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第8話 危険なお店である。
ウィーン。
自動ドアが閉まる。
ゼノスは店を出ていた。
数歩歩いて、ふと違和感を覚える。
右手を見る。
コンビニの袋。
左手を見る。
肉まん。
脇には唐揚げ。
さらにお茶まで抱えていた。
「……。」
ゼノスは固まった。
もう一度確認する。
右手。
袋。
左手。
肉まん。
「……。」
「待て。」
袋を見る。
「待て待て。」
「いつ買った!?」
ゼノスは必死に思い出す。
店へ入った。
笑顔で迎えられた。
そこまでは覚えている。
その後。
「……。」
「何も覚えていない。」
もう一度手元を見る。
「ちゃんと袋詰めされている。」
「肉まんも温かい。」
「お茶まである。」
「なぜだ。」
ゼノスは頭を抱えた。
「我は敵情視察に来たのだ!」
「それがなぜ!」
袋を掲げる。
「買い物を済ませて帰っているんだぁぁぁ!!」
魔王の悲痛な叫びは、魔王城にまで届いていたとかいないとか。




