表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/98

悪役令嬢視点 赤竜が大きな口を開けて襲いかかってきました。

 私が渾身の雷撃をラフィーに浴びせてラフィーが気絶してしまった時は本当に私は動揺した。

 ラフィーが生きていて良かった。

 本当にほっとした。


 そして、それ以来とてもラフィーを意識した。

 いつもラフィーを目で追うようになった。


 そんな中ラフィーに声をかけてくる女達に私の心は大きく揺れた。

「ラフィー様、おはようございます」

 ハンネローレなんてラフィーに触れんばかりに近くで大きな胸を誇示するように挨拶してくれるし、

「ラフィー様。今日もとても男らしいです」

 クラーラなんてすぐにラフィーの腕に自分の大きな胸を押しつけてくれるんだけど……


 皆、胸があるからと自慢するな!

 それをラフィーに押しつけるな!

 私は叫びたかったし、押しつけられてラフィーもにやけるな!

 と怒鳴り散らしたかった。

 駄目だ駄目だ!


 またラフィーを雷撃しそうになった。


 そもそも私の婚約者はエーベルだ。

 もっとも婚約者らしいことをしてくれたことも無いが。


 この前の王宮でも、祖父や父が言うから仕方なしにお前を婚約者にしておくが、俺の愛するのはミーナだとのろけてくれたんだけど……

 私もあんたなんて願い下げよと余程言いたかった。

 次に言われたら言ってやるんだから!


 挙げ句の果てに皇帝が来て

「お前は過保護すぎるんだ。そんなのでアンジェリーナは一度も恋なんてしたことがないんだろう。それで良いのか?」

 部屋の外で言っているのが聞こえた。


 また、ラフィーにさっさと身を固めろとか言いに来たんだ。

 私はむっとしたが、でも、これ以上、ラフィーの人生を私にかけさせるのは悪いと頭では判っているのよ!

 それ以上そんな話は聞きたくないので、さっさと部屋の中に入ってのに、何故かあのむかつく聖女の話になって、

「あんな聖女のどこが良いのかわからんが……俺から見たら胸がでかいだけの女ではないか。胸以外はアンジェリーナの方が余程かわいらしいのにな」

 皇帝は私が一番気にするところを話題にしてくれたんだけど、本当に信じられなかった。


「そう、そうだぞ。アンジェリーナ。俺の話した胸のことは忘れてくれ。全く無いわけではないからな」

 最後にフォローのつもりかそんな捨て台詞を吐いてくれたけれど、燃やせば良かった?


 そうか、やっぱりラフィーも胸のでかい女がいいんだ。


 なんかその点がとてもムカムカしたんだけど……



 それからしばらくは私とラフィーの仲は少しぎこちなかった。


 毎日のダンジョン対策に対しての訓練もクラスのみんなと一緒にしていたけれど、敵が出てきたら全員固まって一目散に広場のテントに戻るという代物だった。

 そのためにラフィーは皆に走り込みを徹底してさせてくれた。


 その他は簡単な障壁を張るという物だった。

 簡単な障壁は弱い魔物しか利かないが、無い時間で出来た最善と言えば最善の策だった。


 皆も毎日の走り込みで逃げ足だけは速くなったし……

 なんとかそれだけできるようになるまで、ラフィーは走り込みと障壁の練習に特化したのよ。


 そして、当日のダンジョン探索の時が来た。


 一年E組の私の班が先頭で、次からD組、C組と続く。しんがりはA組だ。


 私は周りに五感を走らせながらゆっくりとダンジョンの周りの森を北に向かって歩き出した。

 その横に副班長のモーリッツが地図に通過点をチェックしながら続いてくれた。

 その両横には一応剣を握れるようになったクラスメートの二人が並ぶ。

 その後ろの四人はイレーネを中心についてくる。

「結構うっそうとした森なのね」

 イレーネが感想を述べてくれた。

 まあ、私達が固まって歩けるだけましだ。

 こんなところで藪漕ぎしながらやるかなければいけなかったらもっと大変だった。


「何か今にも魔物が出てきそうですね」

 モーリッツが不安そうに呟いた。

「大丈夫よ。モーリッツ」

 私は安全だと言い切った。

「昨日も騎士団が探索してくれたという話だから、基本的には魔物になんか残っているはずは無いわ」

「そうでしたね」

 ほっとしたようにモーリッツも頷いてくれた。


 その時だ。


 私は甲高い音が聞こえたような気がした。


「えっ、何か聞こえた?」

 ギャーギャー

 私の声と共に鳥がいきなり鳴き叫んで周りから飛び立ったんだけど……


「ど、どうしたの?」

 身怯えてイレーネが尋ねてきた。

「判らないわ」

 私達は一斉に足を止めた。


 再度何か音がしたような気がした。

「何か聞こえ無かった?」

「いえ、何も」

 モーリッツ達は首を振った。

「少し、休憩しましょうか」

「よし、休憩だ」

 モーリッツが復唱してくれて全員に伝達してくれた。


 全員おのおのその場に座って水筒の水を飲む。

 私は厨房で作ってくれたクッキーを口に含んだ。


 ギャオーーーーー

 その時だ。遠くで何かが叫ぶ声がした。


「な、何なの?」

 怯えたイレーネの声がした。


 ギャオーーーー

 その咆哮が今度はずいぶん近くで聞こえた。


「全員避難準備!」

 私の叫び声で、慌てて密集態勢を取る。


 これは絶対にまずい奴だ。

 私は冷汗が流れた。



「えっ?」

 私はその姿を木々の間から見た瞬間ぞっとした。


 ギャオーーーー

 木々の間から見えたそれはとても大きな真っ赤な竜だったのだ。


 そして、それはまっすぐに私目がけて飛んできた。


 私はその鋭い視線に射すくめらて固まってしまった。

 こんな竜相手に私で勝てるの?

 私はラフィーと一緒の班にならなかったことをこの時ほど後悔したことは無かった。

 ラフィーがいればなんとかしてくれたはずなのに!

 頼りのラフィーはいない……

 ラフィー!

 私は心の奥底でラフィーを呼んでいた。

 でも、いくらラフィーでも、飛んでくることは出来ないはずだ。

 少しでも時間稼ぎをしないと……


 でも、赤竜は待ってくれなかった。

 次の瞬間、大きな口を開けて赤竜が私に襲いかかってきた。


 私の胸は絶望に染まってしまったのよ。

絶体絶命のアンジェの運命やいかに?

続きをお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作

『悪役令嬢に転生したのを知ったのは断罪されて婚約者に顔面を蹴られた時でした。ツンデレ兄と辺境で米作りして一からやり直します』https://ncode.syosetu.com/n5024mh/

私の今一番熱い人気の作品はこちら

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

■【小説家になろう記載ページ】『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/


表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/



このお話の前の話


前前前作

『悪役令嬢に転生したみたいだけど、王子様には興味ありません。お兄様一筋の私なのに、ヒロインが邪魔してくるんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n3871kh/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ