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王女がいきなり婚約破棄されました 

 俺はアンジェに抱き付かれたりキスされたり本当に翻弄されて、殆ど反論できなかった。

「ラフィーと一緒にずっといられると思うととても嬉しいの」

 そう笑顔で言われて、そのままキスされると俺は何も言えなくなった。


 いやいや、アンジェの言葉は絶対におかしい。

 俺はアンジェの保護者で父親役だ。恋人ではないはずだ。


 でも、アンジェは基本的に俺に嘘はつかない。


 俺の格好がダサいと思ったらずけずけと言うし、一緒にいるのが嫌だったら、嫌だとはっきりと言うはずだ。

 俺の傍にいられて楽しいのは真実なんだろう。

 アンジェがとても楽しそうで、俺は何一つ言い返せなかった。


 いや、待て、アンジェはエーベルの婚約者だ。

 俺と結婚は出来ないだろう!

 そう思う俺と、でも、エーベルにはミーナがいて、アンジェはないがしろにされているぞと思う俺が葛藤していた。


 そして、俺がはっきりと反論する間もなくてそのまま馬車は学園に着いてしまったのだ。




 俺が馬車から降りると、

「あっ、ラファエル様だ」

「剣聖様よ」

「どなたと一緒なの?」

「お一人なら私にもチャンスあるわ」

「何を言っているのよ。あなたじゃ無くて私があるのよ」

 俺は皆が騒ぐ中、そのまま馬車からアンジェの手を恭しく取って、エスコートして降ろした。


「なんだ、悪役令嬢と一緒じゃない」

「というか、何あの衣装」

「完全にお互いの色を纏っているんだけど……どう見ても付き合っているわよあの2人」

「聖女様の言われるとおりだわ」

「なあんだ」

「もうどうしうも無いじゃない」

 女達の言葉は俺には聞こえてこなかった。

 アンジェが俺を見て微笑んでくれたので、何も聞こえなくなったと言うか、世界にアンジェしかいなくなった。俺の色を纏ったアンジェはとても愛らしかった。

 

 俺の髪の色のドレスを着て俺の瞳の色の飾りをまとうアンジェはどう見ても俺の物だ。


「私の色を纏ったラフィーも私のものだからね」

 アンジェが言い出してくれたが、白に金と青のラインと飾りの入った俺の服もアンジェの色そのものだった。


 聖女辺りが俺とアンジェの良くない噂を広めてくれているみたいだし、それならこのままいっても良いか?

 良い訳は無いだろう!

 あまりに聖女がしつこければ外務から文句を祝わせようかとも思ったが、大使はろくでもない奴だったと思い直した。


「ねえねえ、どう見てもあのカップルよね」

「なんて事なの。私のラフィー様が……」

「貴方は元々無理なのよ!」

 皆が噂話も、俺には聞こえていなかった。


 もう、アンジェが可愛すぎて、何も言えなかった。

 アンジェも大きくなったんだ。俺の記憶が感激していた。


「ラフィー様、アンジェ!」

 イレーネ達がやってきた。

「何なの貴方達。完全に二人の色に染めあって」

「だって、ラフィーは私の騎士だもの。絶対に誰にも渡さないんだから」

 アンジェが周りにガンを飛ばしてしくれているなんだけど……何かそれも可愛い……


 今日はイレーネのエスコートをモーリッツがしていたし、ヒルデのエスコートはニコがしていた。

 ハンネローレのエスコートはなんとオスカーがしていたんだが……これには驚いた。

 女の子達は大体エスコート相手がいてあぶれた者はいないみたいだった。


 でも、人数の多い男は相手を探せずにあぶれた者も多くて中々大変みたいだった。

 良かったアンジェが俺にエスコートさせてくれて、そうで無かったら俺も誰もエスコートする者がいなくて、壁の花と化している、いや、男だから壁の杭と化しているしかなかった。


「姫様が俺にエスコート頼んでくれて、あぶれなくて良かったです」

 俺がアンジェに素直に感謝すると、

「何言っているのよ。ラフィーは私の専属なんだから、私以外のエスコートは禁止よ。浮気は許さないんだから」

 アンジェが言ってくれているが、

「俺なんてエスコートに望む女性なんていないでしょう」

俺が言うと、

「えっ、ラフィー様、エスコートしてくれるんですか」

「私をして下さい」

 ハンネローレとヒルデが叫んでたんだが……今現実に男を隣に置いて言うな!

 俺は叫びたかった。

 今までその他大勢としてしか、生きて来れなかった俺は、回りの壁にしかなれない男達の気持ちも痛い程わかった。


「あーん、絶対に駄目。ラフィーは私の物」

そんな風に言ってくれるアンジェのような奇特な女性は、もう二度と出てこないかもしれない。このチャンスを絶対に逃すなと前世の俺が叫んでいるし……


「おい、そこのバカップル! お前らの衣装はなんだそれは!」

 そこに近衞騎士団長を引き連れてバルトがやってきた。


「お前の所の孫が婚約者のエスコートしないから俺が付き合わされたんだぞ」

 俺は一応バルトに文句を言ったが、

「何が付き合わされただ! どう見てもお前ら2人は父娘というよりもバカップルにしか見えんわ」

 バルトからにも言われてしまった。

 

「ところで肝心のお前の所の孫はどこにいるんだ?」

俺が聞くと

「さあ、どこで油を売っているんだか」


 時間になっても中々エーベル達が現れなかった。


 少し遅すぎないか?

 俺が気にしだした時だ。


 ドかドカといきなり近衞騎士達が入ってきた。


「何をしているんだ?」

 俺が騎士団長に聞くと

「何も聞いておりませんが」

 近衞騎士団長も眉を顰めてくれた。


「諸君。待たせた」

 壇上にいつの間にかエーベルがミーナを引き連れて上っていた。

 その周りには多くの近衞騎士達が護衛していた。


「アンジェリーナ・フランク。俺は今ここで貴様との婚約を破棄する事を宣言する!」

 エーベルがいきなりゲーム通りの台詞で婚約破棄してくれたのだった。


いきなりの婚約破棄宣言に対してどうするラフィー。

続きをお楽しみに

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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
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ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


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このお話の前の話


前前前作

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/

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