第十四話 お茶会という名の尋問
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ノルディア子爵家からのお茶会。
一度目は断ることができた。
家同士のしがらみがなかったからだ。
しかし今回は違う。
エーデル男爵家はノルディア子爵家に救われた。
領地の作物の流通。
保存設備。
販路。
そのすべてを整えてもらった。
つまり――
恩義がある。
断れない。
セリアは腕を組んで言った。
「とはいえ、
ロゼッタお嬢様と私のバッドエンドは回避できてますよね」
ロゼッタは頷く。
「そうね」
セリアは続けた。
「カミラのバッドエンドはアレですし
私たち関係なくないですか?」
ロゼッタは少し考えてから言った。
「それはそうね」
そして急に胸を張った。
「でも!これで!
淑女教育がいかせるわ!」
セリアは瞬きをした。
ロゼッタは拳を握る。
「従兄弟を飛ばしてのお茶会デビューだけど!
うまくやってみせる!」
少し声が小さくなる。
「魔力暴走も……五年してないし
だ、大丈夫なはずよ?」
セリアは呆れた顔をした。
「あ、そっち心配してたんですね」
ロゼッタは首をかしげる。
セリアは言った。
「バッドエンド回避の方かと思いました」
ロゼッタは真顔で言った。
「それはもう大丈夫でしょ」
セリアは思った。
(本当にそうかな)
そしてお茶会当日。
場所はエーデル男爵家。
理由は単純だった。
ロゼッタの魔力暴走対策である。
もし何か起きても被害が最小で済む。
ロゼッタの隣には爺やがいた。
当然のように。
セリアは今回はいない。
お茶会に出せるほど行儀が良くないからだ。
そして今回は
ちゃんとした年上の侍女が付いていた。
そもそもセリアがカイゼルとの親睦会に出られたのは――
カイゼルが指名したからである。
普通はありえない。
そんなことを考えているうちに、
カミラが部屋へ入ってきた。
黒髪のボブ。
灰色の瞳。
メガネ。
九歳とは思えない落ち着いた雰囲気。
カミラは美しいカーテシーをした。
「カミラ・ノルディアと申します。以後お見知り置きください」
ロゼッタは固まった。
それでも必死にカーテシーをする。
「ロゼッタ・エーデルです」
そして沈黙。
沈黙。
さらに沈黙。
爺やが静かに言った。
「お二人とも、どうかお座りください」
ロゼッタはハッとした。
「あ、本日はエーデル男爵家にようこそおいでくださいまして、ありがとうございます。
領地の作物を流通に乗せてもらったと、両親共々ノルディア子爵家に感謝しております」
暗記した挨拶だった。
カミラは微笑んだ。
「いえ、私の家にも良い話でしたので
これもご縁でしょう」
そして突然言った。
「ところで、
カイゼル様はどんな方ですの?」
ロゼッタは固まった。
「え?」
カミラは身を乗り出した。
「ええい、じれったい、
黒髪、銀目の美少年って聞いてますわ」
ロゼッタは瞬きをする。
カミラは続けた。
「今の宰相様もナイスミドルでかっこいいですけど、
あなたはどちらが好みですの?」
ロゼッタは完全に混乱した。
「は?」
カミラはさらに詰め寄る。
「両方ともお会いになったことがあるのでしょう?」
ロゼッタは小さく言った。
「か、カイゼル様が良いと思います」
カミラは目を輝かせた。
「ですよね!」
そして言った。
「カイゼル様の好みの色とか、
好きな食べ物とか、
教えてください」
ロゼッタは助けを求めて爺やを見る。
「えっと……その……爺や?」
爺やは無言だった。
そして静かに首を振る。
目で言っていた。
(頑張りなさい)
ロゼッタは思った。
(これ……
カイゼル様狙いでは?)
答えるのも鬼門。
回避するのも鬼門。
その日。
ロゼッタは延々と
カイゼルについての質問攻撃を受けることになった。
お茶会が終わったあと。
ロゼッタはその話をセリアに愚痴った。
「助けてほしかった……」
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