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21 御園さん家の遙君

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 ちょっと憂鬱な気持ちでお茶してると塩田達が小学生ぐらいの男の子を連れてやって来た。


「慶さん、なるちゃんさん達ちょっと相談にのって下さい」


 男の子をソファーに座らせる。


「この子は俺達のクラスメイトの弟君で御園遙君」


「こんにちは、御園遙です。12歳小6です。」


 ペコリと頭を下げてしっかり挨拶をしてくる。


「この子のお姉さんと遙君は資格者なんだけど御両親はそうじゃなくて船を降りたくないって言っているそうなんだ。でも遙君は外に出たい、それで御両親と毎日喧嘩なんだそうだ」


「父さんも母さんも言ってることがワケわかんない。毎日々お姉ちゃんに文句ばっかり言って船に残れるように交渉しろって、お前が勝手に自分達を連れてきたんだから責任を果たせとか、おかしいよ。あのまま下に居たら確実に死んでたのにお姉ちゃんばっか責めて、俺あの人達と一緒に居たくないだってこれから先ずっと死ぬまでああやっていい続けるんだ、あの人達は」


「とこんな感じでお姉さんは自分は両親と残らなくちゃいけないから行けないけど、弟を一緒に連れていって欲しいって言われたんだ」


「それはまた難しい問題だなぁ。俺たちだけじゃ無理だから親世代を呼ぶわ」


 昴さんはそう言って親世代に集まってもらえるように招集をかけた。


 程なくして全員が集まったので会議室の使用許可をもらい移動する。


 そこで御園家の事情を説明し親世代の意見を聞いた。


「前置きとして言っておくが私達は遙君を連れて行くことは問題はない。但し親御さんの許可を得てからだ」


「無理だ、あの人達が許可するわけがない」


「そうは言っても遙君は未成年だ。親御さんの許可なく連れ出すことはいくら本人の希望だと言っても出来かねる。それは誘拐になるからね」


 遙君は目に涙をためながら言葉に詰まる。


「俺は・・・」


「遙君は今は子供だから解らないかもしれないけどね、君が大人になった時家族を捨てたという事実がきっと君の負い目になってしまうと思うの。そしてその事を何とも思わないような大人にはなって欲しく無いの」


「ただね、親御さんの事は私達に任せて欲しいの。もう子供さんだけで説得するには厳しい段階に来ていると思うの。大丈夫、お姉さんも御両親も、もちろん遙君も納得するようにするし、君を置いてきぼりしたりはしないから、おばさん達に任せてくれる?」


 遙君はボロボロ泣きながら頷いた。


 親世代は打ち合わせをし話し合いに行ってくると部屋を出ていった。


「・・・俺は親父を見捨てた。毎日呑んだくれて俺たちを殴ったアイツを俺は許さない」


 村崎君の呟きは側にいたわたしと塩田にしか聞こえなかったと思う。

 塩田は村崎君の肩を叩いて


「お前はなんも悪くねーよ。紫ちゃんを守ったんだろ」


 そう言った。

 





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