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特務機関はホストクラブ  作者: 宙美姫
第1部 輝エリミネーターズにようこそ!
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第2話 深夜の遭遇

え? やだ、何これ?

中間ゾーンの張り詰める黒い霧の中、魑魅魍魎たちが迫ってくる。

魑魅魍魎たちが女の子=女子大生の水崎泉の腕を鋭い爪でぐいっと掴む。

だが。


「止めて!」

そう叫んだ瞬間、水崎泉の腕を掴んだ魑魅魍魎は黒い煙をあげて消えていく。

「え? なにこれ? ちょっとどう言うこと?」

水崎泉は目の前で起きたことに驚いていた。


そこ光景を見た黒スーツで身を固めた男=澤崎。

今自分の目で見たことに驚きを覚える。

ここは魑魅魍魎が跋扈する彼岸と現世の中間ゾーン。

なぜ彼女は中間ゾーンに入って来れた?


それに今の力は何だ?

女の子の身体に触れようとした魑魅魍魎を無効化した。

澤崎はすぐに悟った。

彼女=水崎泉は何かの力を持っていると。


「おい、そこの君!」

ちょっと距離がある関係で、澤崎は力強く声をかける。

その声量でビクッと驚く水崎泉。

でもそのおかげで、周りの他の魑魅魍魎の注目を集めてしまう。


水崎泉は驚いた。

え? ちょっと待って。ちょっとヤバいて、これ。

周りは魑魅魍魎。これは百鬼夜行。

なのに別方向の先から自分に呼びかける声がする。


見るともうもうと立ち込める霧の中を近づいてくるひとつの人影。

え? 誰?

なんか男の人。

ロン毛で長身細身の男の人。


まあ体格のシルエットは悪くない。

だけどこんな状況でスーツ姿?

気のせいかなんかどこかで見たことあるような見た目。

そうだ! あれよ! ホストよ、ホスト。


てかなんでこんな状況でホストがいるの?

それによくよく見れば、結構イケメンのお兄さん。

首筋や服の袖部分から、それはそれは見事なイラストが見え隠れ。

彫り物、って言ったと思う。


たぶんおそらく確実に闇世界の男。

捕まったら絶対、借金返済売春強要自分は夜の街にお立ち台。

と言うよりも、自分がいる場所すでに闇世界のよう。

まずいわ、絶対これ!


前門の虎VS後門の狼ならぬ、前門の魑魅魍魎VS後門のイケメンホスト。

自分って例え上手いなと思ったけど、今はそんな余裕はない。

魑魅魍魎物の怪に捕まったら、あんな事やこんな事されちゃう。

イケメンホストに捕まったら、あんな事やこんな事されちゃう。


どうしよう? どうする?

逃げたほうがいい? 逃げたほうがいいわ。

水崎泉の意思は決まった。

とにかく両方から逃げる全力ダッシュ!


え? ちょっと待ってよ。

俺は悪者じゃないぜ。

どちらかと言うと、君を助ける正義の味方だ。

なのにどうして逃げるんだ?


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