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第六話 解放

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セリアは固まっていた。


目の前の少女――ロゼッタ。


八歳。


しかし今、彼女は言った。


「これでフラグは絶対に立たなくなった、


 私はゲームから解放された」


(……転生者)


セリアの背中に冷たい汗が流れた。


自分と同じだ。


前世の記憶を持っている。


そして。


その行動力。


セリアは改めてロゼッタを見る。


(すごい)


孤児院は一つではない。


この王都だけでも何軒あるのか分からない。


その中から


ピンク髪の光魔法の使い手


を探し出したのだ。


しかも。


孤児院から買い取った。


(貴族ってすごい)


いや。


セリアは首を振った。


(いや違う、


 自分が貴族スタートでも、


 同じことできる気がしない)


何てったって。


八歳なのだから。


そのときだった。


ロゼッタが急に焦った顔になった。


「あ、ちょっと待って」


ロゼッタは慌ててセリアに近づく。


「爺やに、私が変な独り言を言ったって言わないでね」


そして小声で続けた。


「本当にあなたには関係の無い、


 関係なくなった話なのよ」


セリアは黙っていた。


するとロゼッタはさらに言う。


「爺やに言いつけたら、


 おやつ抜きにするから」


セリアは思った。


(おやつ?


 この家、おやつも出るの?)


すごい。


孤児院ではあり得ない。


(いや待って)


爺やは言っていた。


三食出る。


つまり。


(おやつが出るのは、


 お嬢様だけ?


 貴族すごい)


セリアは首を振った。


(いや、


 今それじゃない)


セリアは静かに言った。


「転生者?」


ロゼッタが固まった。


「は?」


セリアは続けた。


「しかも、


 ライトオブクラウン・光の乙女は魔導学園で恋を知る、


 を知ってる転生者」


ロゼッタの目が大きく開いた。


「ライクラの副題まで知ってるって」


そして一歩下がった。


「あなたも転生者?」


次の瞬間。


ロゼッタの顔が青ざめた。


「は!爺やには内緒よ!」


セリアが瞬きをする。


ロゼッタは必死だった。


「私が狂人だと思われちゃう!


 爺やは宰相家の人なの!


 婚約破棄されちゃう!


 そしたらウチのエーデル男爵家は潰れちゃう!


 借金がすごいの!」


ロゼッタは腕を組んだ。


「ゲームには描かれてなかった設定だから、


 びっくりしちゃうでしょう」


セリアは本当にびっくりした。


(そんな設定あったの?)


セリアはバッドエンドCG担当だ。


そんな細かい設定は知らない。


(ディレクターなら知ってたのかな)


セリアは小さく言った。


「一ヶ月前、


 熱を出したとき、


 前世の記憶が戻って」


ロゼッタがじっと見る。


セリアは続けた。


「前世、


 ゲームの制作者だったんです」


ロゼッタの目がさらに大きくなる。


セリアは小さく言った。


「バッドエンドCG担当でした」


一瞬の沈黙。


そして。


ロゼッタが小声で叫んだ。


「制作者!?


 全ての元凶!」


セリアは慌てて手を振った。


「いや!


 だからバッドエンドCG担当なので!


 シナリオとか!


 設定とか!


 そこはかとなくしか分からなくて!

 すみません!」


ロゼッタは黙った。


じっとセリアを見る。


セリアは深く頭を下げた。


「とにかく、


 私のバッドエンドまで回避してくださって、


 ありがとうございます、


 ロゼッタお嬢様」


ロゼッタはしばらく黙っていた。


そして小さく言った。


「……とにかく、


 爺やにはバレないようにして」


セリアが顔を上げる。


ロゼッタは真剣だった。


「爺やは、


 宰相家からの刺客だから」


セリアが固まる。


ロゼッタは続けた。


「わたし、


 監視されてるの」


部屋の空気が静かに張り詰めた。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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