第6話 怪異との戦い
鬼公子は髪の毛の他、指先や身体全身から異形の長い糸手を伸ばし始める。
にもかかわらず、不気味で魅力的な笑みを浮かべる鬼公子。
たぶんこの子はとても悪い人。
なのに水崎泉の心が少しだけときめく。
気になって身を乗り出していた水崎泉の身体に、
鬼公子の身体全身から放たれた触手が絡みつく。
「え? 何これ? う、動けない。」
「危ない! ぼうっとするな!」
近くに立つ澤崎が水崎泉の助けにを助けに入る。
澤崎は小瓶を取り出し聖水をかけ、水崎泉を自由にする。
だがそれは澤崎の隙を作るのが目的だった。
鬼公子は、地割れを起こし、そこから複数の異形の触手を解き放つ。
「あ、痛っ!」
「しまった!!」
隙を突かれ、澤崎さんと水崎泉は異形の触手に縛り上げられてしまった。
しかも、鬼公子が放つ異形の触手の表面は粘着質の体液でドロドロしてる。
カラン! バキン!
縛り上げられた衝撃で澤崎の両腕から、刀と聖水の瓶が落ちる。
しまった! 二人とも動けない。
その様子を見て、勝利を確信し笑みを浮かべる鬼公子。
「ようやく捕まえた。渡り人。お前は私の眷属になれ。」
そう水崎泉に語りかける鬼公子。
て言うか君、子どもでしょ?
でもちょっと気になるかな? ワル風の男の子も。
ていうか、眷属ってなに?
学校でちゃんと授業受けてなかったし、そもそも学校の授業で出てくる言葉?
数学? 物理?
よくわからない。
不適な笑みを浮かべる鬼公子。
自身の触手で縛り上げた二人を自分の近くへと引き寄せる。
このまま澤崎と一緒にこの男の子=鬼公子に囚われてしまうのか?
そんな不安に襲われる水崎泉の隣で、澤崎はチャンスを伺っていた。
澤崎は両手に隠し持ったナイフで自身を縛る触手を引き裂き、
自由になり、素早く懐から二丁拳銃を取り出して構える。
「この時を待っていた! この至近距離なら!」
水崎泉と一緒に鬼公子の目の前に来た澤崎が二丁拳銃を放つ。
「やったるでー!」
叫び声がサラウンドのように、右から左に響き渡り、鬼公子の小さな身体に向かう。
「どついたるわーー!」
続けて別の声で叫び声が同じく左から右に響き渡り、鬼公子の小さな身体に向かう。
「え? なに? 誰の声?」
改めてその方向を見ると、何かの弾丸が鬼公子の身体に突き刺さってダメージを受けている。
「くっ!」
どこからもわからない謎の攻撃に油断したのだろうか、鬼公子が苦悶の表情を浮かべている。
「やっぱり効果あったか。やっぱり目には目を、歯に歯を、かな。」
見ると硝煙の中、クールに二丁拳銃を構える澤崎。
「これは俺たちが捕らえたお前ら魑魅魍魎の怨念の銃弾だ。」
ダメージを受けた鬼公子、息が乱れ苦悩の表情を浮かべる。
「なんで? どうして僕をいじめるの? 僕は何か悪いことでもしたの?」
鬼公子が苦悶の表情を浮かべる。
鬼公子が悲しい目で水崎泉を見つめる。
水崎泉は訴えかけるその目を見て混乱する。
子供じゃない!
まだ、あどけない男児じゃない!
なんで大人が子供をいじめているの?
いけない!




