えあげられドラゴンの頭に向かって投げられた。
するとドラゴンは上手く俺をキャッチすると、自身の首を滑り台みたいな傾斜にさせて、俺を背中まで運んだ。
もうその時点で地上から5m近く離れていたため、どうする事もできず、ただドラゴンの背中の鱗の付け根に指を掛け、必死に落ちまいと力を込めていた。
リュコスは下で
「どうだ!大丈夫だろ?まだ飯出来てないから、ついでにそこら辺ひとっ飛びしてこい!」
笑いながら手をふるリュコス。
すると嬉しいのかなんなのかわからないが、ドラゴンは鳴き声…最早咆哮のような声をあげると同時に巨大な羽を動かし、宙へ舞う。
だんだんとしかし着実に地上から離れていってしまった。
地上から30mほど離れると、斜め上を向くような格好になりスピード上げ急激に高度を上げていった。
魔法を貼ってくれているのか、それとも巨大な首が幸いしているのかわからないが、風はあまり来なかったが、傾斜のせいでロッククライミングをしている感覚だった。
もう恐怖で漏らしそうだったため、目を塞ぎ必死の思いで踏ん張っていると5分ぐらいした所で急に風が全く来なくなり傾斜がなくなった。
何事かと思い目を開けると、雲の上、最早目測では測れない程まで高く飛んでいた。俺がいまさっきまでいた小屋らしき物は、もう点のように小さくなり、湖は水たまりにしか見えなかった
するとドラゴンは滑空姿勢になり、森の外に向かいすごいスピードで移動して行った。湖の周りに広がる長い長い森を抜け、さらに外側へ加速すると、そこにはまだ見たことの無い景色が俺の目に映された。
中世のような巨大な城と立派な城壁を携えた巨大な国。
砂漠地帯のオアシスのような場所に作られていた賑やかな街。
このドラゴンが霞んで見えるほど超絶巨大な亀のような魔物。そこの甲羅の上に作られていた、小さな城と街など、見たことも聞いた事も無い、theファンタジーの世界がそこには広がっていた。




