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剣聖風肉じゃがが出来た理由

「ようし、やっと到着だ」


 荷馬車は学園から5時間かけてやっと初級用のマネリスクダンジョンの麓に到着した。

 ダンジョンは今日の夜から明後日の朝までは学園で借り上げていたので他の客はいない

 今回は皇子もいるので学園の警備の騎士だけではなくて、近衛騎士からも多くの騎士が増援されていた。

 大所帯だ。


「やっと着きましたのね」

「死ぬかと思いました」

 青くなったハンネローレ達は俺が介助して這々の体でなんとか馬車から降りてくれた。


 その後クラスごとに集合する。


「どうやら、無事につけましたね」

 俺は隣の班のアンジェに話しかけたが、

「ふんっ」

 と無視されてしまった。


 バルトが余計な事を言ってくれてから、折角直ったアンジェとの仲はまた、元に戻ってしまったんだけど……

 本当にあいつは碌な事をしてくれない。


 俺がどんな気持ちでアンジェに気を使っていると思っているのだ! 気楽に邪魔だけしおってからに!

 挙げ句の果てには、

「なんなら、アンジェリーナを貴様の嫁にすれば良いのではないか?」と言い出してくれたのだ!


「自分の孫が女にだらしがないからと俺を持ち出して、誤魔化すな! 俺は姫様には親娘の情しかないわ」

 そう叫んでいた。

 何故か、それを見たアンジェは少し悲しそうな顔をしていたが、

「そうか、貴様も胸がでかい女が好きだったか!」

 あろうことかアンジェの前で胸に言及してくれたのだ。アンジェが一番気にしていることに触れるな!

「いや、アンジェ、俺はそんなことは……」

 俺は言い訳しようとした……


 パシーン!


 俺は怒り狂ったアンジェに思いっきり頬を張り倒されていた。


 それ以来アンジェは俺と話をしてくれていない……

最悪だ。


「さすが、ラフィーの育てた娘だな。怒るととすぐに手が出るとは」

 バルトの奴は大笑いしてくれたが、笑い事ではないわ!



「では皆さん。一応ここはダンジョンの傍です。魔物はいないと思いますし、テントの周りは騎士の方々が守っていただきますが、くれぐれも注意して行動して下さい。勝手な行動はしないように!」

何故かマイヤーは俺を見てくれたのだが、何もする気はないぞ!


「「「はい」」」

 全員頷く。

「何かあったら班長に連絡して班長から私に報告してください」

「「はい」」

 マイヤー先生の言葉に班長は頷く。


「では、各班ごとにテントを張って、終わったところから食事の用意をして下さい」

「「「はい!」」」

 我がクラスはマイヤー先生の指示の下に全員がテントを張りだした。


 我が班は女性陣がダウンしていたので、俺は大半のテントを一人で張ったやった。


「ありがとうございます、ラフィー様」

 ハンネローレ達は恐縮していた。


 アンジェの班は他の班員が見よう見まねで男用のテント一張り女用のテント一張り張っていた。

 あれならなんとかなるだろう。



 食事の準備で俺は近くの川で水を汲んでくる。


「そこまでラフィー様にさせるわけには参りませんわ」

 ハンネローレがその後食事の準備をしようとした俺を見て、申し出てくれたんだが、到底食事を作れるような感じではなかった。

 それに彼女たちは金持ち子女だから食事もあまり作ったことがないんではないだろう!


 俺は鍋を作ることにした。


「お野菜は私が切りますわ」

 ハンネローレが申し出てくれた。

「私も出来ますわ」

「私も」

   女性陣が申し出てきた。


「じゃあ、お願いできるかな」

 野菜も肉も豊富にあった。

 女性陣は危なっかしい手つきで野菜を切ってくれた。


 アンジェの班の方を見るとアンジェが指揮して作っているんだけど、

「それはまずいんじゃないか……」

 俺は思わず呟いていた。

 アンジェは料理の才能も全くないのだ。

 というか、料理で色々実験してくれるので、まともな味にならないのだ。


 でも、俺は懸命にも何も言わなかった。


「いやあ、少し変った味がしますね」

「本当に!」

 モーリッツ達の顔は少し歪んでいた。


 だから基本的に俺は料理の味付けはアンジェにさせない。


「美味しいですわ」

「本当に、こんなのはじめて食べました」

似て調味料で味付けだけしたスープに皆喜んでくれたが、外で食うから美味しく感じるだけだと思う。


「食事はまともに作れたのか?」

 そこに何故か、側近をひきつれたエーベルが現れた。

「一口食べてやろう」

エーベルが、よせば良いのに言い出した。

「殿下、止められた方が」

側近は止めようとしたが、

「一口くらい、良いだろう」

エーベルは平然として言った。

「どうぞ」

アンジェがよそっているのが、見えた。


「な、何だこの味は」

エーベルはぎょっとした顔をした。

「東洋風味付けですわ」

何と平然とアンジェが、言い出した。

「こ、これが東洋風か」

恐る恐るエーベルか、もう一口食べる。

「ラフィーから習いましたの」

「剣聖からか」

「東洋の島国で良く食べられるとか」

いやいやいやいや、絶対に違うぞ!

おそらく肉じゃがだと思うが、アンジェは醤油と砂糖を山のように入れて、それに更新料と塩を更についかしているのだ。絶対にまともな味にはなっていない。

「まあ、剣聖殿の力の源ですな」

ヨーナスとかは訳知り顔で頷いてくれるが、確かに味に文句を言われたら、東洋風だと言えと言ったけど、俺があんな味音痴だと思われたくはないのだが……

 これ以上アンジェと喧嘩したくないから何も言わなかったけれど……

 何故か、ヨーナスがそのレシピを知りたがって、その味を自分の騎士団で再現したのだとか……もう止めてほしかった。

 剣聖

 後日たべさせられたのだが、味が全体的に薄くなっていて、食べられる味になっていて驚いたのは後の話だ。



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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

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