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悪役令嬢視点 ついに事故で想い人とファーストキスしました

 物心ついた時から私は離宮で生活していた。


 何でも継母のベアトリスに命を狙われているという事で、そんな私を剣聖のラフィーと侍女長のマイヤーで二人して小さい時から護ってくれていた。

 礼儀作法はマイヤーが教えてくれていたし、護身術や魔術の訓練はラフィーが付き合ってくれたが、歴史や地理や数学の勉強はどうしても後回しになっていた。

 と言うか命を狙われている点で外部の人間をあまり入れる訳にはいかず、教えられる者がいなかったのよ。


 だから、勉強できないのも当たり前だった。


 命がけで私を護ってくれたラフィーやマイヤーには感謝しかないけれど、今から勉強しろというのはとても大変なんだけど……


 だって今まで授業なんて、ほとんど判らなかったから、先生の話は適当に流して、隣のラフィーを見て、制服姿も格好良いとか、またダンジョンに一緒に潜れたら良いなとか想像していたのよ。


 ラフィーは還暦を過ぎたって言うけれど、私には全然そうは見えない。

 貫禄あるし、その宝剣を握ったラフィーは白馬に乗った私の騎士と言うのにふさわしかった。

 私が生まれた時からラフィーは私の騎士だし、これほどの騎士は諸外国を見渡してもいなかった。

 何しろラフィーは魔王をも倒した剣聖なのよ。


 今回もラフィーから放たれたソニックブレードの威力は凄まじかった。

 赤竜を圧倒していた。

 さすが私の騎士よ。


 ラフィーを見慣れたからか、私は男に対しての目が肥えていた。


 ラフィーより弱い奴とは結婚しないとなにかの拍子で言ったら、

「姫様、そんなこと言っていたら一生涯結婚できませんよ」

 真顔でマイヤーに言われたけれど、この帝国に来てそれが事実であることがよく判った。

 武の帝国の頂点の騎士団長ですら、ラフィーの敵ではなかった。


 ラフィーに比べたら10も若いお父様の方が余程老人に見えた。

 それにラフィーはカスパルに一度ボコボコにされてから、更に強くなったと思う。

 隠れて訓練とかしているんだろうか?

 私はラフイーに助けてもらって改めて心に決めた。


 私がラフィーと一緒になると。

 一緒にいるんじゃない。ラフィーの奥様になるのよ!


 だって他の男は軟弱だし、頼りないし。

 その点、ラフィーさえ傍にいてくれたら本当に百人力だし安心できるのよ。


 でも、ラフィーは私の事なんてその恋の対象にさえ思っていない…………

 私の気持ちも知らずに、ずっと皇太子の第一皇子に嫁がせたいみたいなことを言っているし……

 でも、私は赤竜に襲われて改めて思った。

 結婚するなら安心して傍にいられるラフィーしかいないと。


 その点でも、私を護るよりも真っ先に逃げていきそうなエーベルは嫌だ。


 それにラフィーとはずっと一緒だったから、傍にいても退屈しないし、頼りがいがあるし一緒にいれば安心できる。


 でも、今のところ、私はラフィーにとって娘みたいなものなのよ。

 恋人になりたいのに!

 娘ポジは嫌だ。


 そんな時にラフィーは私と約束してくれた。

 私が全科目赤点回避したら何でも1つだけ私がお願いしたことを聞いてくれるって。

 私はその言葉で俄然やる気になったのよ。


 何をお願いするかって?

 それはその時までのお楽しみよ。

 でも、この約束を実現してくれたら、一生涯絶対にラフィーから離れない事になるはずなのよ。


 だから私は必死に勉強することにした。


 それに一緒に好きな人と何かするって素敵だ。

 仲の良いカップルみたい。


 学園ではヒルデやハンネローレやニコが私達の傍にいて邪魔してくれたけれど……

 ニコも男のくせにラフィーに心酔しすぎよ。

 本当にむかつく!

 ヒルデもハンネローレもラフィーに胸を押しつけようとするな!

 私が惨めになる。


 でも、行き帰りの馬車の中や、ラフィーの邸宅の中では基本的に二人きりだ。

 ラフィーを独占できた。

 

 そんな時は私はラフィーとずっとくっついていたいけれど、あまりくっつくとラフィーは私と距離を置こうとしてくれる……だからほどほどにしないと駄目だ。


 でも、夜寝る前のラフィーの部屋でやる最後の復習は私はラフィーの膝の上でやることにしたのよ。

 その上に、今日勉強したところからラフィーが10問出してくれるんだけど、全問正解したらお休みのキスをラフィーがしてくれることになったのよ。


 我ながら上手くしたと思うわ。

 そして、今日も全問正解したの。


 今日は唇にキスしてもらおうと思って唇にもリップを塗ってみた。

 お空よくほっぺだと思うけど……でも、それでも前進だ。


「やった、全問正解よ」

「いや、アンジェ、こういうものは好きな者にしてもらった方が」

「酷い、ラフィーは私の事が好きじゃないの?」

 ラフィーの言葉に私は拗ねてみた。

 

「いや、そういう訳はないんだが……」

 なんかラフィーは赤くなっている。

 私は唇を少し開いて目を瞑ったのよ。


「アンジェリーナ様、終わりましたか?」

 そこに来なくて良いのに、カミラが入ってきたのよ。

「えっ?」

慌てた私とラフィーは慌てた拍子に唇と唇が触れてしまったのよ。

「「!」」


「な、何をしていらっしゃるんですか!」

 一瞬でカミラは瞬間湯沸かし沸騰機になって怒りだしたけれど、これは事故よ。


「いや、カミラ、姫様に全問正解したらご褒美にキスしてほしいと言われてだな」

「婚約者でもありませんのに、唇同士のキスなんて!」

「いや、それはお前がいきなり入ってくるからだろう!」

「どちらにしても破廉恥です。アンジエリーナ様もキスなんてしてもらわなくても良いではないですか!」

「酷い、カミラ、私に取って勉強は本当に大変なのよ。終わった後にご褒美のキス位もらっても良いじゃ無い」

 私はカミラに言い返したわ。


「駄目だったら駄目です。これ以上愚痴愚痴文句を言うと部屋の鍵を閉めますからね」

カミラが怒りだしたので、その日は仕方なしに自分の部屋に帰ったけれど……

 絶対に私は諦めないんだから!


「いざという時は実力行使をすれば良いわ」

 そうイレーネが教えてくれたけれど、実力行使ってどうするんだろう?

 スケスケ寝間着で抱きついても何もなかったのに……素っ裸になってラフィーに抱きつけば良いんだろうか?




 まあ、それはおいおい考えるとして、取りあえず、私の初めてのファーストキスがラフィーで良かった。

 その日は興奮してあまり寝られなかったのは秘密よ! 





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