13 通りすがりの三花さん
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「あんたがあの時みんなに言ってたらこんな事にはならなかった!
みんな死んじゃったのに何でヘラヘラ笑ってられんのよ!」
振りかぶられた手に身がすくんだ。
「八つ当たりはみっともないでぇ」
御園さんの手を掴んで止めてくれてたのは知らないお姉さんだった。
「誰よあんた!」
「通りすがりの他人」
「だったら! 関係ないやつは引っ込んでなさいよ!」
「お嬢ちゃん、頭に血が昇ってるようやけどホンマにこの子が何したか言うてみ?」
「だから! こいつがクラスのみんなに教えなかったのよ!」
「ナニを?」
「だから! キャラクター何とかってヤツよ!」
「それはおかしいなぁ」
「何で!」
「お嬢ちゃんは"地球の神様が変わったので新しい神様が地球を作り替えるので7日の内にキャラクターメイキングを終えなさい"そう夢の中で言われへんかった?」
「それは言われたけど」
「ここにおる人でそないな夢みいひんかったって人おるか?」
騒ぎを聞き付けてこちらをうかがってた人達が首を横に振る。
「そう全員見て聞いてはるはずや。同じ情報を皆が等しく持っとった。ただそれを信じたか信じへんかったかの違いや。自己責任ってやつや」
「だけど、こいつがちゃんと言ってればみんなやった筈だった!」
「お嬢ちゃんはここにいるということはキャラクターメイキングをしたって事やろ? じゃあ何でお嬢ちゃんが自分で言わはんかった? あんたが自分で言わはったらよろしかったんじゃないんかい?」
「だって・・・」
「だってなに? お嬢ちゃんは自分がしなかった事をこの子のせいにしとるだけや、もしキャラクターメイク云々の話が法螺だった時自分が恥じかくのが嫌だっただけや」
「でも・・・」
「まだ何か言うかい? なら言うてやろうかあんたはー「もういいです! わたしならなに言われても平気ですから!」」
わたしはお姉さんの台詞に被せるように遮った。
「自分それでええの?」
「大丈夫です、彼女も今はショックを受けて動転してるんだと思います。庇っていただいてありがとうございます」
「そう? お人好しやな。この子がこう言うてるやからお嬢ちゃんも家族の所にもどったらええ、こっち見とるよ」
お姉さんがそう言うと御園さんはわたしを一度見てから背を向けてわたし達から離れていった。
「わたし佐藤瑞って言います。お姉さんのお名前教えてもらえますか?」
「わたしか? わたしは米子三花。よろしゅうな」




