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特務機関はホストクラブ  作者: 宙美姫
第2部 澤崎と凛
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第24話 解けるトバリ/解けるワダカマリ

目には見えないトバリ。

前にあるはずの封印。

水崎泉はゆっくりと手を差し出す。

その小さな指をゆっくりと前に差し出す。


すると。

「ぎゃあああーっ!」

誰かの叫び声が響く。

それは女性のモノでもあり男のモノでもあった。


パリーン!

ガラスが割れるような衝撃音があたりに響く。

すると、今まで目に見えなかったトバリが解けたように思える。

見た目には何ら変更がない。


だが『雰囲気的』に行けそうな気がした。

水崎泉がゆっくりと歩を進める。

一歩二歩、霊園内に進んでいける。

「行けるみたいです。」


その言葉にチャラ男、自ら走って水崎泉の隣に立つ。

「本当だ!」

チャラ男は通信装置を手に取り全軍に告げる。

「トバリを破った! 全員、突入だ! 澤崎さんを救出に行くぞ!」


チャラ男の連絡に呼応して、霊園を囲むあちこちの突破口から鬨の声が聞こえる。

雪崩れ込む一同。

立ち止まって呆然としている凛。

気がついてチャラ男が声をかける。


「凛! 行くぞ! 兄貴を、澤崎さんを助けに行こう!」

そう言って水崎泉をカバーしながら前を向くチャラ男。

凛は少しの間だけ動けなかった。

それは自分自身への葛藤による物だった。


「攻撃来ます! みんな伏せてください!」

水崎泉が告げる。

素直にチャラ男はそれを信じて従う。

「全員伏せろ! 攻撃が来る!」


チャラ男の指示を受け、全チームそれに従う。

霊園の中心から三百六十度全方位に発せられた攻撃。

言わばウインドカッター的攻撃であった。

無事全員、それに従い事なきを得る。


だが凛は違った。

彼にはプライドがあった。

ウインドカッター的攻撃に対し、そこに伏せる事なく、

その手刀で攻撃を跳ね返る凛。


それを見たチャラ男、少しだけ不満を伝える。

「凛。」

その言葉に凛、プライドと妙な反抗心で答える。

「このくらい、大丈夫です。」


呆れたチャラ男、水崎泉に感謝の念を伝える。

「ありがとう、助かった。」

水崎泉は素直であった。

「いえ。みなさんの力になれれば。」


水崎泉は嬉しかった。

自分の存在がみんなの助けになれば、嬉しかった。

それが、澤崎の救出につながるのであれば尚更だ。

水崎泉はみんなへの信頼がいっそう強くなった。


彼女を連れてきて正解だった、とチャラ男は思った。

水崎泉を参加させた判断は正しかった。

水崎泉の才能が開花した。

水崎泉の才能を開花させた。


チャラ男は自分でそう思った。

今は前向きに考えよう。

チャラ男は少しずつ自信を回復していた。

チャラ男は前を向いた。


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