第18話 チャラ男1
「君の命は責任を持って僕が守る。」
この言葉にはすごくインパクトがあった。
まさか水崎泉は凛からそんな言葉が出るとは思っていなかった。
それは水崎泉にとって澤崎から言ってほしい言葉であった。
戦闘の先頭に、凛と水崎泉が出る。
水崎泉が敵の攻撃を無効化する。
水崎泉を狙うモノは凛が守る。
そうして邪剣を手にした凛が澤崎を救う。
基本この編成となった。
だがチャラ男は不満であった。
確かにそうだ。論理的である。
だが自分にもプライドはある。
さすがに前衛を水崎泉と凛の二人にするのは無理があった。
敵を無効化できるとはいえ、水崎泉は『素人』だ。
凛だって、過去の戦闘での病み上がりだ。
『邪剣』をどこまで扱えるかはわからない。
前哨チームが先頭に立ち、サーチと防御、反撃を担当。
その次に『前衛』の水崎泉と凛。
完全武装のチャラ男がすぐその後ろで二人を援護。
そのチャラ男と並ぶ形で、攻撃武装チームが配置。
このような編成となった。
今はこうするしかない。
チャラ男は自分にそう言い聞かせた。
チャラ男は、しかし自身への不満を抱えていた。
* * * * * * * *
チャラ男はチャラ男だった。
だが本当は真面目な性格だった。
彼はヤンチャでヤンキーであった。
だがそれは本心からではなかった。
チャラ男の実家はお寺である。
実家を継がなくてはいけない。
彼には『職業選択の自由』がなかった。
今の仕事は、実はその延長線上にある。
お寺関係の学校に進学。
みな同じような環境の生徒が集まる。だが反抗心もあった。
『自由に好き勝手できる』のは学生時代しかない。
住職や僧侶になったら世間体もある。
全寮制の学校で、夜は抜け出しては遊んでいた。
夏休みや冬休みは時間を作っては好きなことをしていた。
当然友達だっている。
当然友達も似たような境遇だ。
ある日、ウマのあった友達と肝試しすることとなった。
実家がみな、お寺関係であったため『霊感』がある。
ある者は『それがはっきり見える者』。
ある者は『コミュニケーション取れる者』。
千差万別である。
チャラ男も当然『霊感』があった。
だが、会話の流れで誰が一番『能力』が高いか?
それで言い合いになった。
真夜中に話題になった心霊スポットに行って肝試ししよう。
みんな霊感があるし、学校で勉強してるわけだから、
万一何かあっても対応できるだろう。
そこの全員、みな甘く見ていた。
さすが話題になる心霊スポットだけある。
チャラ男を含む学生全員、その場の入り口でそれぞれ嫌な予感を感じた。
だが若さゆえ、無謀である。
だが若さゆえ、不用心である。
誰も途中で止めることを忠告しない。
自分は大丈夫。
無意味な自信で満ち溢れていた。
そしてそれは起こった。




