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特務機関はホストクラブ  作者: 宙美姫
第2部 澤崎と凛
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第17話 予期せぬ凛からの提案

おおかたの手当てが終わり、一安心する一同。

水崎泉は澤崎の次に面識があるチャラ男の様子を見る。

まだこの寮に来て日が浅いの自然にそうなる。

何気なくチャラ男の側による水崎泉。


「大丈夫? チャラ男さん。」

「ああ、色々とごめんね。渡り姫。」

「仕方ないですよ。ケガしてるんだから。」

「なんか俺、渡り姫のこと好きになっちゃうかも?」


水崎泉は悪い気はしなかった。

だが、本命はそこじゃない。

「チャラ男さん、悪いけど、私ホストさんの言うこと信じられないわ。

そう言う営業はお店でしてね。」


その言葉に悲しそうな表情を浮かべるチャラ男。

「さみしいなあ。そんなこといわないでよ。」

「私の本命は澤崎さんなの。」

自身の言葉で、冷静さを取り戻す水崎泉。


「澤崎さんは、どうしたの? 澤崎さんはどこにいるの? お店?」

その言葉にチャラ男の顔が曇ってマジになる。

「兄貴は、澤崎さんは敵につかまった。」

「え?」


血の気が引く、と言うのはこう言うことなのか?

息が苦しくなり、頭がクラクラする。

少し身体が震えているのが自分でもわかるような。

まるで凛の態度と同じように水崎泉も呼吸が乱れガタガタ震えていた。


* * * * * * * *


みんなが澤崎を助けるため準備している。

みんなが鬼公子が築いている領地の『霊園』攻撃の準備をしている。

自分も何かしたい。見ているだけじゃ嫌だ。

水崎泉はそう思った。


「私も何か手伝います!」

水崎泉の提案にチャラ男の顔が曇った。

「いや、気持ちはありがたいが、君には無理だ。」

水崎泉は抵抗する。


「私にできることがあれば、手伝います!」

「しかし。」

「さっきだって私、手伝いました! あなたのことだって!」

「いや、これから戦いに行くんだ。死ぬかも知れないんだ!」


死ぬかも知れない。

水崎泉がこれまで生きてきた人生の中ではあまり聞いたことがない。

だが、仮にそうだったとしても彼女は怯まなかった。

水崎泉は抵抗する。


「私には敵の攻撃が無効化できるんしょ? 私には敵の攻撃が効かないわ!」

水崎泉のその言葉に反論の言葉が出ないチャラ男。

「私が前に出て、敵の攻撃を無効化して見せます! 全部!

そしたらチャラ男さんやみなさん、澤崎さんの救出に集中できるでしょ!」


その声はそこにいる全員が聞こえる声量で響き渡る。

「だから私も!」

チャラ男が必死に反論する。

「いや、前衛は危険だ。君には前衛は無理だ!」


意見が衝突する二人に割って入る者がいた。

「前衛は僕がやる。」

そう言って凛が二人の間に入る凛。

驚くチャラ男と水崎泉。


「前衛は僕がやる。君の命は責任を持って僕が守る。」

凛の言葉に驚く水崎泉。

それは嬉しいのか。

それが悔しいのか。


水崎泉にはわからなかった。

凛とした凛の態度。

まさにその名前の通りの出立ちであった。

凛の手には、澤崎から託された封印された邪剣が強く握られていた。


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