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特務機関はホストクラブ  作者: 宙美姫
第2部 澤崎と凛
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第12話 諸刃の剣

まるで水の中。

流れる水流のように青白い霊魂が複数流れていく。

それは恨みの言葉を罵りながら。

それは人を小馬鹿にする笑い声のような。


チャラ男は新型装甲と新型武器装着した。

口にマスク。

ゴーグルに情報分析装置。

ボディーアーマーに盾と銃剣。


鬼公子が操る新手の眷属=青い霊魂の数々。

それまでふつうの無邪気のあどけない表情をしていた鬼公子。

今は上目遣いに薄ら笑いして苦戦するチャラ男を見る。

まさに『鬼』公子と言える本領発揮の表情である。


「ねー、おじさん、大丈夫? やっちゃうよ。」

盾と銃剣で必死に防御するチャラ男。

「って、おじさんじゃね! お兄さんって呼べや!」

だがその表情は危機であることを認めている。


「あら、あの時のホストじゃん。あの時、私を見捨てた。」

凶悪蛇女と化したギャルJD、恨めしそうに苦戦するチャラ男に告げる。

「早く澤崎さんを呼びなさいよ。早く!」

もはやチャラ男如きは眼中にないギャルJD。


「澤崎さんが来たら、私の虜にしてあげるからね。

あ、違うわ。澤崎さんは、私の奴隷で下僕ね。永遠に。」

凶悪蛇女と化したギャルJDがその長い舌で舐めずり回す。

「早く澤崎さんの助けを呼びなさいよ。」


幸か不幸か、ギャルJDの願いが叶ってしまう。

この霊園は今、鬼公子たちによって中間ゾーンの領地と化している。

トバリが張られ、普通の人はそこに入ってこれない状況だ。

言わば通行証を持つか、突破する能力の持つものしか入れない。


だが。

「チャラ男! 大丈夫か?」

真夜中になった霊園に張られたトバリを引き裂いて澤崎が助けにくる。

その他の援軍イケメンホストメンバーも一緒だ。

みな新型装甲&新型装備を使用している。


「あらあら、みなさん、ご苦労様。

何? この霊園で私のための出張ホストクラブの開店?

それとも、全員で私と一緒にアフターなの?」

凶悪蛇女のギャルJDが喜びの狂気に支配される。


チャラ男と合流する澤崎。

「兄貴! すみません!」

澤崎はチャラ男の前に立ち、武器を構える。

「言うな。だがナイスだ! よくやった。」


澤崎はそう言って、事務所の金庫から持ち出した『古びた刀』を眼前に構える。

「ほう、それは。」

誰よりもいち早く、鬼公子が反応を示す。

「匂う。匂うね、邪悪な怨念の力。」


「なんでお兄さんがそれを持ってるの? それには僕たちの仲間が閉じ込められてる。

かなり強力な力を持っている、僕たちの仲間。」

一歩二歩、ゆっくりと歩を進める鬼公子。

「返してよ。そして自由にしてよ。僕たちの仲間。」


「兄貴、それは? まさか?」

焦るチャラ男。

だが澤崎はチャラ男の問いかけなど無視して迫り来る眼前の敵に答える。

「できるものなら、取り返してみろ。」


澤崎の顔面に構えた、封印されし古びた刀。

その握る両手から赤いモヤモヤが湧き上がる。

それに呼応するかのように、青白い炎が鞘におさまれた刀剣から湧き出る。

赤いモヤモヤと青白い炎が澤崎の眼前で絡み合う。


暗闇に包まれた霊園の一角に立つ澤崎。

やがてそれは澤崎の全身を包み、赤と青の光が交流して渦を巻く。

地面や空中を振動させるような『不気味な声』が響き渡る。

それは封印されし古びた刀から発せられている。


その光景を見た鬼公子、目を丸くして驚く。

「その刀を本当に抜くの? その刀からものすごい邪悪な怨念を感じるよ。

いいの、本当に? それを眷属として制御行使できる自信があるの?

失敗したら、お兄さん飲み込まれちゃうよ。」


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