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特務機関はホストクラブ  作者: 宙美姫
第2部 澤崎と凛
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第15話 凛の出生

凛は自分の名前が嫌いだった。

凛という名前はまるで女みたいだ。

確かに名前の通り、凛は女の子として育てられた。

本当は男なのに。


凛は女の子として育てられた。

女の子の服、長い髪の毛。

それらにはちゃんとした理由があった。

だが凛は、女の子としての生活が苦悩であった。


凛には姉がいた。

だが本人に会ったことはない。

凛の家は特殊な家であった。

凛の家に『能力を持つ特別の巫女』が生まれる。


凛の姉はその巫女であった。

だが姉は凛が生まれる前に他界した。

狂気した両親の元に新たに命が生まれる。

だがそれが不幸であった。


凛は男だった。

男の子に『特別な能力』が生まれ得ない。

狂気した両親は『可能な限り』女の子になるよう育てた。

それは凛本人の考えなど無視して。


その願いが叶い『凛』は女の子となった。

その願いが叶い『凛』は『能力を持つ特別の巫女』となった。

それが凛の運命だったのかも知れない。

だがそれは本人の希望など関係なく。


凛の救いは兄の存在であった。

兄と言っても、本当の兄ではない。

遠縁の血族ではあるが。

『兄』の家は分家であったため、簡単には会えなかった。


凛は兄を信じてる。

凛は何があっても兄を信じる。

たとえ親兄弟が異議を唱えようと。

凛の気持ちはやがて『恋心』として形成していった。


邪悪な物どもが凛を襲う。

ほんの一瞬、ちょっとした気の緩みを彼らは隙をついてきた。

見た目女の子の凛が、まるで野獣たちに拐かされるかの如く。

そして助けが入った。


夕日が沈む黄昏時。

凛は自宅の庭で花々を愛でていた時、物陰の暗闇が蠢いた。

気がつくと、黒き異形のものたちが襲いかかった。

そう、凛の持つ『力』を奪い合いたいが如く。


そこへ『兄』が助けに入った。

広き自宅内にあった剣道場で稽古を終えた兄が異変に気がついた。

乱れる髪、飛び散る汗。

兄は手にした竹刀で凛に襲いかかる黒き物どもを排除する。


兄の持つ竹刀は普通の竹刀である。

だが操る者によりその『能力』は増大する。

『悪を滅ぼす剣』と化した竹刀で黒き物どもを払う兄。

凛は救世主たる兄=澤崎に『恋』をした。


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