第二十話 専属侍女
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ジャガイモが流通に乗り、領地の収穫は安定して買い取られるようになった。
その結果――
エーデル男爵家の財政は、久しぶりに余裕を取り戻していた。
王都の屋敷の執務室。
男爵と男爵夫人は、珍しく穏やかな顔で話していた。
男爵が言う。
「ロゼッタちゃんに専用の侍女をつけられるくらい余裕ができたね」
ロゼッタの教育費は宰相家から出ていた。
爺や以外の使用人の費用は出してくれていない。
教育に関係ないからだ。
男爵夫人は嬉しそうに微笑んだ。
「ロゼッタちゃん、喜ぶわ」
少し考えてから続ける。
「でも、まずは爺やと相談しましょう」
男爵は頷いた。
「そうだね」
夫人はしみじみと言う。
「私たちが領地で借金に追われていたとき、
王都でロゼッタちゃんを育ててくれていたのは爺やなのだから」
男爵も深く頷いた。
「エーデル家で一番ロゼッタちゃんのことを分かっているのは、爺やだ」
こうして、爺やが呼ばれることになった。
⸻
しばらくして、執務室に爺やが入ってくる。
男爵は話を切り出した。
「ロゼッタちゃんに専属侍女をつけようと思うんだ」
爺やは一瞬も迷わず答えた。
「セリアを推薦します」
男爵と夫人は顔を見合わせた。
爺やは静かに続ける。
「光魔法、
しかも高魔力、
孤児院出身ではありますが――問題ありません」
少しだけ口元を緩める。
「光魔法の使用人を連れていることは、貴族社会では一つのステータスです」
男爵は腕を組んだ。
「なるほど」
爺やはさらに続ける。
「ただし、
孤児院出身です、
侍女としての教育は必要になります、
礼儀作法、
そして光魔法の制御方法、
その教育を受けさせなければなりません」
男爵はすぐに言った。
「新しく光魔法を使う侍女を雇うより安く済む」
男爵夫人も頷く。
「そうしましょう」
こうして決まった。
⸻
翌日。
爺やはロゼッタと一緒にいるセリアを近くに呼ぶ。
爺やは静かに言った。
「セリア、
ロゼッタお嬢様の侍女になりなさい」
セリアは目を丸くした。
「え?」
爺やは続ける。
「明日から侍女教育を始めます、
そして光魔法の教育も」
ロゼッタが跳び上がった。
「やったー!
セリアが侍女になるの?
お茶会に一緒に出れる!」
セリアは少し呆然としていた。
そしてぽつりと言った。
「孤児院から引き取られて、
小間使いになって」
少し空を見上げる。
「今度は侍女か」
小さく笑う。
「人生って変わるもんだなあ」
ロゼッタはセリアの手を握った。
「勉強頑張って、お茶会に付き添って」
セリアは笑った。
「はい、お嬢様」
こうして――
セリアの新しい人生が始まった。
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