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またまた猫又、以下潜り。  作者: ネコヌコニャンコ


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第十四話

続き書きました




 着替え終わって体育館へと向かうと、なんとなく視線を感じる。


 仕方ない。どうやっても耳と尻尾を引っ込めることができなかったのだ。注目くらいは集めると思ってる。


 とはいえ、どことなく違う種類の視線も感じる。う〜ん、苦手な質の視線だなぁ……


 視線のくる方向を睨むと、そそくさと目を逸らす男子共。尻尾用の穴作るべきだったかも。


 ちなみに、ズボンの裾から尻尾は出てるんだけど、そのせいで尻尾を動かすとズボンが脱げそうになるんだよね。


 というか裾持ち上がって高い位置にまで足が見えちゃってるし。


 彩奈からも視線感じるけど、もはやいつものことなので気にしない。流石に着替えの時にジロジロ見られたら気になるけど。


 でもねぇ…尻尾を出す位置がもっと高いとズボンが確実に脱げちゃうから、一番安定するのはこの出し方なんだよねぇ……


 周りの視線がやっぱり痛い。自然と俯きがちになってギュッと膝を抱えて座る。


 尻尾や耳が動くたびにその数も増えるし……猫以上に猫みたいな興味の持ち方してるじゃん………


「ねぇ海莉ちゃん、今のその状態で体力テストは危ないんじゃない?記録的な意味でさ。」


 彩奈がそんなことを言ってくる。もちろんわかってる。下手したらとんでもない記録になると。


「そうにゃんだけど、体調悪くにゃいのに休むのは嫌っていうかにゃぁ……」


 真っ直ぐな視線で目を合わせてくる彩奈が気まずく、少し目を逸らし気味に答えてしまう。


「別に体調悪くなくてもいいんだよ?僕もたまに休んでるし。めんどくさいとき。」


 うん、まぁそれは知ってたけど…たまにっていうほど仮病使ってないでしょ彩奈。精々2ヶ月に一回くらい。サボってるとはいえないよね。


 ともかく、私は休みたくないの。体調いい時は特にね。悪かったら休むけどさ。


 チャイムが鳴った。先生がまだ来ない。


 それまでは騒がしくみんな喋っていた。私も喋ろうとは思ったけど、口を開くのを待ってる、近くの視線を考えると、やっぱりやめることにした。


 5分ほどしてようやく先生らしき人が来た。


 どこか神秘的に白みがかった金色の髪に、見るものを吸い寄せるような紅と金が混じったような不思議な瞳、そして、柔らかい雰囲気を持っているのに、一瞬の隙もなさそうな鋭い雰囲気も持っている。


 その人は遅れてきたのにも関わらず、悪びれる様子はなさそうだ。


「いやぁ、待たせてしまったな皆の衆。」


 風鈴が鳴ったかのような透き通った声で一言。それだけで不思議とみんな静かになった。


 新しい先生というだけで盛り上がるイベントのはずなのに、誰も一言も発しない。


 その人は全体的に生徒の顔を見回して、私と彩奈、そして少し離れた位置の誰かを見た後、自己紹介を始める。


「今日から皆に保健体育を教えることになった、矢咲やざき 狐火こびじゃ。しばらくの間よろしゅう。」


 そして狐火先生はウインクをかました。全体が別の意味で静まり返る。


「せんせ〜、その喋り方見てて痛いで〜す。」


 男子の誰かが狐火先生に向かって言った。


「い、痛い…じゃと……!?我元来の喋り方だというのに。」


 見た目は20代前半くらいの若々しい見た目なのに、私のおじいちゃんみたいな喋り方なのが少し面白い。

 しかも顔を赤くして少し不機嫌そうに頬を膨らませている。


 どこか見た目と言動がバラバラな様子に、少し違和感を覚える。まるで無理してそうしているような……


 まぁ大方、キャラ付けしようとしてから回ったみたいな理由が想像つくんだけど。


「そんなよく分かんない喋り方するよりは、普通に喋ってた方がいいですよ?」


 先ほどの男子生徒が続けて狐火先生を言葉で殴る。

「ふ、普通だと…!?最近の若者は雅な話し方が好きなのではないのか…!?」


「いや別にそんなことはないし、別に雅でもないですよ?」


「そ、そうなのか……我は誠に遺憾じゃぁ…」


「なに?先生厨二病?」


「ちゅ、厨二病と違うわ!」


 一気に笑いが起こる。そして、狐火先生は頭を抱えて何かを呟いてる。


 なんか、あからさまに凹んでる。まるで大きなジェネレーションギャップを感じているかのようだ。


「もういい。今日は体力テストをすると聞いておる。ここに道具はあるから各自、室内でできるものをやってくれ。」


 え〜、と一同から声が上がる。


 なんか狐火先生、投げやりになってない?まぁ、やり方はわかるからいいんだけど。


 彩奈とペアになってまずは握力器を手に取る。なんとなくいい点数出せそうだから。


 流石にこれなら力が制御できなくて壊してしまうなんて展開もないと思う。


 私は力一杯握り、数値を確認する。


 私は目を擦った。見間違いじゃないか、何度も見直す。


 しかしやはり間違いはないようで、その記録を口に出す。


「よ、よ、四…?握力四キロ…?」


 そうとてつもなく低かったのだ。


 続いて左手でも握力を測るが、こちらは五キロだった。そして2度目の計測も同様。


 どういうこと?力が制御できないというより、出せなくなってる?いやでも、朝は出過ぎてたし……


 色々と出鱈目になってる体の出力に困惑しながらも、考えるのはやめて彩奈の計測を見守る。


 ふんぬぅぅぅと、顔を赤くしながら精一杯力を込めて握っている。そのせいで耳と尻尾がピョコンと飛び出してきた。


 彩奈が手を離すと、記録は三十四キロ。女子の平均に比べるとかなり高いが、妖家の力もあるので、妥当と言えば妥当だと思う。


 左手は二十八キロほど。かなり差があったね。


 2度目以降は、それよりも低い記録となった。全力でやったってことだね。


 ふと、狐火先生の方を見てみると、必死に教科書を確認しながら長座体前屈の正しい姿勢を指導したり、反復横跳びのフォームについて教えてる。


 その結果、前後で記録が大きく異なっており、伸びているのはかなりいい指導と言えるだろう。


 私たちも反復横跳びを始めようとした時、問題が発生した。


「あにゃ?これってにゃんびょうだったかにゃ?」


「ん〜とねぇ、20秒か30秒だと思うよ。」


 いや、それが分かんないから聞いてるんだけど……はぁ、教科書が体育館の反対端にあるから取りに行かないと。


「30…いや、20秒じゃ。」


 どこから聞いていたのか、教科書をめくりながら狐火先生が近づいてきた。彩奈が少し残念そうな顔をする。何故。


「なんなら測ってもよいが、どうする?」

 狐火先生がストップウォッチをヒラヒラと見せてくる。


「お願いしますにゃ。」


 もはや語尾なんて気にしなければ相手も気にならないだろうと、最低限とはいえ開き直って口を開いたが、それは悪い選択だったようだ。


 狐火先生が目を光らせて私の顔の目の前まで近づく。


「ほほぅ、やはり後遺症が残っておるか。10年前となんら変わってないと見える。じゃが、少しばかりはマシなようじゃな?」


 彩奈と共に警戒体制に入る。もちろん、周囲にもなるべく警戒して。


「待て待て待て早まるな。我は雅爪の幼馴染じゃ。海莉、お主の装備を作った本人でもある。」


 突然と明かされ、私と彩奈の目は点になるしかなかった。


続きを書きました。久々の投稿になって申し訳ありません。新しく登場した狐火さん、この人は僕の好きな喋り方をごちゃ混ぜにしたらこうなりました。何故でしょう…

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