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〜Side Story 人狼、幼女に出会う。前編〜



「ふぅ…やっとくたばったか。」


俺は食料調達の為、朝焼けがキレイなうちから森に入っていた。

今日の成果は上々だ。

今仕留めたこの鳥…なんて言ったけな?《ノスティモ・バード》だったか?違ったけな?

まぁいいや、コイツの肉は油が乗ってて上手い。

皮も売れるし、骨も軽くて使いやすい、本当いい事尽くしだ。

俺は満足げにその鳥をマジックバックと言う収納魔法に入れる。


「さて他にも色々取れたし、今日は早めに帰るか。」


そう決め、俺は踵を返して家へ戻ろうとする。その時、視界の端に白い何かが走っているのが見えた


「おん?ここら辺に白い魔獣なんかいたか?」


十数年住んで居るがここらに白い魔獣が居るなんて見たことも聞いた事もない。

間違いなく珍しい物を見つけたんだと思い、嬉々として木の上を転々と飛び回り、その後ろ姿が完全に見えるまで近づく。


木の上からバレない様に覗くと、走るその白い物の正体は、魔獣でも、動物でも無い、人間族の小さな幼い少女であった。

全身傷だらけで足から血を流しながら、フラフラになりつつも必死に走っていた。


「は?なんでこんな森の中に………?」


そこまで考えたが、今はそんな事よりあの子を助けるのが優先だろう。

あんな状態じゃもう長くは持たない。

木から飛び降り、少女の後を追うため走る。こちらに気がついたのか、一瞬スピードをあげたがすぐにコケてしまったようだ。


「おい、嬢ちゃん!大丈夫か?」


歩いてその幼い少女の真後ろまで来た。聞こえてないのかこちらに振り向く気配はない。

傷が広がらないように注意をしながら俺は少女の肩を優しく叩く。

するとゆっくりではありながらも、こちらに顔を向けてくれた。


俺はその少女と目が合った。

その少女の目は虚ろながらも、狂気的なほどまで美しい宝石など軽く上回る輝きを放っていた。

俺は思考が一瞬、その目に奪われてしまった。が、すぐに別の考えがが脳内によぎった。


「イノ…センス…?」


つい口を開き呆けてしまう。生きる魔道兵器とも言われる、突発性の遺伝異常により生まれる希少な種族、そんな種族の子供がなぜここに?

普通は国が安全を保証するんじゃ…

困惑し少々固まっていたら、少女は気を失ってしまったのか、前のめりに倒れ込み動かなくなってしまった。


「おい!おい!嬢ちゃんしっかりしろ!」


俺は抱えあげ、少女に向かって叫ぶ。

その顔は青白くまるで生気が感じられず、殴られたのだろうか?

頬は赤く腫れてしまっていた。

気がつくと息が絶えかけていた。本当にまずいと思いマジックバックから緊急時用のポーションを取り出し封を開け、多少無理矢理だが口に注ぐ。

ポーションのおかげで当分の利益は無くなってしまうが、コレで子供の命を救えるなら万々歳であろう。


ゆっくりだが少女の口に注がれたポーションは効き始め、今すぐに死んでしまう事はなくなった。

だが危険な状態には変わりないので、少女を抱え負担を与えない範囲で、できるだけスピード上げ急いで家へ戻った。



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