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第三十話 さらに不幸に

5時30分と17時の2回更新しています。

よろしくお願いします。


本日も読んでいただきありがとうございます。

もし楽しんでいただけましたら、ブックマークや下の★から評価をいただけると励みになります。




懇親会は続いていた。


紅茶の香りが静かに部屋に漂う。


カイゼルがふと口を開いた。


「ティアナの話が出たから言っておく」


そう言うと、軽くため息をつく。


「セイント・サーキット教団の取り締まりは、簡単ではなくなった」


ロゼッタが首を傾げる。


カイゼルは続けた。


「女王派閥の資金源だった」


ロゼッタの目が丸くなる。


「女王派閥の資金源……?」


カイゼルは頷いた。


「それだけじゃない。


教団には未来視ができる魔法使いがいる」


セリアが思わず声を出す。


「未来視?」


カイゼルは苦い顔をする。


「何をしても先回りされて証拠が消される。


動くたびに必ず一歩先を行かれる」


ロゼッタが言った。


「未来視の魔法が使える人は……


 王家の未来視部隊に強制入団のはずです」


カイゼルは頷いた。


「わかっている、


 だからこそ問題なんだ」


彼は静かに続けた。


「未来視の魔法使いを隠している、

 

 それだけで国家反逆罪だ」


セリアが小さく言う。


「そんなに重い罪なんですか」


カイゼルは真顔で答える。


「未来視は国家の武器だ、


 それを私的に囲うということは、国家に牙を向けるのと同じだ」


ロゼッタが呟いた。


「そんな設定……


 あのゲームにありました?」


セリアは首を傾げる。


「うーん……


 ディレクターがそこまで考えていたとは思えないです」


ロゼッタが聞く。


「ディレクター?」


セリアは苦笑した。


「キャラクター原案者としょっちゅう喧嘩してました。


 それしか印象にないです」


カイゼルが少し興味深そうに聞く。


「喧嘩?」


セリアは頷いた。


「喧嘩した後ですね。


 原案者が気に入っていたティアナのバッドエンドが、


さらにひどくなったんです」


ロゼッタが目を瞬かせる。


「さらに?」


セリアは顔をしかめた。


「ロリコンのあぶらぎった教祖はサド設定追加だー、とか言い出して、


 急なリテイクを、


 完全に八つ当たりでした」


ロゼッタが引いた声を出す。


「サド……?


 それは知らない……」


セリアは肩をすくめる。


「ボツになる前提のバッドエンドでしたし。


 キャラクター原案者に見せる専用のやつです」


カイゼルが眉をひそめる。


「原案者に見せる専用?」


セリアはさらっと言った。


「青年に見学させながらサドプレーを楽しむ、


 あぶらぎった教祖と、


 絶望するティアナ、


 そんな内容でした」


一瞬、沈黙。


ロゼッタが顔を押さえた。


「聞きたくない……


 ひどい……


 最低……」


セリアは続ける。


「結局、18禁CGになって没になりました、


 でもディレクターは自慢してましたよ、


 カルト教団の重要な隠し要素だって」


カイゼルが呟く。


「カルト教団の重要な隠し要素?」


セリアは頷いた。


「ええ、青年の名前まで教えてもらいました」


カイゼルは少し考え込む。


「……なんだかなあ」


ロゼッタが聞く。


「どうしたんですか?」


カイゼルは小さく笑った。


「いや、


 ゲーム会社って、


 ドロドロしてるんだな」


セリアは苦笑した。


「まあ……会社によるでしょう。


 ライクラはクソゲーですから、


 開発会社も荒れてたんじゃないですか?」


懇親会は、まだ続いていた。


しかしこの時、

三人はまだ気づいていない。


その「青年」が、

本当にこの世界に存在しているかもしれないことを。




5時30分と17時の2回更新しています。

よろしくお願いします。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

もし楽しんでいただけましたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。

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