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特務機関はホストクラブ  作者: 宙美姫
第1部 輝エリミネーターズにようこそ!
17/51

第17話 ギャルJDと鬼公子3

ギャルJDの実家は女系家族であった。

自分と妹、そして母親。

父親が家にいた記憶はあまりない。

外からの見た目は母子家庭そのものであった。


もちろん、親子姉妹でお風呂に入ったことはある。

だがそこに男はいなかった。

まして年下のあどけない男の子などいるわけもなかった。

だから男の子の体を知らない。


もちろん、知識はある。

経験もあったが、良い記憶ではなかった。

だが実際に今、男の子を、男の子を前にしてギャルJDは戸惑っていた。

『男は汚いもの』との過去が今、上書き消去されていく。


シャワーの湯気が霧と化す。

ギャルJDの言葉におとなしく従った男の子は、

Tシャツを脱ぎ半ズボンを脱ぎ、そしてパンツも脱ぎ捨てた。

ギャルJDの目に見たことのない異物が飛び込んできた。


自分たち女性とは体つきが異なる。

自分たち女性にはないものが男の子は所有している。

ギャルJDは興奮する自分を抑えて、男の子を風呂場に連れ込んだ。

「背中流してあげる。さ、座って。」


目の前に小学校3~4年ぐらいの男の子がいる。

おとなしく座っている。

若い男の子の皮膚呼吸が湯気にも負けず伝わってくる。

これまで嗅いだことのない若くて力強い『気』だ。


いい。

いいなあ、これ。

でも、いいよね。

ギャルJDは自分に言い聞かせた。


別に悪いことしてないよね?

だってこの子が助けを求めてきたんだもん。

寒いって言うからお風呂に入れてあげてるんだもん。

ギャルJDは自らの好意を正当化して、シャワーのお湯を男の子の背中に流してあげた。


「ありがとう。お姉さん。」

ギャルJDはその言葉に何か込み上げてくるものがあった。

「お姉さん、やさしいんですね。」

体の向きを変えてギャルJDの真正面に座る男の子。


「お姉さん、とてもきれいですね。

お姉さんが本当のお姉さんだったらよかったのに。」

ギャルJDは理性を固く締め付けた。

そうしないと自分を見失うことを理解していた。


待て待て待て。

私は悪いことはしてないぞ。

良からぬことはしてないぞ。

まだしていない。


裸になった自分の心臓がドキドキしているのがわかった。

自分の体の中で何かが蠢いているのはわかった。

だが、ギャルJDは必死に理性と戦っていた。

「僕、お姉さんの弟になれたらよかったのに。」


その言葉にギャルJDは身体の奥深くから込み上げてくるものがあった。

輝く瞳。華奢な男の子の裸の姿。

たぶん大人になったら、女を泣かす『ワル』になるであろう、その風貌。

ギャルJDは自分の理性を抑えられなくなった。


だが次の瞬間、男の子の身体全体から一斉に黒い触毛が飛び出した。

糸より細く針よりも力強い黒く輝く繊毛は、男の子の身体の肌の毛穴から、

皮膚呼吸する器官から一斉に飛び出し、

目の前にいるギャルJDの身体全身を一瞬で取り込んだ。


黒い繊毛は、ギャルJDの穴という穴へと侵入した。

ギャルJDの目や鼻、耳はもちろん、皮膚の毛穴、

皮膚呼吸の器官から体内へと侵入し、彼女を犯していった。

外からの見た目は、まるで『黒い眉』のようであった。


ずっと流れ続けるシャワーのお湯と湯煙とその音。

顎を引いて不気味な笑顔を浮かべる男の子。

そう、彼こそが、鬼公子であった。

「ま、こうした方が取り込みが早いんで。裸になった方が効率的だし。」


ムグムグと蠢く『黒い繭』。

取り込まれたギャルJDの抵抗の姿なのか、それとも一体化侵食している過程なのか。

それを見て邪悪な鬼公子が呟く。

それがギャルJDの耳に届いていようが届いていないが関係はない。


「君の怨念のパワー、いただくよ。

こうやって眷属を増やしておかないと、あの渡り姫の絶大な力に対抗できないしね。

しかし、全てを無効化できる、あの渡り姫の力。邪魔だな。」

ギャルJDが取り込まれた黒い繭が、不気味にピクピクと蠢いている。


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