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第11話 魔王様お連れします

真夜中。


魔王城。


ゼノスは気持ちよさそうに眠っていた。


「すぅ……。」


その周りを四天王が囲む。


「よし。」


ガルドが小さく頷く。


「持つぞ。」


「おー。」


四人は布団の四隅を持った。


「せーの。」


ふわっ。


ゼノスは少しだけ寝返りを打つ。


「ん……。」


「「「「止まれ!!」」」」


全員フリーズ。


シーン……


ゼノスは再び静かな寝息を立て始めた。


「……。」


「……。」


「……。」


「よかった。」


ドラグが胸をなで下ろす。


「起きなかった。」


ヴェノも安心したように頷く。


「完璧。」


レイスは真顔で言う。


「作戦成功率。」


「百パーセント。」


「まだ城から出てないぞ。」


ガルドは小声で言う。


「静かに行くぞ。」


「「「おー。」」」


四人はゆっくり歩き始めた。


しかし。


ガンッ。


ドラグが扉にベッドをぶつけた。


「痛っ。」


「お前じゃない。」


「ベッドだ。」


「ごめん。」


「ベッド。」


ヴェノが慌ててベッドを撫でる。


「痛かったね。」


レイスも頷く。


「ごめんね。」


ガルドも真剣な顔だった。


「次から気を付けよう。」


謝る相手が違った。


ゼノスは相変わらず眠っている。


「すぅ……。」


「寝相いいね。」


「いい。」


「助かる。」


四人は感心しながら廊下を進んだ。


城門前。


衛兵が目を丸くする。


「四天王様……。」


「何を……。」


ガルドは人差し指を口に当てた。


「しーっ。」


「魔王様が寝てる。」


衛兵も小声になる。


「それは見れば分かります。」


ヴェノが得意げに言う。


「だから静かに。」


ドラグ。


「優しく。」


レイス。


「揺らさない。」


衛兵は恐る恐る尋ねた。


「……どちらへ?」


四人は声を揃えた。


「「「「コンビニ。」」」」


「……。」


「……はい?」


ガルドは満面の笑みだった。


「魔王様も一緒だから。」


「怒られない。」


衛兵は何か言おうと口を開く。


しかし。


(この人たち、本気だ。)


そう悟った瞬間、ゆっくり口を閉じた。


「……。」


「いってらっしゃいませ。」


「「「「いってきます!」」」」


こうして魔王ゼノスは、


本人の意思を一切確認されることなく、


布団に寝たままコンビニへ運ばれていった。

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