第16話 ギャルJDと鬼公子2
ギャルJDの目の前に、Tシャツ半ズボンの男の子が立っている。
見ると年齢は、そう小学校のよう。
3~4年生ぐらいだろうか。
こんな深夜の時間に、なんでまた?
男の子は悲しく寂しそうな目でギャルJDの事に訴えている。
街で見かける、捨て犬捨て猫が寂しそうに訴えかけてくる、あれ。
「ど、どうしたの?」
ゆっくりと歩み寄ったギャルJDは男の子の前で膝をつき、視線を合わせる。
なんか吸い込まれるような清らかな瞳。
疲れを知らないハリの強い瑞水々しい肌。
なんかいいな。若いっていいな。
ギャルJDは素直にそう思った。
自分だってまだ20代前半だけど、さすがにこの若さには勝てないな、と思った。
そんなことはどうでもいい。
ギャルJDは考えられる言葉を足りない頭を使って問いかけてみた。
「僕、どうしたの? 何でこんな時間に外に一人でいるの? 家族を見失って迷子になったの?」
「わかんない。寒い。」
男の子の回答にギャルJDは困惑したが、このくらいの年齢だったらそうかな?と思い会話を続ける。
「寒いの?」
「うん。寒い。」
そうなの?
そうなのかしら。
確かに今は深夜であるけれど、真冬でも春先でも秋でもない。
そんな寒いのだろうか。
「僕の家、どこだかわかる?」
「わかんない。」
寂しそうな表情を浮かべる男の子の顔。
ギャルJDの脳裏にいろいろな思考が張り巡らせた。
「いいから入って。」
ギャルJDは男の子を自分の部屋に呼び入れた。
だって迷子だし。夜遅いし。
それにすごく寒がってたし。
どうしろって言うん?
警察に連絡する?
そりゃまあ、連絡するし。
深夜の夜道、迷子の男の子を保護しただけだし。
別に略取誘拐したわけじゃないし。
そりゃ、男が女児を自分の部屋に連れ込んだら有罪だけど、
私、変な考えないし、たぶん無罪。
迷子の男の子を保護しただけだし。
自分の部屋に呼び入れたギャルJD。
ちょっとは良心の呵責が脳裏に蠢いたが、男の子の寂しい表情を見たら、
余計に頭が混乱してきた。
気がついたら、同担拒否の泥棒猫の事も頭に浮かんでは消え、心は混乱してきた。
Tシャツ半ズボンの男の子。
うーん、いいじゃん、別に悪くない。
自分は悪いことはしていない。
自分はまだ、悪いことはしていない。
気を取り直して男の子に話しかけるギャルJD。
「どう? 大丈夫? 座って。」
その言葉に、幼気な表情を浮かべる男の子が口を開く。
「寒い。」
よくみるとイケメンじゃん。
ちょっとクールで妖しげな2枚目風だ。
これは、すごい拾いものをしたのか? とギャルJDは思った。
続けて「自分は犯罪を犯していない。ただ単に深夜の迷子の男の子を助けただけだ。」
そう信じ込んだ。確かにそうなのだが。
「寒い。」
クールな2枚目の男の子がそう訴える。
ちょっと『ワル』の顔つきの要素も見て取れる。
寒いと主張続ける男の子に、ギャルJDは同然の流れの答えを出した。
「お風呂入る? 温まるわよ。」
クールで2枚目でワルの風貌も見せる男の子はそれに従った。
「うん。お姉さんと一緒に入る。」




