スケスケ寝間着で王女に迫られました
魔王との戦いの時は本当に毎日が命がけの戦いだった。
本当に魔王軍は強力でいつ死ぬか判らぬ中で毎日毎日戦い抜いた。
そんな中、俺達はなんとか魔王城に到達し、なんとか魔王を倒した。
俺達は満身創痍だった。
その後なんとか近くの街まで帰って宿屋で俺達は倒れ込むようにベッドに倒れ込んだ。
そう、本当に死んだように爆睡したのだ。
久々の柔らかい布団だ。
俺は疲れ切った体を休めたのだ。
そんな俺の体に温かい物がくっついてきた。
柔らかい!
それは触れるととても気持ちが良かった。
でも、この柔らかい生き物は何だ?
猫にしては大きいし、とても暖かかった。
「うん?」
俺が目を開けるとそこにはよく見知った女の顔がどアップであった。
女は愛おしそうに俺を見ている。
「アンヌ?」
俺がそう言うと何故か女は怒り顔になって思いっきり俺の頬をつねってくれた……
「痛い、痛い! やめろ! あ、アンジェ!」
俺は驚いて目が覚めた。この顔はアンヌじゃ無くてアンジェだ。
そうだ、昨日寝る前に、赤竜が怖いから一緒に寝てほしいと枕を持ったアンジェが俺のベッドに忍び込んできたのだ。
俺は仕方なしに許したことを思い出していた。
そのアンジェが纏っていた寝間着が、寝間着とはいえ本当にスケスケで下につけている下着が丸見えだった。俺はカミラにもう少しお淑やかな寝間着に変えるように忠告しようと思った。こんな下着の見えるスケスケ寝間着は貴族の若妻が旦那を誘う寝間着だ。俺もまだ男なんだからこんな寝間着でベッドに入ってこられたら、襲わない保障はどこにも無いのだ。
「ラフィー、ありがとう」
そう言うと、その寝間着でアンジェは俺に抱き付いてきてくれたのだ。
いや、ちょっと柔らかい胸が俺の胸に当たるんだが……
「何か硬いのが当たる?」
アンジェが言い出した時は俺はぎくりとした。
俺も男だから生理現象だ。許してほしい。
赤くなった俺だが、
「ラフィー、今日は本当に助けてくれてありがとう」
アンジェはそう言って俺にぎゅっと抱き付くと俺の腕を枕にしてすやすや寝だしてくれたのだ。
俺にとっては本当に拷問だった。
アンジェからは石けんの香りだろうか、良い香りがしてくるし、理性を総動員して襲わないように我慢した。
でも、その日は赤竜を倒して疲れていたのか、俺もその後すぐに寝てしまったようだ。
「お母様で無くて悪かったわね」
アンジェはめちゃくちゃ怒って俺の頬をつねってくれているんだが……
「すまん。昔の夢を見ていて」
俺が謝ったら、
「酷い、ラフィーはお母様ともこうして寝ていたの?」
なんか更にアンジェが怒り狂っているんだが、
「いや、そんなことは無いぞ。一度こんなことがあったように思うが」
そうだ。魔王戦の後の朝に俺のベッドに何故かアンヌが忍び込んできたことがあったのだ。
そういう記憶があった。
俺はその時、疲れ切っていて、ただ、アンヌを抱きしめただけだった……
あの時、アンヌを無理矢理自分のものにしなかったのがいけなかったんだろうか?
前任者はとても後悔しているみたいだった。
本当に馬鹿だと俺は思った。
いくら奥手の俺でも前世で美奈ちゃんがベッドに忍び込んできていたら絶対にその操を奪っていたと思う。ラフィーも行動を起せば良かったのだ。本当に馬鹿だ。
それにしてもアンジェももう少し危機感を持った方が良い。
いくら俺が安全パイだと思っても、俺も男だ。
特にこんなスケスケの寝間着で男のところに潜り込んできたら普通は襲われるぞ。
アンジェは両手で俺の頬をつねっているが、その胸が俺の胸に当たっているのだ。
いくら小ぶりな乳房だと言ってても俺の胸板に当たっていた。
というか、この寝間着スケスケで下着が丸見えなのだ。
何という寝間着をアンジェに着せるのだ?
そう思うと俺の股間が膨らんでいた。
俺は少しアンジェを脅すことにした。
アンジェが両手でつねっているその手を掴むと、くるりとひっくり返ってベッドにアンジェを押し倒していた。
と言うかアンジェを完全に両手で押さえつけたのだ。
「えっ!」
アンジェが一瞬驚いた顔をした。
でも、恐怖に震えるアンジェもめちゃくちゃ可愛い。
いや、でも、この顔は恐怖に震える顔では無くて、どちらかというと諦めた顔だ。
俺に襲われるのを待っている?
俺は一瞬理性が飛びそうになった。
アンジェは観念したような顔をして目をつぶってくれたんだけど……
えっ? ここは怒るところではないのか?
男に押さえつけられて目を瞑るか?
そのアンジェの唇がとても可愛い。
少しだけ開いている。
俺を逆に誘っているかのようなんだが……
「来て」
俺はアンジェがそう言ったように聞こえたのだ。
俺の理性が吹っ飛んだ。
俺はアンジェの唇を奪おうとした時だ。
ダン!
「ラファエル様!」
寝室の扉の開けられる音共にカミラの俺を叱責する声が部屋中に響いて俺は思わずアンジェから飛び退いたのだ。
「アンジェリーナ様、何というはしたない格好をしていらっしゃるんですか? そのような寝間着どうされたのですか?」
慌てて、カミラはアンジェの体を毛布でくるんでくれた。
「だってイリーナが意中の男性を誘うにはこの寝間着だって教えてくれて」
「えっ?」
俺はアンジェの言葉に固まってしまった。
意中の男性を誘う?
スケスケの寝間着?
アンジェは俺を誘っていたのか?
俺は頭の中がとても混乱した。
「何にせよ。二度とこの寝間着を着てラファエル様のところに行ってはいけません」
怒ったカミラに連れられてアンジェはすごすごと自分の部屋に帰っていった。




