表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特務機関はホストクラブ  作者: 宙美姫
第1部 輝エリミネーターズにようこそ!
5/51

第5話 悪鬼の少年

見ると男児は前時代的なファッションに身を包んでいた。

伝統的な昔の半ズボン。

小さくも目立つその下半身と素足の肌がとても印象的で目を奪われた。

「ああ! すごい! 渡り人じゃないですか。」


男の子は私を見て嬉しそう。

「しかも普通の渡り人じゃない。 ひょっとして無効化能力の渡り人なのかな?」

渡り人? 無効化能力?

何言ってるのか、全くわからない。


純粋無垢の表情で私のことを舐め回す目で見る男児。

え? なにこれ? 

その目が鋭い。

だけど、どこか寂しそうな表情の男児。


「鬼公子か。」

澤崎が口を開く。

「その名前、悪くないね。」

伝統的半ズボンの男児が不気味な表情を浮かべる。


数メートル近くまで接近した男児=鬼公子が、

見下ろすかのような澤崎に高圧的な態度で返す。

身長、そんなに高くもないのに。

と言うか、この二人面識あるのね。



鬼公子が悲しそうな表情を浮かべ付近を見渡し、

「よくも僕のかわいい眷属をいたぶってくれたな。」

そう言って鬼公子は朽ち果てた白い手の草原の残骸を見下ろす。

この指の長い白い手の草原は、この鬼公子の『眷属』だった。


と言うか、ふざけないで。

と思っていたら、鬼公子が私をじっと見つめる。

いや、私のこと見ないでいいから。

「お姉さん、無効化能力を持った渡り人なんですね。面白い。僕の眷属になって。」


え? え?

私にリクルート? 私をオファー?

いやいやいや。私ショタコンじゃないし。

でもちょっとだけ、心がざわめく自分。


鬼公子が魅力的な笑みを浮かべる。

その美少年の笑顔に心が惹かれゾワゾワする。

鬼公子のきれいで長い髪の毛がザワザワと蠢き出す。

「え? 何?」


私には理解不能であった。

だけど私の目の前で起きている現象はとても現実の物とは思えなかった。

鬼公子という名の美少年。

そのきれいで長い髪が、まるでそれぞれの生き物のように湧き上がっていく。


それはまるで蛇のように。

それはまるで無数の亡者の手のように。

わらわらと湧き上がっていく。

重力に反発するように鬼公子の頭の上に渦巻いていく。


すごい。確か、なんかこんなバケモンいた気がする。

メドゥサ? なんとか神話のやつ。

でもそれを見ちゃうと石かなんかになるんじゃね?

私さっきからビンビンと鬼公子と目を合わせてるのだけど。


「危ない!」

澤崎の声が響く。

思わず鬼公子のメドゥサ発動を見入ってた私。

鬼公子の狙いが自分である事を忘れていた。


スパッ!

何かの音がした。風を切る音がした。

ボトボト。

鬼公子の頭部から長く伸びてきた異形の髪の毛がバッサリ切られて何本も地面に落ちている。


水崎泉は、すぐそばにいる澤崎を見る。

彼は、変な刀? 剣? みたいな物で水崎泉を守っている。

ジュワッ! 変な音と嫌な匂いが充満する。

バッサリ切られた鬼公子の異形の髪の毛がドス黒い色の煙で消えていく。


「また僕の邪魔をするんだね。どうしてそんなことをするの?」

鬼公子がいっそう悲しそうな表情を浮かべる。

「僕は悪いこと、していないのに。」

再び髪の毛をワサワサさせながら、その視線は澤崎をじっと見つめる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ