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第十七話 六番目の花嫁

5時30分と17時の2回更新しています。

よろしくお願いします。


本日も読んでいただきありがとうございます。

もし楽しんでいただけましたら、ブックマークや下の★から評価をいただけると励みになります。




エーデル男爵家の応接間。


テーブルには紅茶と菓子。


そして向かい合う二人。


カイゼルとロゼッタ。


……のはずだった。


なぜかそこにセリアもいる。


セリアは一歩下がり、ぺこりと頭を下げた。


「では、あとはお若いお二人で」


カイゼルは即座に言った。


「お前が一番若いだろう」


少し呆れた顔をする。


「ていうか、そのネタもうやった」


セリアは肩をすくめる。


カイゼルは続けた。


「話が聞きたいからわざわざここに来たんだ」


そして指を指す。


「お前も話せ」


セリアは困った顔を作る。


「やだなぁ、

 

 恋人達の逢瀬を邪魔するみたいで」


カイゼルは真顔で言った。


「手紙ではカミラに気をつけろとしか書いてなかった、


 それだけじゃ分からない」


セリアは小さく言った。


「転生者って書けないですもんね」


カイゼルは止まった。


「……なに?」


少し身を乗り出す。


「本当か?」


セリアは頷いた。


そして静かに話し始めた。


ジャガイモ。


保存方法。


流通。


販売戦略。


九歳の子供が考えるにはあまりにも完成された計画。


それをカミラが提案したこと。


セリアは説明した。


カイゼルは腕を組む。


「なるほど」


そして小さく言った。


「確かに怪しい」


ロゼッタはあっさり言った。


「でも」


二人はロゼッタを見る。


ロゼッタは続けた。


「主人公のセリアがここにいるでしょう?」


セリアは瞬きをした。


ロゼッタは当然のように言う。


「つまり、


 カミラのバッドエンドは起きないわよね?」


そして結論を出した。


「放置でよくない?」


カイゼルは聞いた。


「ゲームの主人公が商人ルートでハッピーエンドを迎えた後の


 カミラのバッドエンドは何だ」


ロゼッタはさらっと言った。


「六番目の花嫁」


沈黙。


ロゼッタは続けた。


「王弟殿下の六番目の花嫁になって、


 薬でじわじわ弱らされて、


 死ぬの」


応接間が静まり返った。


セリアがぽつりと言う。


「ナイチンゲール症候群の王弟殿下は」


二人が見る。


セリアは遠い目をした。


「何故か妻か次々と病床に倒れる、


それを献身的に支える、


可哀想な自分に酔うんです。


 本当は自分が毒を飲ませている癖に」


ロゼッタは頷く。


セリアは続けた。


「耽美な感じになるように


 何度もリテイクしたなあ」


遠い目。


カイゼルは言った。


「……なにそれ」


少し顔をしかめる。


「恐ろしいな」


そしてすぐに真顔になる。


「いや、まて、不敬罪だ」


二人を見る。


「王弟殿下は結婚していない」


ロゼッタは指を折る。


「私たちまだ九歳


 魔法学校卒業は十八歳」


少し考える。


「あと九年」


小さく言った。


「その間に五人が犠牲に……」


カイゼルは首を振った。


「だが、始まってもいない殺人は取り締まれない」


そして少し考える。


「防ぐとしたら、


 王弟殿下か……」


少し苦笑する。


「無理だな」


セリアはぽつりと言った。


「宰相家の権力でも無理ですか」


カイゼルは答えた。


「一つできることはある」


二人が見る。


カイゼルは言った。


「王弟殿下の妻の死因を必ず調べる。


 一人目から殺人とは限らない、


 だが、


 調べる価値はある」


ロゼッタはあっさり言った。


「王弟殿下のことは置いておいて」


二人はロゼッタを見る。


ロゼッタは続けた。


「カイゼル様がカミラを警戒してくれたら、


 私は安心できます」


カイゼルは聞いた。


「安心?」


ロゼッタは小さく言った。


「カミラはカイゼル様に異様に興味を持ってるので、


心配なんです」


カイゼルは少し黙った。


そして言った。


「カミラか」


机に指を置く。


「少し調べた」


セリアは顔を上げた。


カイゼルは続けた。


「カミラの家は今回のジャガイモの件で、


 ラウレンツ男爵家と繋がった」


セリアは聞いた。


「ラウレンツ男爵家?」


カイゼルは言った。


「商人の攻略対象、


 アルベルトの家だ」


セリアは小さく言う。


「つまり」


カイゼルは頷く。


「ゲーム通りなら


 カミラとアルベルトが婚約する」


ロゼッタは首をかしげた。


「それなら普通じゃない?」


カイゼルは静かに言った。


「ノルディア子爵は野心家だ」


少し間を置く。


「今回の流通で商売は繋がった。


 なら、


 婚約は必要ない」


セリアは首をかしげる。


「はい?」


カイゼルは続けた。


「ラウレンツ男爵家は大商家だ。


 だが、


 所詮は男爵家」


そして言った。


「ノルディア子爵がもっと上を狙うなら」


ロゼッタが呟く。


「まさか」


カイゼルは言った。


「王弟殿下」


セリアが固まる。


カイゼルは続けた。


「カミラを、


 王弟殿下の一番目の妻にする」


沈黙。


カイゼルは静かに言った。


「つまり、


 六番目の花嫁が、


 一番目になるかもしれない」


セリアは呟いた。


「……順番」


ロゼッタが言う。


「繰り上がる」


三人は黙り込んだ。


そしてセリアは思った。


(ライクラ、


 思っていたより、


 ずっと危ないゲームかもしれない)


カイゼルが言った。


「俺に任せて欲しい」




5時30分と17時の2回更新しています。

よろしくお願いします。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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