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悪役令嬢視点 危機一髪の所に私の王子様が助けに来てくれました。絶対にもう手放さないと決めました

「ラフィー!」

 赤竜が私をその鋭い爪で切り裂こうとしたその瞬間だ。

 私はとてつもなく後悔していた。


 ラフィーと一緒の班にさえなっておけば、今頃ラフィーは私を護ってくれていたのだ。

 私が我が儘言って別の班になると言い出しさえしなければ良かったのに!

 マイヤー先生は、班長をやる人間がいないから私にもやって欲しそうにしていたけれど、私が進んで手を上げなければ強引にラフィーが私と同じ班にしてくれたはずだ。

 一緒の班にさえいれば絶対に私のラフィーが赤竜なんてやっつけてくれたのに!


 何しろラフィーは私の中では、いや、私は関係なしにラフィーは世界最強の騎士、すなわち今でも現役の剣聖なのだから。

 私は傍にいるからよく判っているけれど、ラフィーは体調不良でカスパルにボコボコにされて復活してから、更に強くなっていた。

 前よりも数倍は強くなっていた。

 こんな赤竜なんて一撃で倒してくれたはずなのに!

 最後にその名を叫んだ私はとても後悔したのよ。


 でも、ラフィーはどんなときでも、私が苦境に立った時に、必ず私を助けに来てくれていた。

「ラフイー! 助けて!」

 私が心の悲鳴を上げた時だ。


 私の持っているお母様のお守りが光り輝いた。このお守りはラフィーと対のお守りだった。そして、今回も光輝いて、私の王子様を連れてきてくれたのよ。


 ガキン!

 次の瞬間私の目の前にラフィーが現れて、赤竜の爪の攻撃を剣で受けてくれた。


「アンジェ、大丈夫か?」

 ラフイーの声がした。

「何とか大丈夫」

 私は目から涙を流していた。

 ラフィーが助けに来てくれて本当に良かった。

 もう安心だ。


「糞ハ虫類、よくも俺のアンジェを傷つけたな! 貴様を成敗してくれるわ」


 ラフィーは強かった。一瞬でソニックブレードを赤竜に撃ち込むと、その首を刎ねてくれた。


「ラフィー、怖かったよう」

 私は側に来たラフイーに抱きついていた。


 もう絶対に離さない。

 ラフィーが傍にいないのは嫌だ。

 私ははっきりと判ったのだ。

 自分の気持ちも!


「今まで変な態度取ってご免なさい」

 私はそう言って抱きしめると涙が止らなくなった。


「もう大丈夫だから」

 ラフィーは幼子にするように私の背中をトントンしてくれるんだけど……私は子供じゃない!

 少しむっとしたけれど、今はそれどころではなかった。


「もう、我が儘言わないからずっと傍にいて」

 私はラフィーに頼み込んだのだ。

 一生涯傍にいてほしいと。


「大丈夫だ。ずっとアンジェの傍にいるから」

 軽くラフィーは言ってくれたが、絶対に意味をはき違えている。


「本当に?」

 心配そうに私はラフィーを見上げた。

 そこには私の専任騎士で傍にいるだけで安心するラフィーがいた。


「俺が今までアンジェに嘘を言ったことがあるか? この帝国の学園まで一緒に来ているんだから、ついて来いと言われればどこまでもついていくから。心配するな!」

 そう言うとラフィーは私を抱きしめてくれたけれど、私は保護者としてのラフィーを求めているんじゃない。一生涯のパートナーとしてのラフィーを求めているのに!


「本当に? 私を見捨てたりしない?」

 私は心配そうに上目遣いにラフィーを見上げた。

 私としての精一杯のポーズだ。

 もう私は父親とかラフィーの希望なんてどうでも良かった。

 私も一人の人間で女だ。

 ずっと傍にいてほしいのはラフィーだ。エーベルなんてピンク頭のミーナの胸しか見ていないし、傍にいても全然安心できないし、あんなガキはもういらない。

 私は安心できるラフィーの傍にずっといたい。それに、ルフィーは私しか見ていない。どんなときでも私を中心に考えてくれている。私が物心ついた時からそうだった。皇帝とかは「お前もいい加減に自分の人生を送れ」とラフィーに言ってくれたけれど、私の面倒を一生涯かけて見てくれても良いはずだ。


「絶対に見捨てたりしないから」

「約束よ」

「ああ」

 でも、ラフィーは絶対に私の言う意味に気付いていないと思う。

 私は我が儘一杯言い張ってその後はずっとラフィーに抱き上げられていた。

 ラフィーに抱き上げられて、他の女どもに私とラフィーの息の合っている様を見せつけてやったのよ。

 ラフィーは物心ついた時から私の騎士だ。あうんの呼吸はバッチリのはずだ。

 ハンネローレもクラーラも絶対に私は負けないんだから!


 エーベルが何故かまたミーナと一緒に登場してくれたけれど……私はもうどうでも良かった。

 元々ラフィーが色々骨を折ってくれたから仕方なしに、少しでも仲良くなろうと思ったのよ。

 でも、もう、こんな頼りにならない男はいらない。

 ミーナがない胸をエーベルの手に押しつけてくれて私はむっとした。

 むかつくから私はない胸でラフィーの顔を挟んでみた。


「姫様、前が見えないです」

 ラフィーはそう言うと、私を少し横に避けてくれた。私も胸が少しはあるところを見せたかったのに!

 それにラフィーはもう他の女なんて見なくていいの!


 私がラフィーに抱き上げられているのを見てミーナもしてほしいとか言い出した。

 軟弱エーベルにそんな事出来る訳ないじゃない。


「貴方は重いから無理よ」

 ここぞとばかりに私はミーナに言ってやったわ。

「そんな事無いわよ」

 ミーナは躍起になってエーベルにしてくれるように頼んだけど、ラフィーみたいに鍛えていないから無理だって!

 エーベルは何故かやる気になったみたいで、ミーナを抱き上げようとしてミーナを上にして押しつぶされていた。


 ふんっ、抱き上げられるのもコツがあるのよ。私は小さい時から抱き上げられるのに慣れているし、ここが私の特等席なんだから。ラフィーと私は息もぴったりなのよ。

 絶対にこの位置を他の女に譲る気はなかった。


 もうエーベルとの婚約なんてどうでも良くなった。

 国と国の契約かもしれないが、元々皇帝が認めたのはラフィーが強引に言いだしてくれたからだし、報償の代わりにやらなくていいのに、私とエーベルを婚約させただけだ。

 ラフィーが私が欲しいと言い出してくれたら、私を報償にしてくれるはずよ。


 後はどうやってラフィーを手に入れるかよ。

 ハンネローレとかクラーラに先を越される訳にはいかないわ。


 クラーラの侍女なのに、何故か私の味方になってくれているイレーネに

「実力行使すれば良いんじゃない?」

 そそのかされて、私はイレーネが手に入れてくれたスケスケ寝間着でラフィーの寝室を直撃したのよ。


「怖くて寝むれない」

 枕を持っていくとラフィーは布団を開けてくれた。

 でも、これだといつもの添い寝と同じだ。

 スケスケ寝間着を着てきた意味がないじゃない。

 私は胸は無いけれど、女の魅力はあるはずだ。

 母の美貌を受け継いでいたし、母を好きだったラフィーは私の事も好きになってくれるはずだ。

「お母様の代わりに抱いて!」

 って言えば良いとかイレーネは好き勝手な事を提案してくれたけれど、お母様の代わりに抱いてくれるんじゃなくて、アンジェリーナとして抱いてほしかった。


「ラフィー、ラフィーが大好き」

 私はそう言うとラフィーの胸にすがりついた。

 でも、ラフィーに好きっていうのも小さい頃からずっと言い続けていることだから、もう一つ新鮮味にない。結局その日もラフィーに抱きついて寝てしまったんだけど、いつもの添い寝と一緒だった。

 また出直そうと思ったけれど、カミラにスケスケ寝間着を取り上げられてしまったんだけど……

 今度はどうしようか?

 さすがにラフイーの前で全裸になって迫るとかは恥ずかしくて出来ないし……

 また、イレーネに聞いてみようと私は思ったのよ。


アンジェ視点でした。

アンジェの想いが通じるか?

続きをお楽しみ下さい。

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