11 痛いの痛いの飛んでゆけ!
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自分達がやって来た到着ロビーで窓に張り付いて地球を観賞しつつ塩田がやって来るのを待つ。
周囲にわたしのように誰かを待つ人はなく到着した人がロビー内に時おり現れる。
しばらくするとペットキャリーを抱えた塩田が姿を現した。
「塩田!」
声をかけるとようと手をあげてこちらに歩いてきた。
「こたつちゃん久しぶり~」
キャリーの中で箱座りして心持ち不機嫌そうな塩田の飼い猫に挨拶をした。こたつちゃんとうちのしろさんは兄妹の関係でもある。
「こいつをかごに入れるのに手間取った」
と傷だらけの腕を見せたので
「『痛いの痛いの飛んでゆけ~』」
と唱えたら塩田の腕がポワンと光って光が消えた後、傷がキレイさっぱり消えていた。
「すげぇな、治癒魔法。なんだけどな、何だその気の抜ける呪文は!」
「うはッ! 上げて落とされた~」
仕方ないじゃんこれが一番上手く魔法が発動するんだから~
「しかし方舟が宇宙船とは驚きだな」
「・・・来るとき雨どうだった?」
「俺が来るときには1階のエントランスが天井まで水に浸かって、停電もしてたからニュースも見らんなかった」
「そっか、方舟って聞いたときに洪水が起きるかもとは思ってたんだ」
「なんで」
「なんでって、方舟って言ったら"ノアの方舟"ですよ。大洪水を7日7晩さ迷ってアララト山に漂着したノアの方舟だよ」
「お前ホント変な事だけ知ってんのな」
「聖書、神話の内容はヲタクの常識」
<(`^´)>エッヘンと胸を張る。平らな胸を張られてもなぁとか塩田と馬鹿話を繰り広げてる間に、到着ロビーに人が多くなってきた。
「混まないうちに部屋の手続きしといた方がいいかも」
ハッと気がついてエントランスロビーに向かおうとした時に
「パパッ!」
と女の子の泣き声混じりの悲鳴が聞こえた。
「パパッ! パパッ! 死なないで!」
声の先を辿ると男の人が倒れてその側で小学生ぐらいの女の子が泣いている。
駆け寄ると男の人は泥だらけで額から血を流し、足が変な方向に曲がっていた。
「『痛いの痛いの飛んでゆけ!』」
後先考えないで呪文を唱えた。男の人の体全体がポワンと光る。
さっきの塩田の時より長く光に包まれていて光が消えた後見るとバックリ切れてた額の傷は塞がれ曲がっていた足も正常に戻っていた念のため鑑定をかけたら状態正常と出たのでもう大丈夫だろう。
「パパ?」
女の子のがカタカタ震える手で男の人を揺すると男の人は薄く瞼を開けた。
「・・・まいちゃん?」
男の人がそう呟くと女の子のはウワーンと声を上げて泣き出した。
わたしはそろそろと視界からフェードアウトです。
「もう大丈夫なのか?」
「うん、鑑定して状態正常ってなってたから」
「お前使いこなしてんなー」
「それはもう! 頑張ってますから」
えっへん! と胸を張ったら頭を撫でられた。
「よーしよーし、えらいぞ」
「ってそれ犬とかの撫で方でしょ~」
お兄ちゃんがクロを撫でると扱いが一緒だよ。
「シオ!」
おぉう! どこかで聞いた声だぞ。




