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〜イノセンスの運命〜

リュコスは視線を下げ、俺を見ながら喋る。


「イノセンスってのはな、人間族、獣人族、魔族、妖精族…その他どんな種族でも極々稀におこりうる、突然変異して色が変わった者達の事を指すんだ。」


あー…アルビノみたいな物か…と言うかこの世界そんなに種族いんの?

そんな事思っているとリュコスは続けて喋っていた。


「イノセンスの奴らは全員、例外なく短命で、魔力が恐ろしいほど高い。寿命が短い理由は魔力が高すぎるが故の代償らしい。

ある程度個人差はあるが…まぁ30年生きられれば妥当だろう。」


…まじか、寿命短すぎだろ、俺余命20年かよ…

しかしなんでそれだけで、こんな子供が死刑囚に身を落とす事になるんだ?首を傾げ思いを巡らす。

さらにリュコスは喋り続ける。


「それでだ、問題はここからなんが…嬢ちゃん 自分の目、見たことあるか?」


あぁ、あの狂気的なほど神秘的な金色に光る目か…

なんか大体想像着いたわ…

俺はコクンと頷く。それを見てリュコスは喋りだす。


「うーん…ここからは子供には難しいかもしれんが……

実はな、その目は経済が破綻しかけてる国が、持ち直す事ができるぐらい、価値があるんだ。

片方の眼球1個に対して、おおよそ平均8000万白金貨。

もし自分に子供が出来たら、末代まで。

更に分家の末代までもが、働かずとも暮らせる事ができるほどの価値をもっているんだ。」


ま、マジか…

8000万白金貨の価値はわからないが、国を持ち直す事ができるレベルとか…確かに、驚く程キレイだけど、そこまで価値があるもんだとは…

ってゆうかヤバくね?

絶対国全体で、俺の事血眼になって探すじゃん…

心底驚いた表情をしていた俺の顔を見て、リュコスは感心したかのように喋る。


「ほぉ、今の理解できたのか。まだちっちゃいのに随分頭いいな。」


腕を組み、俺の顔をマジマジと見てくる。

やめてください。怖いです。

リュコスは顔を離し、会話を再開する。


「まぁ、価値が高い理由としてはまず見た目。

そしてそのうちに秘められた魔力のせいだ。

イノセンスは魔力が恐ろしいほど高い、そのせいで体はどこの部分をとっても絶対に強力な魔力を蓄積しちまうんだ。

特に情報を処置するために、複雑な形をした目は、ほかの部位より別格の魔量を誇る。それこそ戦争で切り札になるほどのレベルを、だ」


うーん、もうこれは目玉をくり抜いてしまった方が安全だろう。

痛いのは嫌だが、こんなん世界中から追い回されんだろ…

…ん?じゃあ俺を回復させてかくまってるリュコスは世界中から狙われんじゃねぇのか?


俺はハッと気が付くと同時にリュコスへ視線を向ける。

今状況的に俺をかくまってるリュコスは間違いなく狙われるだろう。

まだあって1日の赤の他人でもあり、命の恩人でもあるリュコスには迷惑をかけたくない。

痛いのは嫌だし、死にたくもないけどここは俺一人がどこかに身を隠す方が最善の手であろう。

またあのスプラッタな環境に身を置くかもしれないと、考えると恐怖を感じ手が震えた。

馬車中で目の前に座っていた目をくり抜かれた中年体型の男性の顔がフラッシュバックする。

短時間であったが、まさに「惨状」であったあの光景にを思い出し、動悸が激しくなる。

しかし一刻も早くここを出なくては…

俺は震える声を抑え喋る。


「じゃ…じゃあ、俺をかくまってちゃ、リュコスさんがまずいんじゃないですか。

すいま…せん、い…今すぐ出ます。お世話になりました。」


あまりの恐怖のせいで、涙が自然に出てくる、俺ってこんな涙もろかったのか?それとも体に精神まで引っ張られているんだろうか?

涙を流しながら、体を震わせている俺を見てリュコスは、その巨体に見合わないほどの焦った表情を見せた。


「あ、ちょ、ちょ、ちょ…話す順序間違えた!大丈夫!大丈夫だから!!

ちゃんと今は法律あるから!ね?だから頼む泣かないでくれ!

ヤバい!俺この現場見られたら終わる!マジヤバい!」


大丈夫と言われたが、涙が止まらず嗚咽しているせいで、喋る事すらままならい。思考はまぁまぁ冷静なのに、こんなにも涙が止まらないって事は、やはり若干体の方に精神を引っ張られているんだろう。


リュコスが焦りに焦り、立ちあがって俺の周りでオロオロしていると

、後ろのドア。外に続づくドアが大きな音を立て、勢いよく開く。


それと同時に、全身を濃い緑色のフードのような物を被った、3人の人達が転がりこむように入ってきた。

そのうち一人がフード外し叫ぶ


「リュコス!!あんたイノセンス見つけたってほん…と…う……」


リュコスが体をビクッと跳ねさせる。

フードを外し現れたのは、長く白い髪の中に耳を生やした、兎だろうか?可愛らしい女性の獣人であった。


息を切らし飛んで来たその獣人は、もはや大きな狼が、小さい子供をいじめて泣かせてるようにしか見えない状況に絶句して立ち尽くしていた。




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