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第十六話 疲れ切ったお嬢様

6時30分と17時の2回更新しています。

よろしくお願いします。


本日も読んでいただきありがとうございます。

もし楽しんでいただけましたら、ブックマークや下の★から評価をいただけると励みになります。




ロゼッタは疲れ切っていた。


初めてのお茶会。

予想外の質問攻め。


しかも――


全部カイゼルのこと。


そしてさらに。


セリアからもたらされた衝撃の情報。


カミラが転生者。


ロゼッタはソファに沈み込んだ。


「びっくりしたわ……」


セリアはロゼッタの隣で紅茶を淹れようとしている。


ロゼッタは続けた。


「転生者って聞いてびっくりしたけど……」


少し考える。


「それがどうかした?」


セリアは眉を上げた。


ロゼッタは言った。


「私のバッドエンドには関係ないし」


そして結論を出した。


「放置しましょう」


セリアはため息をついた。


「お茶会でカイゼル様のこと質問攻めにされたんでしょう?」


ロゼッタはむっとする。


「されたけど」


セリアは言った。


「カイゼル様狙いでは?」


ロゼッタは即答した。


「ないない」


セリアは首をかしげる。


ロゼッタは腕を組んだ。


「孤児院では知らないかもしれないけど」


少し誇らしげに言う。


「貴族の間では有名な話なの、

 

 四属性持ちで高魔力の私、


 それ狙いで宰相家が政略結婚したって」


セリアは静かに聞いていた。


ロゼッタは続ける。


「つまりね、


 貴族の間では有名なの、


 この婚約」


そして言い切った。


「入る隙間ないの」


セリアは少し考えた。


「政略婚約が有名なんでしょう?」


ロゼッタは頷く。


セリアは言う。


「なら逆に、


 学生の自由恋愛期間狙いとか」


ロゼッタは固まった。


「ちょっと」


沈黙。


「……いや、


 ないない!」


顔を赤くして言った。


「だって!


 私のこと大切にするって言ったもん!」


セリアはすぐ謝った。


「ごめんなさい」


そして真顔になる。


「でも、グイグイ近づいてくるカミラが不気味なのは確かです」


ロゼッタは腕を組んだ。


「そうね」


しばらく考えてから言った。


「いいこと考えた」


セリアは嫌な予感がした。


ロゼッタは言う。


「カミラに手紙を書く」


セリアは目を細めた。


ロゼッタは続ける。


「それをあなたが届ける」


セリアは言った。


「無理です」


ロゼッタは聞こえなかったふりをする。


「手紙の返事をもらってくるように言うの、


 そして手紙には日本語で」


セリアは顔をしかめた。


ロゼッタは楽しそうに言う。


「お前が転生者だと知っているぞ、


 狙いは何だ、


 使いの者に全部話せ」


セリアは言った。


「爺やが検閲します」


ロゼッタは得意げに言う。


「だから日本語なのよ」


セリアは冷静だった。


「だから、


 意味不明な文字が書かれてたら、


 爺やが許可出しません」


ロゼッタは固まった。


セリアはさらに言う。


「それに、


 私は小間使いです、


 お茶会にも出られないのに、


 子爵家にお使いなんて、


 無理があります」


ロゼッタは不満そうに言った。


「なによ!


 否定ばっかり!」


そして怒る。


「何か代案出しなさいよ!


 社会人なら言われたでしょう!」


セリアは落ち着いて言った。


「カイゼル様に手紙を書きましょう」


ロゼッタは止まった。


セリアは続ける。


「男爵家が借りを作った家から、


 あなたのことを執拗に聞かれました、


 カイゼル様のことだから大丈夫だと思うけれど、


 ノルディア子爵家のカミラに気をつけてください」


ロゼッタは少し黙った。


「……そうか」


小さく呟く。


「カイゼル様を頼るのか」


そして背もたれに沈んだ。


「しんどい……疲れた……」


セリアは黙っていた。


ロゼッタはため息をつく。


「でも、こういうのは、


 早い方がいいもんね」


そして立ち上がった。


「今から書く」



ロゼッタは机に向かった。


そして――


カイゼルへ手紙を書いた。


内容は。


ほとんど。


ラブレターだった。


「いつも勉強お疲れ様です。


 体調は大丈夫でしょうか。


 次のお茶会を楽しみにしています」


そんな文章が続く。


そして最後に。


少しだけ。


「ノルディア子爵家のカミラ様が、


 あなたのことをとても気にされていました。


 カイゼル様のことだから大丈夫だと思いますが、


 少しだけ気をつけてください」


そう書かれていた。


爺やはそれを検閲した。


そして――


少し赤くなった。


「……お嬢様、


 これは」


ロゼッタは言った。


「普通の手紙よ!」


爺やは静かに言った。


「……そうですね」



それから数日後。


月に一度の。


カイゼルとの懇親会の日が来た。


本来なら。


今回は。


宰相家で行われる予定だった。


しかし。


エーデル男爵家で行われる事になった。


懇親会のすり合わせの手紙にはこう書かれていた。


「今回の懇親会、


 ぜひ、


 エーデル男爵家で行いたい」


カイゼルの署名だった。


6時30分と17時の2回更新しています。

よろしくお願いします。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

もし楽しんでいただけましたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。

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