第23話 着いたそこは神社の敷地内
着いたのは神社だった。
え? 神社? 何で?
しかもメチャクチャおっきい。
まるで要塞神社。
「びっくりした?」
チャラ男がしたり顔で水崎泉の顔を伺う。
ちょっとその表情が気に入らなかったが、素直に驚いた。
「え、なにこれ? まるで要塞みたい。」
水崎泉のその反応に、チャラ男はまたもやしたり顔で答える。
「そ。ここ要塞神社。何てったて俺たち特殊公務員だから。」
「早く、行くぞ。」
水崎泉の驚きを無視して、澤崎は車を降りて中へと入る。
大きい。
とにかく何もかもが大きい。
神社なのか、要塞なのか?
水崎泉が通う大学とはまた違う大きさであった。
とにかく広い。
通路が大きい。
あれ? この通路、さっき来たような?
似たような通路をどんどん進んでいく。
水崎泉の疑問を察したのか、チャラ男が話しかけてくる。
「さっき通った通路と思ったっしょ。」
チャラ男の問いに、水崎泉は素朴に返す。
「え? あ、はい。なんか似たような通路がいっぱいで。」
これまたチャラ男がしたり顔で説明してくる。
もはやよくわからないのでむかつくどころではない。
「なんか、まるで迷路みたいですね。」
その答えを待っていたかのようにチャラ男が説明する。
「そういう仕組みなんですよ。外敵から身を守るため、
あらゆるところに仕掛けがあって。
君もしばらくここで生活したら、きっとなれると思うよ。」
チャラ男が自慢げに説明してくる。
「カラクリ屋敷みたいなものなんですね。」
水崎泉は前を進む澤崎に向かって話しかけてみる。
だけど返事をしてくるのは相変わらずチャラ男だ。
「よくわかったね。さすがは女子大生。」
まあいい。チャラ男の言うことは軽く長そう。
たしかに水崎泉から見たら、彼らは忍者みたいな物だ。
住んでるところがカラクリ屋敷でもおかしくはない。
だけど自分もこれからここに住むのだろうか。
水崎泉が深く考え込んでいると、思い出したかのように澤崎が声をかけてくる。
やっと澤崎が自分に話しかけてくれた。
そう思って澤崎の顔を見るが、彼の視線は水崎泉をちゃんと見ていない。
「ここが今日から君が住む部屋だ。」
奥の通路の向こうの奥。
水崎泉にはまだこれから自分の部屋の位置がよくわからなかった。
ドアが開く。
そこは新しい自分の世界の部屋。
「とりあえず生活用品一式は用意してある。足りないものがあったらチャラ男に言ってくれ。」
澤崎が淡々と説明する。
「この寮に女の子は君一人なんだけどね。でも他のメンバー全員信用できるよ。」
そう言うチャラ男が一番信用できない。
水崎泉はそう思った。
だが、自分自身のピンチの時に助かったのは、
チャラ男と連絡先を交換していたからだ。
人は見た目で判断してはいけないのかもしれない。
「学校には連絡手配はしてある。
親御さんへの説明は後日ちゃんと当局の者が伺う予定だ。」
澤崎が説明する。
その説明が、あまりにも『説明的』なのが彼女が不満であった。
「俺ら特殊公務員だし、心配しなくてもいいんだよ。」
チャラ男がドヤって説明する。
でも、今日からどうしよう?
学校、いかなくても、いいのかな?
水崎泉が悩んでいると、チャラ男が楽しそうに声をかけてくる。
「さ、みんなで朝飯だ。お腹空いたでしょ?」
確かにお腹が空いた。
安心したからなおさら空腹感が滲み出してきた。
「え? 朝ごはん?」
水崎泉が驚いていると、澤崎はすでに先に進んでいた。
「着いてきて。あなたにはまだ道案内必要だし。」
チャラ男がやさしく声をかけてくる。




