第十話 招待状
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カミラ・ノルディア子爵令嬢から
エーデル男爵家へお茶会の招待状が届いた。
家同士のつながりがないにも関わらず。
深まる謎。
しかし。
それはあっさりと断られた。
断ったのは――
爺やだった。
その話を聞いたのは、セリアとロゼッタが二人きりになったときだった。
セリアは思わず声を上げた。
「なんでやねん」
エセ関西弁で突っ込みを入れた。
ロゼッタは肩をすくめた。
「私の魔力暴走が原因だって」
少しだけ不満そうな顔をする。
「最近は安定してるけど、初めて会う人と会って暴走するかもしれないって。
だからカイゼル様との親睦の様子をもう少し見てから、従兄弟とのお茶会から始めるって」
ロゼッタは続ける。
「子爵だとあっちが立場上だし」
セリアは腕を組んだ。
「なるほど、
魔力暴走しても従兄弟ならなあなあになるけど、子爵だと面子の問題で訴えられると」
ロゼッタは苦い顔をした。
「そういうこと」
そして少し考え込む。
「それにしても、
なんでエーデル男爵家にお茶会の誘いを出してきたのかしら」
セリアはすぐに答えた。
「エーデル男爵家はカイゼル様と婚約してますからね、
今から知り合っておけば宰相家と繋がれると思ってるんじゃないですか?」
ロゼッタは顔をしかめた。
「ありうるけど、
やな話ね」
貴族の付き合いはだいたいそんなものだ。
損得。
立場。
繋がり。
ロゼッタは机に頬杖をついた。
「それにしても子爵家か、
面倒くさそう」
セリアは黙っていた。
お茶会を断った理由は理解できる。
むしろ自然だ。
だが。
つながりのない子爵家からのお茶会の誘い。
セリアの胸の中に、少しだけ引っかかるものがあった。
(本当にそれだけ?)
ライクラの知識にはない出来事。
そして。
カミラ・ノルディア。
攻略対象アルベルト・ラウレンツの婚約者。
偶然にしては、少し出来すぎている。
セリアは静かに思った。
(……なんか、
嫌な予感がする)
ロゼッタはそんなセリアの様子に気づかず、紅茶を一口飲んだ。
「まあいいわ、
断ったんだし、
もう関係ないでしょ」
セリアは小さく頷いた。
しかし。
その予感は、後になって
間違っていなかったことを知る。
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