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聖女視点 危機一髪皇子様が助けてくれました

「えっ、なんで? 何で私が赤点なの?」

 私は唖然としてしまった。

   歴史も地理も数学まで赤点なんだけど絶対におかしい!


 ゲームでは悪役令嬢のアンジェリーナは赤点だらけで夏休みも補講三昧になって、自棄で破落戸どもに私を襲わせようとして、それが発覚してサマーパーティーで断罪されたのよ。ヒロインで聖女様の私が赤点なんてとるわけ無いじゃない!


 なのに、私が赤点三昧で、アンジェリーナが今は平然として、老騎士の肩に乗ってのほほんとしているなんて絶対におかしいわ!


「悪役令嬢の名前が全然無いじゃ無い」

 私は掲示板を見て呆然とした。


「ミーナ様。アンジェリーナは一年生です」

 ガーベラに指摘されて、私ははっとした。

 そうだ。アンジェリーナは一年生だった。

 あのアンジェリーナが赤点ゼロな訳はないのよ。


「こちらですわ」

 ガーベラに案内されて一年の赤点補講者の名前を見た。


「な、無いじゃ無い!」

 でも、私は一年生の掲示板でも赤点の補講者一覧の中にアンジェリーナの名前は見つけられなかった。


「ほう、アンジェリーナは70番目か」

 エーベル様が総合成績を見て感心までしているんだけど……


「たったの70番目ではありませんか」

 私はまだ余裕だと思っていたのよ。

「ミーナは何番目だった?」

「エーベル様は何番目でしたの?」

「俺は今回は順位を落としていたな。二十一番目だ」

「えっ、そうなのですか?」

 私は驚いた。いつもはエーベル様が一番で私が2番目だったのに!

 どこかでおかしくなったようだ。


 それにエーベル様が21番目など信じられなかった。

「少し調子が悪かったらしい」

 エーベル様が笑ってくたが、

「じゃあ私は22番目だと思いますわ」

 私はそう信じていた。


「見てみようか?」

 エーベル様と一緒に見ると22番目にも私の名前は無かった。

「変ですわね」

 今回は教会が一丸となって私に必死に教えてくれたのよ。

 今までで一番勉強したのに!

 でも、100番目までにも無かった。


「あれ、変ですわね」

「ミーナ様、ございました!」

 ガーベラが教えてくれた。

「どこなの?」

 100番台の上の方だろうか?

 でもガーベラの指さしてくれたところは下の方だった。

「えっ?」

 私はその順番を見て目が点になった。

「178番!」

「どうしたんだ、ミーナ」

「こんなの嘘ですわ。今回は必死に勉強しましたのに、あのアンジェリーナがあの老騎士を使って学園に圧力をかけたに違いありませんわ!」

 私は怒りに指が震えた。


「な、なんとアンジェリーナはそんな事までしてくれたのか! 判った。ずくに学園に抗議しよう」

 エーベル様がすぐに学園長室に抗議に行ってくれた。


 私は悪役令嬢のアンジェリーナの仕打ちに怒りで打ち震えていた。

 ついにアンジェリーナが私に牙をむけたのだ。


 今まで自分は老騎士しか興味が無いみたいなことをほざいていたが、やっぱりエーベル様の横の私が憎かったに違いない。

 でも、すぐにエーベル様は帰ってこなかった。


 そのまま終業式の時間になり、成績優秀者は表彰されていた。

 エーベル様や私が表彰されないのは初めてで、全校生徒がざわめいた。

 それもこれも全部アンジェリーナのせいだ。

 壇上にいるエーベル様も難しい顔をしている。

 絶対にアンジエリーナは何か良からぬ事を企んでくれた結果こうなったに違いない。


 三年のトップはCクラスの人間だった。

 何でCクラスなんて平民クラスの人間がトップになれるのだろう?

 私はとても不思議だった。


 その後の終業式では夏休みの注意点と今夜のサマーパーティーについての注意点だった。

 でも、私はそれどころでは無かった。

 今まで感じたことも無い屈辱をとても感じていたわ。

 おのれ、アンジェリーナめ。絶対に復讐してやる!


「どうでした、エーベル様」

「うーん、色々と話したのだが、中々難しかった。今回はミーナは体調が悪かったのか?」

 その後、ホームルームの前に会ったエーベル様の回答はとても歯切れが悪かった。

「えっ、それは、悪役令嬢のアンジェリーナにいつ苛められるか、不安で不安で夜も眠れませんでしたわ」

 私は自分の心境をエーベル様に訴えた。

「そうか、ミーナも大変だったのだな」

 エーベル様はそう言うと、抱きつく私を優しく抱き締めてくれたのよ。


 私はどんよりした気持ちで大聖堂に帰ろうとした。

 夏休みになったら補講が始まるのもうんざりした。

 せめて、今日のパーティーでエーベル様を独占して、アンジェリーナに地団駄踏ませてやるわ!


 そう私が怒りに任せて考えていた時だ。


 ヒヒーン


 いきなり馬車の馬のいななきがして、馬車が急に止まったのだ。

 私は侍女のガーベラに頭から突っ込んでいた。


「どうしたの?」

「さあ」

 ガーベラにもわからないみたいだった。

「聖女を語るミーナよ。貴様は平民にも関わらずエーベル様のお側にいてアンジェリーナ様との仲を引き裂こうとする女狐だ。アンジェリーナ様に成り代わって成敗してくれるわ」

 大きな声が外から聞こえたんだけど……


「な、何なの?」

 私は混乱した。アンジェリーナが遂に私に牙を向いたの?

 私が呆然とした時だ。


「ぎゃあ!」

 外で聖騎士の悲鳴が聞こえた。


ダン!

 そして、いきなり馬車のドアが開いた。

 目のつり上がった老人が短刀を振りかざして私を睨み付けていた。

「貴様がミーナだな」

 男は釣り上がった目で私を睨み付けてくれた。


「ミーナ様」

 私をガーベラが、庇って前に出てくれた。

「邪魔するな!」

「ギャッ!」

 ガーベラの悲鳴が聞こえた

 老人は短刀でガーベラを刺していた

 ガーベラが血まみれになる。

「キャーーーー!」

 私は悲鳴を上げた。

 その私を狂人の老人が馬車の外に引き釣り出してくれた。


「良くもアンジェリーナ様を酷い目に遭わせてくれたな」 


男はそのまま私の喉に手をかけて私を縊り殺そうとしてくれた。

死ぬ! このままだと殺される! エーベル様!

私が意識を無くしそうになって必死に助けを求めた時だ。


「ミーナ!」

 エーベル様の声が聞こえたような気がした。


「ギャー」

 男の悲鳴が聞こえた。

 私を絞めている手が緩まる。


 はっとするとエーベル様が男を剣で叩き斬ってくれていた。


「ミーナ、無事か」

「はい、なんとか」

 私はエーベル様の胸の中に飛び込んだ。

「エーベル様。怖かったです」

 私はエーベル様に思いっきりすがりついた。

「大丈夫だ」

 優しくエーベル様が私を抱きしめてくれた。

 

「エーベル。この老人はアンジェリーナのためにミーナ嬢を殺そうとしたと叫んでいたそうだぞ」

「そうなのか、ミーナ」

「私もそう聞きました」

 私はエーベル様の胸の中で泣き真似をした。

「おのれ、アンジエリーナめ。絶対に許さんぞ」


 私は殺されそうになったが、エーベル様に助けてもらった。

 これはサマーパーティー前の破落戸に襲われそうになった時にエーベル様に間一髪助けてもらうイベントと同じだ。

 今まで全然イベントは起こらなかったけれど、やっとイベントが起こってくれて私は心の中でほくそ笑んだ。

 これでアンジェリーナも終わりよ。

 わざわざ学園に来なければ断罪は無かったはずなのに、やっとこれでアンジェリーナとエーベル様の婚約を破棄してもらえる。

 アンジエリーナめ。絶対に娼館送りにしてやるわ。

 私は心の中で笑いながらエーベル様にすがりついて泣き続けたのだった。


誰がしたのかついにミーナが襲われてそれをエーベルが助けました。

果たしてアンジェの運命はどうなる?

続きをお楽しみに

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でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


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『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

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4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話


前前前作

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/

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