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49.聖女視点 余計な事をしてくれた還暦騎士と悪役令嬢に必ず仕返しをしてやると心に誓いました

 私はエーベル様の婚約者である悪役令嬢のアンジェリーナを何としてでも、排除したかった。


 でも、ゲームと違う所は何故か引退間近の老人で昔の剣聖が護衛騎士として学園についてきていたのよ。 


 普通、悪役令嬢の為に名のある元剣聖が学園に入学するか?

 それも年が40も違うのに!

 あり得なかった。


 まあ、変な老人くらい簡単に排除できると考えた私が浅はかだった。


 学生では全く歯が立たなかったのよ。どこかの男爵令息は還暦騎士の一閃で私達の上に飛んで来て大迷惑をかけられたし、その上、現役の騎士団長をエーベル様がわざわざ連れてきたのに、騎士団長は悪役令嬢の雷撃の一撃で黒焦げになってしまったし……何なのよ。この二人は!


 悪役令嬢だけでも図太いのに、その上変な護衛騎士まで付いていて……

 こんな老騎士はゲームには全く出てこないはずなのに、尽く私の邪魔をしてくれるのよ。

 絶対に変だわ。



 こうなったら教会の聖騎士を使って排除しようかと私は思いついたのよ。


「申し訳ありません。聖女様。それは無理です」

 でも、腰抜けの聖騎士に相談したら一顧だにせずに拒否されてしまったのよ!

 老騎士を恐れるなんてそれだけ聖騎士は役に立たないって事なの?


「我々のレベルでは剣聖ラファエル様には絶対に勝てません」

「はああああ! 貴方現役の騎士でしょう。相手は引退間近の騎士なのよ! 何を寝ぼけたことを言っているのよ」

 私は騎士達を怒鳴りつけたわ。

 でも、聖騎士達は頑なに首を振って

「他の騎士ならなんとかなるかもしれませんが、剣聖様だけは絶対に無理です」

 私は10人の聖騎士に声をかけて全員に断られたのよ。

 なんて事なの!


 その上、この騎士はエーベル様のお祖父様、すなわち皇帝陛下とも親しくて、私は手の出しようがなくなったのよ。


 これはまずいとさすがに焦りだした時よ。


「このままでは私があの悪役令嬢に虐められるわ。それに、あの老騎士が私に襲ってくるかもしれないの。どうしましょう?」

 私は皆の前で嘘泣きしてみたわ。


「ミーナ様。元気をお出し下さい。私はミーナ様を応援しておりますから」

 そんな私にボルドー伯爵令嬢が声をかけてくれたわ。


「有難う。パトリツィアさん。でも、このままではあの男の計略で私はエーベル様から遠ざけられてしまうわ」

 私が泣きながら言うと、

「ミーナ様。あの老騎士、ちょっと昔に活躍したからっていい気になっているのです。ミーナ様に襲いかかるなど言語道断です。騎士はすぐに暴力に訴えますから、そこを付けば簡単に老騎士を排除できますわ」

 パトリツィアは笑って申し出てくれた。

 私はパトリツィアに任せることにしたのよ。


 パトリツィアは早速その機会を作ってくれた。


 あの還暦騎士がいない間にアンジエリーナを連れ出すのに、成功したのよ。

 取り巻き達がギャーギャー喚いてくれたが、貴方たちが今回のターゲットではないのよ。


 私が隠れて見ていたら、慌てた老騎士がアンジェリーナを助けようとアンジェリーナを囲んでいた女達をかき分けてくれたのよ。


「キャッ」

 パトリツィアが悲鳴を上げてくれたわ。


「痛い、骨が折れたかもしれない」

 パトリツィアは大げさに痛がってくれたのよ。


「何をしているのです」

 そのタイミングでカンタローネが現れてくれたわ。


「カンタローネ先生。私達がアンジェリーナさんに注意しようとしていたらこの男がパトリツィアさんに乱暴を働いたのです」

 女達がカンタローネに告げ口してくれた。


「まあ、なんて事なの! フランク王国の騎士は令嬢に乱暴を働くわけ?」

「いや、俺はちょっとかき分けただけで、大げさにその女が転けただけで……」

 必死委に言い訳する老騎士が憐れに見えたわ。


「まあ、なんて酷い」

 私もそこに登場して還暦騎士の非をうちだしてやったのよ。

 還暦騎士は皆にいびられて蒼白になっていたわ。


 そして、私は学園長に言って1週間の謹慎処分にさせたのよ。


 やっと邪魔なじじい騎士がいなくなったわ。


 還暦騎士は1週間の謹慎処分だ。


 この一週間でアンジェリーナを徹底的にいびり尽くしてやるわ。

 もちろんいびった後は私が被害者のように見せるのよ。皆の協力があれば確実に出来るわ。

 私は喜々として翌日学園に行ったの。


 私は取り巻きのパトリツィア達を使ってアンジエリーナを虐めるつもり満々だったのよ。


 でも、何故かパトリツィアは学園にいなかったわ。


 なんでも、お祖父様に連れられて急遽学園を止めて故郷に帰ったんだとか……

 私はとても不吉な予感がしたわ。


 そして、その日の昼休みにアンジェリーナを虐めるために、残りの女達を連れて一年底辺クラスを襲撃したのよ。


「何だ、お前らは?」 

 しかし、そこにはいるはずのないじじい騎士がいたのよ。


「貴方謹慎になったんじゃないの?」

 私は思わず尋ねていた。


「それは取り消された」

 じじい騎士が言い出してくれた。

「はああああ! 何をとち狂った事を言っているのよ。貴方がパトリツィアに暴力振るってパトリツィアが骨折したんでしょ」

 私は学園長に抗議に行こうとした。


「何を言っているのよ。ボルドー伯爵令嬢が昨日夜遅く、嘘を言って申し訳なかったと家族揃ってラフィーに土下座して謝りに来たのよ」

 悪役令嬢が教えてくれた内容は衝撃的だった。


「そんな訳ないでしょう。パトリツィアがそんな事言って謝る訳はないわ」

 私は反論した。


「じゃあ、手紙を書いて聞いてみなさいよ」 

「判ったわ。聞いてみるから貴方が嘘をいつているのはすぐにばれるんだから」

 私はそう言うやその場は帰ってきたの。


「ミーナ様。絶対に何かの間違いですわ」

「そうです。あの老騎士、パトリツィアを何かで脅したに違いありませんわ」

「そうよね。すぐに問い合わせてみるわ」

 私は取り巻き達の言葉に、すぐに問い合わせの手紙を書いたのよ。

 しかし、私が出した手紙の返事は来なかった。


 その上、何故か私の取り巻き達が一人欠け、二人欠け休むようになったのよ。

 私は驚いたわ。

 病気ならお見舞しようとしたら、来てほしくないと断られてしまったのよ。


「ちょっとドーリス、どういう事なの?」

 私はたまたまそこにいたドーリス男爵令嬢を問い詰めたわ。

「いえ、あの、そのミーナ様。私、少しミーナ様と距離を置いて考えたいんです」

 ドーリスはとても困った顔をしてくれた。


「何を言っているか判らないわ。私から離れたいってどういう事なのよ?」


「それが……実はボルドー伯爵家からミーナ様と付き合うのならば付き合いを止めると言われまして」

 青くなって白状してくれたのよ。

 何でも、ボルドー伯爵家はあの還暦騎士のファンで、騎士に敵対する家とは今後は付き合いを止めると私の取り巻き達全員に手紙を送りつけてくれたそうなのよ。

 なんて事なの!

 それで私の周りの取り巻き連中がいなくなったのね。

 覚えていらっしゃいよ!


 私はエーベル様に泣きついたわ。


「まあ、ミーナ。今は陛下やボルドー伯爵の手前、少し静かにしていた方が良いだろう。少しの間我慢してくれるかい。必ずなんとかするから」

 私はエーベル様から文句を言ってもらおうとしたのに、エーベル様も困っていると逆に諭されてしまったのよ。

 こうなったら仕方がないわ。私はエーベル様の言葉を信じてしばらく静かにすることにしたのよ。


 覚えていなさいよ。あのじじいと悪役令嬢。いつか絶対に仕返ししてやるんだから!



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