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特務機関はホストクラブ  作者: 宙美姫
第2部 澤崎と凛
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第23話 鉄壁の結界3

チャラ男は焦っていた。

もし凛が今、邪剣を制御でききなかったらどうなる?

澤崎も含め凛も失ってしまうのか?

今ここで二人を失ったら最大のピンチである。


凛に対する嫉妬。

澤崎に対する忠誠心。

自分自身の能力の低さからの憤り。

チャラ男は焦っていた。


「なぜ?」

凛は憮然としていた。

なぜ止める? 

今はそれしかない。


凛は今すぐ澤崎を救いたい。

それは自身の師匠であり、自分の人生の指針だ。

一緒にいたチャラ男が何もできなかったのに何をいう。

チャラ男は澤崎を救いたくないのか?


「違うんだ。あの兄貴だって、澤崎さんだって、

その邪剣を解放した時、怨念の力を制御するのが大変だった。

だから。」

チャラ男はウソを言ってはいなかった。


凛は即反論した。

「僕にできない、って言うの? 僕には無理だと。」

真顔の凛にチャラ男は素直に懸命に説明した。

「違う! もし万が一制御できなかったら!」


チャラ男の指摘は事実である。

だが同時に凛のプライドを傷つけている。

二人の意見はぶつかり続けた。

そして時間だけが流れていった。


「あの。」

水崎泉が声をかける。

「何?」

二人同時に反応する。


「あの、私がやってみましょうか?」

恐る恐る提案する水崎泉。

「え?」

チャラ男と凛がまたも同時に同じ反応をする。


純粋に驚いているチャラ男とは裏腹に、

明らかに疑っている表情を浮かべる凛。

水崎泉が続ける。

「なんか私、無効化できるらしいし。」


その言葉にいっそう疑いの眼差しを浮かべる凛。

こいつにできるのか?

何言ってるんだ、こいつ、何者だ?

露骨にそんな表情を浮かべる凛。


それに比べ、まるで何かを新発見したような表情を浮かべるチャラ男。

「確かに! 渡り姫にできるかもしれない。兄貴もそう言ってたし。」

その言葉に眉をひそめる凛。

それは疑いと嫉妬心がもたらす物だった。


「私、やってみます。澤崎さんを助けたいし。」

水崎泉のその言葉に、我に帰る凛。

そして冷静になるチャラ男。

「渡り姫、お願いします。」


もし彼女が、渡り姫としての水崎泉がこのトバリを突破し開けることが

できなかったらどうしよう。

その場合、撤退するしかないのか。それが最適解か。

チャラ男は彼女に託すしかなかった。


「行きます。」

水崎泉は霊園の正面入り口に立ち、深呼吸をする。

息を呑んで、ゆっくりと一歩一歩前へと進む。

そして封印されている入り口へと到達する。


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