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第13話 いらっしゃいませ

ウィーン……


自動ドアが開いた。


「いらっしゃいませ!」


遠矢はいつもの笑顔で顔を上げる。


「こんばんは。」


「こんばんはー。」


ガルドたちは元気よく挨拶した。


四人はベッドを担いだまま入店する。


遠矢は一度だけベッドを見る。


「……。」


「大きなお荷物ですね。」


「ありがとうございます!」


「今日は五人です。」


「かしこまりました。」


遠矢は店内を見回した。


「こちら通路が少し狭いので。」


「ベッドのお客様は雑誌コーナーを回ると通りやすいですよ。」


「なるほど!」


「ありがとうございます!」


素直だった。


ガルドたちはそのままベッドを押して進む。


ゼノス。


「すぅ……。」


遠矢はレジから声を掛ける。


「お連れ様はお休み中ですか?」


「はい!」


「寝てます!」


「起こすと怒られます!」


「なるほど。」


遠矢は真剣に頷いた。


「では。」


「店内放送は切っておきますね。」


カチッ。


BGMだけが静かに流れる。


四天王は感動した。


「優しい……。」


「気が利く……。」


「最高のお店だ……。」


遠矢は少し照れたように笑う。


「夜勤ですから。」


「眠っているお客様もいらっしゃいますし。」


「「「「なるほどー!」」」」


もちろん。


今までベッドごと来店した客は、一人もいなかった。



その頃。


ドラグがホットスナックを見つける。


「肉まん!」


「違う。」


「今日はこれ!」


遠矢は嬉しそうにケースを開けた。


「おすすめは。」


「アメリカンドッグ。」


「ハッシュポテト。」


「コロッケ。」


「春巻きです。」


「どれも揚げたてですよ。」


ドラグは目を輝かせる。


「全部ください!」


遠矢は少し考える。


「五人ですもんね。」


「食べ盛りですね。」


「はい!」


「成長期です!」


四天王は全員元気よく返事をした。


ベッドの上では。


ゼノス。


「……すぅ。」


遠矢は寝顔を見て微笑む。


「よく眠ってますね。」


「移動中も起きないなんて。」


「きっと疲れてるんですね。」


ガルドはしみじみ頷いた。


「魔王様、毎日大変だから。」


「お仕事、お疲れ様です。」


遠矢はそう言うと、


ゼノスにそっとブランケットを一枚掛けた。


「風邪ひくと大変ですから。」


四天王全員。


「「「「なんていい人なんだ……。」」」」

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